散歩日記XX

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20221210ギャラリー巡り

2022-12-10 16:23:57 | 美術・アート
本日は芸森→コンチネンタル→資料館→メトロ琴似の4か所。芸森への移動で時間を食ったのと、疲れが大きくてこれだけ。

■札幌芸術の森美術館「野田弘志-真理のリアリズム」。圧倒的な、物質的な存在感を感じるほどの絵画である。
「浜名湖(仮称)」:台風で外出禁止になった日に見た風景なのだとか。割とすんなり緩やかな絵画でいい。
「俳優島原智夫ノ肖像」:トーガをまとった男と舞台に立っているらしき男。日本人離れしたモデルである。
「花」:1970年ごろと思われる初期作品からリアリズムは芽生えている。これは小口木版を手で再現したような緻密な作品。

「My Minitopia My Minica'70(三菱自動車ポスター)」:これなど「プログレ入ってます!」という感じで、どこが自動車のポスターなのか。
「やませみ」:時が止まったかのような作品とはこういうものの事であろう。



「パネル」:製図版の上に巻貝と枯葉を描いた作品。この巻貝のカーブがハッとするほど素晴らしいのだ。
「鳥の巣」:新聞連載小説「湿原」に野田が挿絵を付けたのだが、その原画が150点以上展示されていた。この作品を試しに描いてみたところ数日かかったため、「挿画の仕事は無理である」と伝えたが、作家の加賀乙彦が食い下がって描くことになったのだそうだ。加賀も挿絵が小説に従属するのは望まずに、対等な立場で描いてほしいとの希望だったそうだが、これだけ緻密で迫力のある挿絵が付くというのも大変なことであっただろうと思う。

「トドワラ(北海道野付半島・8月)」:トドワラとはトドマツ林が立ち枯れたものであるが、そうでなくても「死」ということを感じさせずにはおられない作風であると思う。
「THE-9」:描く対象を縦一本のロープにまで絞り込んだ作品なのだそうだが、このロープが浮き出て見えるのだよね。

ところで、展覧会場の入口で私は何の気なしに左側へと進んだのだが、その時にそちらから出てくる人とすれ違った。何で入口から戻ってくるのかと思ったが、後で監視員さんに「こちらが出口なんです」と教えられてしまった。私こそが出口から入ろうとするたわけ者だったのである。普段と違って、右手が入口になるので、慣れている人ほどご注意を。



展示会場への通路から、制作中の艾沢詳子の作品が見えた。





第2展示室の「札幌芸術の森美術館コレクション選 加藤顕清 そこに「人間像」はあるか」もなかなか興味深い。

外に出ると美術館前庭の池は凍り、鴨たちもいなくなっていた。



バスで真駒内駅前に戻る。真駒内駅の駅名で「駒」という字の省略があまりにも大胆だなと気になった。四つ点を一本の棒で表現しているのだが、手書きの崩し字だとよくある話か。



■コンチネンタルギャラリー「2022北海道版画協会作品展」。
神田真俊「Thunder bolt」:一原有徳の作品に画面を縦横無尽に細いパイプのようなものが走っているものがあるのだが、それを想起させるようなモノタイプ作品。但し、オレンジ色を使い、パイプの交点は相互作用で歪んで見えるなど、独自性もある。
古林玲美「空の洞」:正方形の切手大の3点とそれより大きな1点の版画を組み合わせた小品。コンパクトで落ち着きが感じられる。

■札幌市資料館「おおば比呂司生誕100周年祭展 宇宙を旅して」。飛行機の機内食をスケッチした作品を見て「なんか楽しそうだよなあ」と思うのだが、本人からすると移動で疲れるし「もう金輪際飛行機に乗りたくない!」くらい思っていたりして。



メトロギャラリー琴似では3点の絵画が展示されていた。展示ケースの隅に小さくインスタグラムのアカウントが記載されていたのだが、良く分からないので作者名も作品名も展覧会名も不明である。



割と今日は好天だったが、最後になって湿った雪が強くなってきた。


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