ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

八重山ツアー最終日・島民感情とコロナと。

2021-01-17 19:28:00 | 旅行・レジャー
最終日の朝食はビュッフェではなく、こちらの「八重山和朝食」にしてみた。



まぐろ丼、ゆし豆腐、ラフテー…
豪華なビュッフェに少し食傷気味だったので、コレは実に沖縄らしい大ヒットな選択であった。

フライトは正午だが、1時間半前にはクルマを返却せねばならず、石垣空港の出発ロビーでボケーッとする。


小ぢんまりした空港ながらお土産売場はしっかりしており、職場などでのバラマキ好適品から今夜のおかずの石垣牛焼肉用肉まで、何でも揃う。

一路、機上の人となる。

昼食は、ホテルに近い「スーパーサンエー」で買っておいたポーク玉子にぎりを、機内で。

予定より15分も早い13:55に着陸。
高速をブッ飛ばして15時半には帰宅出来たため、ゆっくりと片付けが出来たのだった。

子どもらが留守番してくれたので、今夜のごはんは八重山そば・タコライス・海ぶどう、それに一昨日食べ残して冷蔵庫に入れておいたさかな天ぷら(笑)。

今回の旅は八重山諸島の自然と食を楽しませてもらったが、一方で「2つの重い現実」を突き付けられ、複雑な心境にもさせられた。
ひとつは、我々本州に住む人間には決して理解出来ない島民感情。
もうひとつは、言わずもがなコロナ禍の中での旅の是非である。

竹富島の西海岸は、某リゾート開発会社が土地を買いリゾートホテルを建てる計画があるそうで、既に土地は買収されているようだが島民が激しく反発しており、建設反対を訴える立て看板を西海岸の随所に見る事が出来る。
レンタサイクル店の主人と話し込んだのだが、彼らは建設の是非もさる事ながらその計画が島民の意見を全く聞く事なく進められている事に抵抗しているのだ。

それは、まさしく辺野古の問題と同じである。
「カネを落としてやるんだから、オマエら島民にメリットあるだろ」
と一方的な理屈で進められているという意味では、規模の大小の違いはあれど本質は全く同じである。
某保守系新聞は、幾度となく社説で
「国防は国と国との問題であり、いち県が意見するべきものではない」
と、沖縄県民の意見に全く耳を傾けない政府を翼賛している。

私はそれに激しく憤りを覚えたため、以来その新聞は絶対に購読しないと決めたのだった。
本土を守るための捨て石に過ぎないと言うのであれば、政府はあの悲惨な地上戦から何も学んでいない。


もうひとつは、コロナである。
今回の旅は、とにかく行く先行く先で不自由を強いられた。
出発の関空で朝食を取ろうにも、マクドとすき家以外は全て閉まっていた。
泊まったホテルはスパ&サウナを閉鎖しており、利用出来なかった。
目当てにしていた飲食店も、いくつも閉まっていたり営業時間を短縮していた。
離島行きの船もかなり減便しており、クルーズなどのアクティビティは全てクローズになっていた。

これらの不自由が、仮にテーマパークであったなら「カネ返せ!」になるのだが、離島はテーマパークではない。
本州から見れば沖縄は離島、沖縄本島から見れば石垣島はさらに離島、竹富島や西表島はさらにその離島だ。
本州に居ればほぼ目や耳にする事はない離島の医療態勢の脆弱さを知らされるたび、我々はこの旅で島の皆さんに大変なリスクを背負わせてしまっている事に気付かされる。
これから島に渡ろうとされている皆さんは、おそらく私が感じたのと同じ歓迎のされなさ、座りの悪さ、申し訳なさをお感じになるだろう。
彼らは絶対にひとりの感染者も出せない。現に誰かが感染し重症化してその患者が集中治療室を塞いでしまえば、交通事故のケガ人すら受け入れられないのだ。

しかしながら、私が今回旅をした事は別に法や勤務先の就業規則に反する行為ではなく、むしろ正当な権利である。
勤続30年という節目で取得した休暇であり、年間の業務を考えればまとまった休暇を取れるのはこの時期しかない。
Go To トラベル適用ではなくなり正規料金での予約となったため、税金ドロボウなどと後ろ指を差される事もない。
ただそれらは全て私の都合であり、どのように言い繕ったところで島を旅する事は島民の暮らしに土足で上がり込む行為になりかねない。
我々旅行者は努めて謙虚であらねばならない、と痛感した旅であった…