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連載開始からの愛読者・上田の「こち亀トリビア」!?

2006年02月11日 | えとせとら
(架空の人物が葛飾区で銅像になるのは「寅さん」に次いで「両さん」が二人目)

葛飾区亀有の商店会が、漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」の主人公「両津勘吉」の銅像をJR亀有駅北口に建立し、今日、作者の秋本治氏やアニメで声を演じたラサール石井氏らが出席して除幕式が行なわれた。
「こち亀」はちょうど30年前の1976年に「週刊少年ジャンプ」で単発で掲載されて好評を博し、同年秋から連載が始まった。「ゴルゴ13」「あぶさん」など、こち亀よりも長く連載されている漫画・劇画作品はいくつかあるが、いずれも隔週誌連載だったり、「ドカベン」のように中断期間があったりで、連載本数、及び休載なしの連載回数では「こち亀」がダントツで、単行本も間もなく通算150巻を突破する。

当初、この漫画の連載が始まってから2年間、作者の秋本治氏は「山止たつひこ」のペンネームを使っていた。単行本も最初の5巻はこの名前がクレジットされている(現在の版はすべて「秋本治」名に変更)。もちろん、これは「がきデカ」で当時人気のあった「山上たつひこ」氏の名前をパロディーにしたもので、そもそもジャンプの新人賞に「こち亀」で応募してきたときのペンネームが「岩森章太郎改め山止たつひこ」だったというのだから、デビュー作でいきなり「改名」していたわけである。実は私も最初の数週間は、山上氏が少年チャンピオンで「がきデカ」の連載を終え、ジャンプに移って新連載を始めたと思い込んでおり、それにしてはずいぶん画風が変わったと感じていた記憶がある。その後、山上氏本人からのクレームもあって、麗子巡査が初登場した100回目から本名に改名したはずだ。
最初は主人公の両津勘吉をはじめ、中川、麗子、大原部長などはリアルに年齢を重ねていたのだが、さすがに連載が10年を超えた前後から「サザエさん状態」となり、キャラクターが年を取らなくなった。私の記憶では、両さんが最後に自分の年齢を口にしたのは、友人の披露宴に出席した(このときも背広の片腕に「喪章」を巻き、「香典袋」に入れた祝儀を新郎の父親に渡している=笑)ときの「36歳」が最後のはずだ。また、実は連載開始から2年半ぐらいは下の名前がなく、単行本第14巻に掲載されている「本官は勤務中!」(連載第126回)で初登場した父親・銀次のセリフで初めて「勘吉」であることが明らかになっている。
舞台となっている「亀有公園前派出所」の所管も、連載当初は実在する「亀有署」だったが、その後警視庁からのクレームもあったようで、架空の「葛飾署」に変更。ところが最近になって警視庁が人気にあやかったのか(そんなことはないだろうが=笑)本当に「葛飾署」を作ってしまい(戦前には実在していたそうだが)、現在は「新葛飾署」に改名されている。

私自身、独身で金遣いの荒い道楽者で、眉毛が太く、また同じ「りょうさん」という共通点?もあって、この漫画が高校3年のときに連載が始まって以来愛読し続け、単行本もすべて所有している。この前奥付を確かめたら、3巻目以降はすべて初版であることもわかった。ついでといっては何だが、ウチの亀(フロリダスッポン)にも「勘吉」と命名している。

今回銅像を建立した亀有の商店会だが、そもそも原作では両さんがあちこちでためた「ツケ」の取立てをめぐって、給料日やボーナス支給日に商店の店主たちと繰り広げる「争奪戦」がお決まりのネタになっている。それだけに商店会がお金を出して銅像を建設したというニュースを聞いて、思わず吹き出してしまったのは私だけではあるまい。ちなみに、こち亀の百科事典である「カメダス」には、次のような商店街代表のコメントが紹介されている。
「両さんの買い物って値切った上にツケだからねえ。給料やボーナス出るたびに取り立てようと、こちらも努力はしているんですが、両さんは逃げることに関しては天下一品ですから。今じゃ、町内の指名手配犯ですよ」
コイツ、本当に警官か!?(笑)。そんな「被害」に遭っている商店会が金を出して銅像を建設っていうのは、まるで「盗人に追い銭」だね(笑)。

最後に、私のいちばん好きなエピソードは、東京スタジアムをモチーフにした「光の球場」である。


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2 コメント

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こちかめー (おりがみ)
2006-02-12 21:35:23
両さんのこども時代のエピソードは保育のヒントがいっぱい詰まっています。新人には「読みなさい」と勧めます。

お化け煙突の話が好きです。



あと、変な刑事さんも大好き・・。とくに海パンデカ(笑)
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Unknown (Ryo Ueda)
2006-02-12 22:28:57
現在の両津巡査長は、大原部長ならずとも子供のお手本にはなりにくいかも(笑)。ただ正義感は強くて(警察官だから当たり前なんですが)、いじめっ子とか暴走族には厳しいですね。

まあ大人から見ると「子供に見せたくない」といわれそうな漫画やアニメでも、実際にはいいエピソードがあったりするものです。「クレヨンしんちゃん」なんかもそうですね。まあ保育園にああいう子供がいたらやっぱり困るでしょうけど(笑)。
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