天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画2023】「怪物の木こり」@60作目

2023年12月01日 | 映画感想
「怪物の木こり」

2019年の「このミステリーがすごい!(略称:このミス)」大賞を受賞した倉井眉介氏著の同名タイトル小説を実写映画化。
監督:三池崇史氏×主演:亀梨和也君という…またこのパターンか(最近なにかと叩かれがちなジャニ絡みか)と思わなくもないんだけど、気になる作品ではあったので敢えてスルーする理由もないし、だったら観ておくべきであろうと!

あらすじ
絵本「怪物の木こり」に登場する怪物の仮面をかぶり、おので頭を割って脳を奪い去る猟奇殺人事件が続発する。次の標的として弁護士・二宮彰(亀梨和也)が狙われるが、彼は殺人鬼を上回るほど狂気じみたサイコパスだった。一命を取り留めた彰は復讐を誓い、自ら犯人を突き止めようとするが、警視庁のプロファイラー・戸城嵐子(菜々緒)らさまざまな者たちの思惑が絡み合い、捜査は混迷する。(Yahoo!検索情報から丸パク)

先ずさ、本作の予告編の作りが悪過ぎる!
正直本作スルーする気満々だった。何故なら予告編観た感じだとバイオレンスアクション(三池監督だからやたら血しぶき上がってグロ全面出し系)モノとしか思えなかったから。少なくともあの予告編の作りでは亀梨君および出演者の誰かの推しの人か上にも書いたバイオレンス系 or ホラー系(エグエグ系)好きさん位にしか刺さらないと思うんですよね。という訳でそのどちらでもない自分は予告編だけ観た段階で「はいスルー」って自動的に分類してたわね。
では何故鑑賞したのか…それは、公開日が「映画の日(12月1日)」だったから安く観れる事と、これまた上に書いたけど本作についてちょっと調べてみたら原作小説が「このミス」の大賞を受賞している、という事が判ったから。個人的に「このミス」と「本屋大賞」と「山本周五郎賞」の3つには絶大な信頼を置いているんだ。

そんな訳で本作…いや皆んな「ジャニタレ使って集客アテにしたヤツな」みたいな偏見捨てて今直ぐ劇場行って観てこい!マジ面白いから!!
この手の作品はどこまでネタバレしていいのか(基本何もネタバレすんな、なんだろうけどさーw)微妙なラインだと思うんだけど、だから予告編の作りもあんな面白くなさそうなバイオレンスアクション風味になっちゃってるんだろうけど、でもせめて予告編の中にデカデカと「このミス大賞受賞作の実写映画化!」ってキャプション欲しかったわーそれだけで期待値かなり違って来たと思うじゃんねー(瀧汗)

まあ予告編でネタバレしてる辺りで…少なくとも主人公のアキラ(亀梨君)はサイコパス弁護士で自分の利益の為なら人を殺す事にも全く躊躇しない(弁護士やってるだけあって頭はいいから殺人の証拠を残すようなヘマは今のトコロしていない)キャラで、そのアキラがとある猟奇的連続殺人犯から狙われて執拗に襲われるようになるんだけど…最初は何がなんだかイミフで、まあたまたま襲われただけか?程度だったものの何度も襲ってくるから明らかに自分が何か理由があってタゲられているという事はバカじゃなくても判る。では何故自分が狙われてんの?になりますわね。

それと平行して当然だけど警察はもっと前からこの連続殺人事件を追っている訳で(菜々緒さんがプロファイラー捜査官役)警察サイドの捜査状況を見せていて割と早い段階で「何故この殺し方なのか」「この条件に当てはまる人物がターゲットになっている」というトコロまでは判るんだけど、では犯人の目的は?犯行動機は?というトコロにはなかなか繋がらない。
ここら辺のジリジリする見せ方は上手かったと思うな。観客もみんな刑事目線でこの話を追っている感じなんですよ。何しろ主人公がクソサイコパスだから全然主人公に感情移入出来ない訳で(苦笑)、またコレも敢えての…まああんまり書くとネタバレになってしまうのでアレですが、話が進んでくると「あれ?」って思う部分がチョロチョロと出て来て、最終的にクライマックスに向かって行くにつれて「あー、そういう事か!なるほどナルホドー!」ってなる…コレね、脚本も上手いんだろうけどやっぱ原作小説が神✨なんだろうね!

という訳で、亀梨君のサイコパスっぷりもなかなか板に付いた感じでした。でも素でサイコパスの染谷将太君には勝てないけどねーって染谷君がサイコパスなんぢゃねーわ素でサイコパスキャラの役やってるだけだっつーの(苦笑)
そして菜々緒さんが相変わらずおっそろしく美しいんだけど本作ではそういう「美」を前面に出す感じじゃなくて過去にトラウマ持ちのクレバーな心理捜査官をはやりお美しく演じておられましたわね。それから吉岡里帆ちゃんファンの皆様ご安心下さい本作の里帆ちゃんも非常に愛くるしいです♪彼女はええとこのお嬢様で役者の卵ちゃんみたいな役ドコロで、父親から勧められて流されるがままにアキラと婚約しているんだけどアキラに対してかなり懐疑的で、それが話が進んでくると段々アキラに心を開いて行く感じが上手かったすね。だからこそのラストシーンも生きるというかね。

おぉーっとまたネタバレしそうになっちゃったじゃないかー💦
ま、とりあえず食わず嫌いしないで劇場に観に行って欲しいです。本当に久し振りに当たりのミステリ物に出会いましたね!
コメント
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