ここのところ印象深い日々がつづいている。あれもこれも日記に書こうと思っているうちに、時間に追いつていけない。
これからちょっと前のことを記すことがあるかもしれないけど、まず、
この日の、このことから。
鳥居ユキさんのパリコレ30周年の一大イベントをかねたコレクションが、代々木第二体育館でおこなわれた。
アシスタントの悠子ちゃんと、もとアシスタントのキシちゃんと千駄ヶ谷を出発。時間も早いし、お天気も穏やかなので、体育館まで歩くことにする。
神宮前2丁目ぐらいのところで、「ヤッコさーん」という大きな声。西田ひかるちゃんが車の窓から手を振っている。
「わたしたち、ユキさんのショウに歩いていくのよ」
「えらーい」といって車は走りすぎた。
私たちは早めに行ってよい席を確保しなければならない。
ひかるちゃんはVIPだから、もっとあとに来るだろう。
原宿の駅の辺りにはもう雑誌社のひとや新聞社のひとたちが、誰かを待って佇んでいる。あ、みんな今回は早いな、と思っていたら、携帯が鳴って、待ち合わせしていた友だちが、
「たいへーん、もうすごい列よ」とあわてている。
「大丈夫。私たちはその列とは違うのよ」と私は通ぶってこたえた。
それでも、人並みが続々と会場に向かっているので、足早になる。
中に入ると、広い会場が刻々と人で埋まってゆく。
私はいろんな人に挨拶したり、隣同士でおしゃべりをしたりして、スタートするのを待った。
ユキさんは、30年間一度のお休みもなく年2回のパリコレに参加してきた。
これはファッション業界でユキさんたったひとりなのだ。
大抵はそのときの事情や主義みたいのがあって、何回かはお休みしているのだそうだ。
ユキさんは迷うことなく、ひたすら美しい服をつくり続けてきた。
今回のコレクションでも、「ユキさんの服の、あの変わらない透明感はすごいわ」と、あるファッション誌の編集長が言っていた。
ユキさんの創りだす服の変わらない若々しさ、愛らしさ、そして何よりもだいじな透明感。ステージに現れる服を楽しみながら、さまざまな時のことがちらちらと脳裏をかすめた。
モデルさんたちがすべてひっこんだあと、大きなサプライズがあった。
大きな幕が引き落とされると、ステージに110名の男性が並んでいた。その壮観な眺めに、観客から「ウオッ」と声があがる。
男性達は10名ぐらいずつステージを歩く。顔ぶれは各界の名士だ。皆さん忙しい方ばかりが、この日、この時間、このステージによくぞ揃ったものだ、と感嘆するばかり。
ユキさんはある時期メンズのコレクションもしていて、それがニュース・キャスター、スポーツ選手、俳優さん、料理人、と書ききれないぐらいの意表をつく人たちが出演して、名物になっていた。その方々が、万障繰り合わせて、ここに集まったのだ。これぞ、男の友情と言う感じだ。
みんな楽しそうにウォーキングをし、観客もスタンディングして拍手する。私もステージ傍までいって、手を振ったり、声をかけたり、握手をしたり。
時の人、テリー伊藤さんが、ユキさんをエスコートする。
「テリーさん、おいしすぎるよ!」と声をかけたけど、聞こえたかしら。
これからちょっと前のことを記すことがあるかもしれないけど、まず、
この日の、このことから。
鳥居ユキさんのパリコレ30周年の一大イベントをかねたコレクションが、代々木第二体育館でおこなわれた。
アシスタントの悠子ちゃんと、もとアシスタントのキシちゃんと千駄ヶ谷を出発。時間も早いし、お天気も穏やかなので、体育館まで歩くことにする。
神宮前2丁目ぐらいのところで、「ヤッコさーん」という大きな声。西田ひかるちゃんが車の窓から手を振っている。
「わたしたち、ユキさんのショウに歩いていくのよ」
「えらーい」といって車は走りすぎた。
私たちは早めに行ってよい席を確保しなければならない。
ひかるちゃんはVIPだから、もっとあとに来るだろう。
原宿の駅の辺りにはもう雑誌社のひとや新聞社のひとたちが、誰かを待って佇んでいる。あ、みんな今回は早いな、と思っていたら、携帯が鳴って、待ち合わせしていた友だちが、
「たいへーん、もうすごい列よ」とあわてている。
「大丈夫。私たちはその列とは違うのよ」と私は通ぶってこたえた。
それでも、人並みが続々と会場に向かっているので、足早になる。
中に入ると、広い会場が刻々と人で埋まってゆく。
私はいろんな人に挨拶したり、隣同士でおしゃべりをしたりして、スタートするのを待った。
ユキさんは、30年間一度のお休みもなく年2回のパリコレに参加してきた。
これはファッション業界でユキさんたったひとりなのだ。
大抵はそのときの事情や主義みたいのがあって、何回かはお休みしているのだそうだ。
ユキさんは迷うことなく、ひたすら美しい服をつくり続けてきた。
今回のコレクションでも、「ユキさんの服の、あの変わらない透明感はすごいわ」と、あるファッション誌の編集長が言っていた。
ユキさんの創りだす服の変わらない若々しさ、愛らしさ、そして何よりもだいじな透明感。ステージに現れる服を楽しみながら、さまざまな時のことがちらちらと脳裏をかすめた。
モデルさんたちがすべてひっこんだあと、大きなサプライズがあった。
大きな幕が引き落とされると、ステージに110名の男性が並んでいた。その壮観な眺めに、観客から「ウオッ」と声があがる。
男性達は10名ぐらいずつステージを歩く。顔ぶれは各界の名士だ。皆さん忙しい方ばかりが、この日、この時間、このステージによくぞ揃ったものだ、と感嘆するばかり。
ユキさんはある時期メンズのコレクションもしていて、それがニュース・キャスター、スポーツ選手、俳優さん、料理人、と書ききれないぐらいの意表をつく人たちが出演して、名物になっていた。その方々が、万障繰り合わせて、ここに集まったのだ。これぞ、男の友情と言う感じだ。
みんな楽しそうにウォーキングをし、観客もスタンディングして拍手する。私もステージ傍までいって、手を振ったり、声をかけたり、握手をしたり。
時の人、テリー伊藤さんが、ユキさんをエスコートする。
「テリーさん、おいしすぎるよ!」と声をかけたけど、聞こえたかしら。