高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

BORN TO BOOGIE 2

2005-04-02 | Weblog
Tレックスのアメリカツアーに同行した時、ニューヨークのツアーメンバーの宿泊先はは「グラマシー・パーク・ホテル」だった。(デヴィッド・ボウイのときも同じホテル)
このホテルはレキシントンにあり、クラッシックでロンドンぽい。ホテルに隣接してガーデンがあり、ホテルの滞在客だけがその期間、鍵を所有して中を散策できる仕組みになっていた。ロンドンのポートベロー・ホテル同様、ここを利用するのは、かたや老人、かたやミュージシアンをはじめとするアーティストと、極端に違うふたつのジェネレーションのひとたちが多いと聞いた。
(またこの思い出深いホテルは70年代を舞台とした映画「あの日ペニー・レインで」の後半、ツアーが終わったミュージシャンたちがニューヨークに戻り、主人公の女の子がツアー妻としての役目を終える場所としても登場した)

ニューヨーク滞在中に、今夜はごく身内の試写会があるから来るように、といわれて、指定の場所に鋤田さんと出かけた。
そこにはなんとリンゴ・スターがいた。
マークとリンゴはゆるやかな階段状態になっている試写室の一番後ろの席に座って、親密そうにしゃべっている。鋤田さんは早速カメラを向けて撮り始めたが、私はその合間をぬって彼らの席までいった。
「リンゴ、私にサインちょうだい」というと
「うん、いいよ。でも一個だけね」といわれてしまった。あ、いけない、それじゃ鋤田さんのぶんがない、と思ったけど私は素直にうなずくしかなかった。
あとで、鋤田さんに「女の子はいいなー。さっさとサインを頼めるからなー」といわれたけれど、一個しかないものは私のものとばかり、自分のバッグにお宝をしまいこむのもさっさとやった。
そこで観たのが「BORN TO BOOGIE」だった。
鋤田さんに同行することは、いろんな未知との遭遇があることだった。この映画の試写会にめぐり合ったのも、そのひとつだ。

写真 (撮影・Yacco) ザンドラ・ローズのゴージャスなワンピースが似合うチリタ・セグンダ。彼女はTレックスのマネージャーをしていて、鋤田さんとTレックスのフォトセッションをOKしてくれたキーパーソンだった。(マーク、ミッキーだけではなく、チリタもこの世を去っている)