雨の日に頭が痛い…それ、“湿邪”のせいかもしれません。漢方でひもとく「気圧」と「水毒」の関係とは?
雨の日、なんとなく頭が重い、ズキズキと痛む、気分もすっきりしない――そんな体調不良を経験したことはありませんか?
低気圧のせい?季節の変わり目だから?気のせい?――いいえ、それ、実は漢方でいうところの「湿邪(しつじゃ)」が関係しているのかもしれません。
◆“湿邪”とは何か?
漢方では、自然界の気候や環境の変化が身体に影響を与えると考えられており、それを「外邪(がいじゃ)」と呼びます。湿度の高い時期に体調が悪くなる原因は、まさにこの「湿邪」。
湿邪は体に余分な“水分”として入り込み、気(エネルギー)や血(栄養)、水(体液)の巡りを悪くしてしまいます。
特に湿邪は重たく、粘り気があり、停滞する性質を持つため、体に留まると「むくみ」「だるさ」「関節痛」「頭重感」「めまい」などの症状を引き起こすことが多いのです。
◆「頭痛」と「湿邪」の関係
では、なぜ“雨の日の頭痛”に湿邪が関係しているのでしょうか。
湿邪が体に入り込むと、体の水の流れが滞りやすくなります。その結果、「水毒(すいどく)」と呼ばれる、余分な水分が体にたまった状態になり、特に頭部への巡りが悪くなると「頭痛」や「頭重感」が生じるのです。
また、低気圧によって副交感神経が優位になると、血管が拡張し、神経が刺激されて偏頭痛を起こしやすくなるというメカニズムもあります。漢方ではこれを「気(き)」の巡りが滞っているとも捉えます。
さらに、もともと「脾(ひ)」=消化器系が弱い人は湿邪の影響を受けやすく、体内に余分な水をため込みやすい傾向にあります。雨の日に頭が痛くなるという人は、脾の弱さも一因かもしれません。
◆体に溜まった“湿”を追い出すには?
では、湿邪を追い出し、頭痛を予防・改善するにはどうすればよいのでしょうか?
漢方的なアプローチを3つご紹介します。
1. 「利水(りすい)」の漢方薬を取り入れる
体にたまった余分な水分を排出する働きがある「利水薬」が有効です。たとえば:
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五苓散(ごれいさん):水の巡りをよくし、むくみや頭痛、めまいに効果がある漢方薬。特に雨の日の頭痛にぴったりです。
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猪苓湯(ちょれいとう):利尿作用が高く、体内の水分バランスを整えてくれます。
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防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):水太りタイプの人や、だるさ・関節痛がある人におすすめです。
症状や体質によって適した漢方薬は異なるため、専門家のアドバイスを受けて選ぶのが理想です。
2. 食養生で“湿”をためない食生活を
梅雨時期や雨の日は、体に余分な水分がたまりやすいため、「湿」を溜めないような食生活を意識しましょう。
おすすめ食材:
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ハトムギ:利尿作用があり、むくみ解消に効果的。
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小豆:水分代謝を高める。甘く煮るより、塩ゆでやスープで。
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とうもろこしのひげ(南蛮毛):実は利尿作用があり、お茶としても使われます。
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ショウガやネギ:体を温めて湿を追い出す作用があります。
逆に避けたいのは、冷たいもの、生もの、脂っこいものなど。これらは体を冷やし、水の巡りを悪くしてしまいます。
3. 日常のちょっとした工夫も大切に
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湿度管理:除湿機やエアコンのドライ機能を活用して、部屋の湿度を下げるだけでも、体調の安定につながります。
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足湯や温かい飲み物:特に朝起きたときや、外から帰ってきた後などに体を温めると、湿の停滞を防げます。
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適度な運動:ストレッチや軽いウォーキングで、体の水分代謝を促しましょう。
「雨の日に頭が痛い」は、決して気のせいではなく、体の中に余分な水が溜まり、巡りが悪くなっているサインかもしれません。
そんな時こそ、漢方の知恵が役立ちます。
「湿邪を追い出す」「脾を補う」「水をさばく」――これらの考え方を取り入れることで、梅雨時の不快な症状も、少しずつやわらいでいくはずです。
不調を感じたら、体からのサインを見逃さず、未病(みびょう=病気になる前の段階)をケアしていきましょう。
雨の日も、心と体が軽やかに過ごせますように。
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