天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】ラストレシピ 麒麟の舌の記憶【34作目】

2017年11月17日 | 映画感想
「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」

伝説的グルメ番組『料理の鉄人』の演出家・田中径一氏著の同名タイトル小説の実写映画化。
監督は「おくりびと」で米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎氏、嵐の二宮和也君×西島秀俊さんのダブル主演という超豪華な顔触れ。
正直あんまり興味の湧かない予告編だったけどキャスト好きだけで鑑賞。まー入口は何処でもいいんだよ映画なんてね劇場で観てナンボですからw

あらすじ
佐々木充(二宮和也)は一度食べた味は絶対に忘れない&完全再現が出来るという「麒麟の舌」を持つ男。
店を開くも孤児院育ちで他人を一切信用せず妥協を許さない充の姿勢に店のスタッフも客も次第に心が離れ、多大な負債を抱えて店は閉店。
今はたった1人でその絶対味覚を生かして「最期の料理(人生最後にもう一度食べたい味を完全再現する)」を高額で作る料理人として名を馳せていた。
そんな充の元に中国料理界の重鎮「楊晴明(笈田ヨシ)」から依頼が入った。楊は1930年代、第二次世界大戦開戦前の満州で当時宮廷料理人だった
山形直太朗(西島秀俊)と共に作り上げた伝説のレシピ「大日本帝国食菜全席」を再現して欲しいと言う。しかしそのレシピは歴史の中に埋もれ行方不明なので
探して欲しいとも。かくして伝説のレシピを探す為に先ずは山形直太郎の足跡を追う事にした充だったが…

ニノ演じる「佐々木充」が70年前に作られた伝説のレシピを探す為に関係者を当たって、その人物から当時の様子を伝え聞いてそこから得られたヒントを元に
次の関係者に会って話を聞いて…を繰り返してジリジリと「山形直太郎」という人物像と伝説のレシピに迫って行くという作り。「永遠の0」と全く同じ構成だな。
で、その関係者の話というのが映像的に再現されていて回想シーンとして西島秀俊さんが登場するという作り。
冷静に考えてこの作りだと…舞台挨拶ではニノと西島さんが親しく色々話してたけど彼ら共演っつっても直接会ってないよねw

という訳で、「ニノ主演」とは言うものの印象的には6:4か7:3位で西島さんの方が登場シーンが多かった感じ。
そして西島さんは何度見てもチラッと見てもじっくり見てもカッコイイ!(萌)

さて察しのいい人なら(推理小説読み慣れてる手合い)回想シーンが始まってしばらくすれば「あ、ひょっとしてオチは…」と予測が付くかと。
もっと察しのいい人なら、予告編観てキャストが分かった段階でオチが見える(苦笑)
そんな訳で自分も回想シーンの序盤で「あ、そーか…さてはこういうオチだな?」と察しが付いたクチ。
まあ、後はその答え合わせを観て行くという作業になる訳ですが、そこは流石の滝田監督ですわ見せ方が上手い。
ちゃんと「泣かせドコロ」のツボをよーく心得ていらっしゃって…韓流モノのよーにこれでもかー!と大袈裟に畳み掛けるやり方ではなく
少しそっけない位の演出なのに、それがじんわり胸に迫って来るというのかな。「日本人らしい」見せ方だな、という印象。

まあツッコミどころもあるっちゃーあるんですが…その最大のものは何と言っても「大日本帝国食菜全席」を【再現する】というミッションだよね。
何しろ充は「一度口にした物の味は絶対に忘れない」がウリな訳で、見た事も食った事もない料理を再現するのは不可能ぢゃねーかと(薄笑)
もう一つ言うならそもそも70年前の「大日本帝国食菜全席」なるメニューを作るというミッションの必要性もほとんど感じない。
何もこんな大掛かりな事をしなくても、フツーにおもてなし料理作って、その料理人のメンバーの中に1人中国人を雇っておけば充分な訳で^^;

あんまり意地悪言っちゃダメだわね(苦笑)
でも観た事もないような変わったお料理が映画中バンバン登場してお腹空かせて観に行くと大変な目に遭うw
その中でもやっぱり…「牛カツサンド」はこの映画観た後に必ず食べたくなりますよね。実は自分「牛カツ」なるメニューを未だ食べた事がないんですが。

そして本作最大のオチは…ラストのスタッフテロップの一番最初に「企画:秋元康」の名前が出て来た事だわ。
おー、流石芸能界一のグルメ番長秋元御大www
コメント
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