天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「るろうに剣心 最終章 The Beginning」@19作目

2021年06月04日 | 映画感想
「るろうに剣心 最終章 The Beginning」

これでシリーズ完結編。
ああもうコレでお終いなのか…の最後が何故かBeginning。でもその理由も何となく自分なりに分かった…つもり。

あらすじ
動乱の幕末。緋村剣心(佐藤健)は、倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎(高橋一生)のもと暗殺者として暗躍。血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎(ひむらばっとうさい)と恐れられていた。
ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴(ゆきしろともえ・有村架純)に人斬りの現場を見られ、口封じのため側に置くことに。
その後、幕府の追手から逃れるため巴とともに農村へと身を隠すが、そこで、人を斬ることの正義に迷い、本当の幸せを見出していく。しかし、ある日突然、巴は姿を消してしまうのだった…。(公式サイトから丸パク)

映画冒頭から佐藤健君の殺陣が恐ろしい程カッコイイ!
本シリーズずっととにかくアクションが本当に素晴らしかった。演者の皆様の身体能力、そしてアクション演出、カット割り、何もかもがアクション好きの心をエグった!
るろ剣がなかったら多分自分は殺陣に「美」を感じる事はなかったんじゃなかろうか…それくらい、本シリーズの殺陣は新しい世界を切り開いた気がする。

そして本作は「何故剣心は【殺さずの誓い】を立てる事になったのか」という本シリーズ1作目の理由を描いています。
だからドラマ部分に重心が置かれているので所謂アクション好きさんの好物「ド派手なやっちまいな!シーン」が少なめで若干絵ヅラは地味め。
でも、ココを見せてくれた事で本シリーズが正に完遂したのだ、と納得出来る作りになっていたと思います。
なんて言うのか…前作の「The Final」が本シリーズの話の流れ的には最後になっているものの、今作の「The Beginning」によって第一作へ回帰していく、要するに本作を最後に持ってきた事で本シリーズが「無限ループ」となった、完全な「輪」として完成したのだ、と感じました。

本作のヒロイン「巴」を有村架純ちゃんが演じていますが、映画中盤までの無表情で硬い感じが…演技がポンコツなのか巴の立場上(後に明かされる)硬くならざるを得ないのかが自分でもスクリーン観ていて「どっちだ?」と疑心暗鬼だったんですが(ヲイ)、後の京都郊外の田舎に行ってからの柔和な表情を観て「ああ、この人なかなか凄いな」と改めて思わされましたね。思えば「花束~」の一瞬の表情で見せる演技も凄かったし、現在地上波放送中(本記事UP時では終了しています。本作鑑賞時)のドラマ「コントがはじまる」でもまるで違うキャラを演じてるし。
勿論佐藤健君の目で魅せる艶のある演技は言うに及ばず。本当に彼はカッコイイ!
切なくて苦しくて哀しくて、そして巴に向ける優しい眼差しで世界中の女子の心全部かっさらってく!もう本当にこの人どうしてくれようか!!(激萌)

巴が傍に居るから少しずつ笑うようになった。巴が寄り添ってくれるから「幸せ」の意味を知った。
巴が剣心に「余りに美味しそうに食べるので…」というシーンがあるんだけど、もう萌え萌えキュンキュンですよ!
そして人を斬る事の空しさや悲しみ、殺生与奪を己の剣で決める事の苦しみ、そういうモノを巴の存在があったからこそ剣心が惑うようになる姿にグッと来た。
ここら辺りの心理描写を台詞回しではなく佐藤健君の表情の演技で描いていたのは本当に素晴らしいなぁ~と、役者ってすげぇな!と改めて思いましたね。

まあ、色々モヤる部分も正直あった。
例えばだけど、「The Final」で巴の墓参りをしているシーンが出てくるけど、本作観ると…んん!?あの状態で誰が巴の墓立てんねん!ってなる。
それからマッケンが演じてた巴の弟「縁(本作では少年期なのでマッケンではない役者さんが演じています)」の出番少なっ!て言うか、確かコレも「The Final」で剣心が巴を惨殺するシーンを縁が目撃している、という体だったハズなんだけど本作ではクライマックスシーンに縁が登場しなかったと思う(自分が見落としてたのか?)
そもそも巴と縁の関係性の描き込みが物凄く薄い。縁が巴に向ける「姉であり母の代わりでもある唯一無二の存在」としての目線を本作でもう少し掘り下げて見せて貰わないと、前作で準主役級だった縁のキャラが全く生かされてない、いやコレではただの片思いシスコンになってしまうではないか!と^^;
個人的には安藤政信さんの出番が少ないのも悲しかったかも…まあコレは本筋に余り絡んでないから仕方ないのかもだけさw

でも、沖田総司を演じた村上虹郎さんとか桂小五郎を演じた高橋一生さん、辰巳を演じた北村一輝さん等の脇を固める演技陣の巧さが光っていてとても魅力的だった。
総じてキャストは本当に適材適所にドンピシャにハマる人を当てて来てたなぁ~と思いましたね。
多分自分が↑にあげつらった不満等を全て解消させようと思うと上映時間が5時間あっても足らなくなるんだろうから、ある程度薄口になるのは致し方ない事なのかもしれない。
だから個々モヤる部分は本シリーズをまた1から見直して脳内補完せよ、というミッションなんだろうな、とw

いやホントにね、本作観ると絶対にまた1作目を見直したくなる!本当に上手い具合に輪で繋がりましたね。流石です!本作がDVD化されたら全シリーズ一気買いしますわ!!
コメント
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