上田龍公式サイトRyo's Baseball Cafe Americain  「店主日記」

ベースボール・コントリビューター(ライター・野球史研究者)上田龍の公式サイト「別館」

世のスモーカーに神の「ご加護」あれ?

2006年02月10日 | えとせとら
もう一般紙でもテレビでも実名報道をしているが、タレントの加護亜衣が喫煙中の姿をパパラッチ雑誌「フライデー」に撮られ、当分の間謹慎処分となった。
正直なところ、18歳の女の子がタバコをくわえている姿など、大学のキャンパスでは珍しくない光景だと思うのだが、やはり違法行為である。まあ致しかたあるまい。むしろ大学が喫煙した未成年の学生を処分しないのがおかしい。

しかし、かつての「アイドル」といえば、スターの座と引き換えにあらゆる自由を大人の社会に取り上げられるのが常だった。酒やタバコに関しては少なくとも表に出なかったし、恋愛に関しては100%ご法度。男性のタレントでも地方公演ではマネージャーにキーを取り上げられてホテルに監禁状態だった。しかも「減価償却が終わっていない」との理由で、売れてからも信じられない薄給に甘んじているのはザラで、あのピンクレディーが爆発的な人気のさなかでも、内風呂もないボロアパート住まいだったというのはすっかり有名な話になった。

その後、週刊誌を騒がせたスキャンダルの影響もあって、事務所のタレント管理も緩やかになり、タレントも売れればそれにふさわしい報酬を得るようになった。今年から「長者番付」が廃止されることになったそうだが、最近はタレント部門でSMAPなどジゃニーズ事務所の所属タレントがランキングするのは最近はまったく珍しい光景ではなかった。しかし30年ぐらい前は、下手をすると同世代の大学生のほうがよほど売れているタレントよりも自由になるお金を持っていたくらいだった

10代の若いタレントでも売れていればそれにふさわしい報酬を得るのは当然だし、私生活面での自由もある程度はあっていい。しかし「ゴシップ」はともかく、今回のような未成年者の違法行為が発覚すればそれは「スキャンダル」である。スキャンダルは当然、今回のように仕事に大きな支障をきたす。同年代の女の子に比べれば遥に多くの成功と報酬を手にしていたのが一瞬にしてパーになりかねない。タバコ1本のために、加護本人のみならず、彼女のために働いていた多くのスタッフも、その生活や人生に多大なダメージを蒙るのである
事務所は加護にプロとしての自覚が足りなかったとコメントしているが、その言葉はそのまま事務所の幹部たちに送ってやりたい。タバコじたいの害を説くことももちろんだが、なぜそうした行為が多くの人間の人生をめちゃくちゃにしかねないということを常日頃から教育してこなかったのだろうか。まして、未成年者を親から預かっているのだから、そうしたしつけをする役割も彼らは当然担っていたはずだ。

それにしてもだな、メディアはただただ「タバコを吸ったこと」ばかりクローズアップして、「どうして(未成年者が)タバコを吸うことがいけないのか」をきちんと説明することができていない。健康への多大な被害、放火と火災の発生原因トップの座を毎年のように争うこと、タバコが原因で起こる病気の医療費や火災による社会的損失が、タバコの売り上げと税収を大きく上回っていること……。結局、JTなどタバコ会社が相変わらず有力なスポンサーとして君臨しているために、タバコの害を民放はアピールできないのである。
18歳の小娘が、よりによって人目につく場所で一服やってしまったことで生じた損害はどれくらいなのだろう。これも間違いなくタバコが生み出した社会的損失のひとつと言えるだろう。

ちなみに私は、生まれてからこの方、タバコなるものを1回も口にしたことがない。おかげで余計な医療費はかからないし、保険料は安いし、車を下取りに出すときも10万円は高く引き取ってくれる。いいことだらけである。余計な税金、国に払ってまで体を悪くするこたぁねえよ!


最新の画像もっと見る