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メジャーリーグ「日本・アジア地区」の球団数拡張を提案する!

2007年03月22日 | Baseball/MLB

(日本にMLBの「ディビジョン」ができたら、とりあえずバド・セリグがコミッショナーになるわけだから、いまよりはずっとマシってわけだ=笑)

 

 

 夕方枠のニュース番組が終わりに近づいたころ、
「たった今終了したプロ野球の代表者会議で、ドラフトの『希望枠』を2008年から廃止することが決まりました」

の速報が入った瞬間、間違いなく「万」単位のプロ野球ファンが減ったはずである。フロリダやアリゾナの賑わいを伝えるスポーツニュースのなかで、メジャーへの人材流出と日本プロ野球の地盤沈下を憂うコメントも盛んに叫ばれていたが、メジャーという豪華客船(航空母艦かも=笑)がすぐ隣にいて、豪華なディナーも客室も(家族の分まで)用意してくれているのに、沈みかかっているボロ船と運命を共にするバカはいねえだろ? 

 そもそも「ドラフト制度検討委員会」なるものが、プロ野球、しかも機構・経営者側の代表者のみで行なわれていたことじたい、まったくおかしい。選手会はもちろん、「ドラフトされる側」の代理人として、アマ球界の代表者も加わって、構成するのが当然ではないのだろうか? これでは選挙制度や選挙区の区割りを投票される議員が決めるのと同じことである。その結果が、中央でも地方でもどうしようもない政治の行き詰まり状態を招いているのと同じことが、野球界でも起こっているわけである。

 なぜアマ球界の代表者を入れてドラフト改革を進めなければならないのか? 問題の「裏金」は、アマチュアもまた「当事者」だからである。オレも「希望枠」だけが裏金の温床だなんて思っていない。むしろ希望枠以上に問題なのは、プロとアマ選手のスカウティングや入団交渉の「プロセス」なのである。
 はっきり言ってしまえば、高校、大学、社会人選手にプロ入りの打診をするだけでも、本人や家族にコンタクトを取るまでの過程で、さまざまな「関門」が存在する。それが野球部の監督や部長、あるいは学校関係者といった常識的な顔ぶれならまだいいのだが、たいていの場合は「後見人」と称したワケのわからない人間がしゃしゃり出てくるのだ。こうした連中(全員というわけではないが)のすさまじい実態を知っている人間から見れば、あのスコット・ボラスがマザー・テレサに思えてくるほどだ。

 読売ジャイアンツの清武代表あたりは、「即戦力の大学・社会人は下位球団から、高校生は育成重視ということで上位球団からの指名に」などと言っているようだが、逆にプロ入り後ファームでの「育成」が必要な大学生や社会人出身者もいれば、清原和博や松坂大輔のような「即戦力高校生」も当然いる。選手個々の能力を無視して、どうしてそんな提案ができるのだろうか。もし、そういう制度を採用したいのであれば、アマチュアレベルで選手の格付け(レーティング)を行ない、それに沿って分配しなければ意味がない。
 
 アマチュアとプロが強制力・拘束力を持ったドラフト改革として実行すべきなのは、次の点である。
①NPB、日本プロ野球選手会、高校・大学野球、社会人野球が共同して、弁護士や司法・行政書士、ビジネスコンサルタントなどから「公認代理人」の職務を委託し、ドラフト指名された選手と球団側との交渉に必ず立ち会わせる。
②意思確認、事前指名の挨拶などは球団側が公認代理人を窓口にして、学校側に通知のうえ、球団関係者、選手本人が、選手の法的保護者、学校関係者、公認代理人立会いのもとで行なう。
③ドラフト指名後の入団交渉は球団側と選手本人、その法的保護者(親、あるいは民法に基づいて保護者の立場にある者)が、公認代理人のみ立会いの下で行なう。


 とにかく、こと日本の野球界に関する限り、入団交渉に球団と選手本人以外に立ち会う人間の数が少ないに越したことはないのである。とくに「後見人」と称するわけのわからない人間は徹底的に排除しなければ、「裏金」の根絶などまさに絵に描いたモチそのものである。

 まあ、イチローや松井秀喜、松坂はまさにいい時期にメジャーに言ったといえるし、逆に石井一久や吉井理人は火事の現場に舞い戻ってきてしまったようなものだ。いっそメジャーリーグはこの混乱に乗じて、ア・リーグとナ・リーグにそれぞれ「Japan もしくはAsia Division」を設置したらどうなんだろう? そうしたら、少なくともコミッショナーはわけのわからん「代行」じゃなく、昨年のスポーツ界最優秀エグゼクティブ受賞者のバド・セリグになるわけだからな(笑)。



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2 コメント

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またもや先送りとは・・・ (shigeto2004)
2007-03-22 02:24:33
こんばんは。

私もこのニュースを聞いてあきれてしまいました。そもそも、現在の「分離ドラフト」そのものが2年間の暫定的な制度として導入されたはずなのに、さらに1年間もこの問題を先送りしてしまうとは、もはや開いた口がふさがりません。これだけアマチュア球界や選手会が強く反発しているのを無視する厚顔ぶりにもあきれますが、このようなプロ野球の体質がファン離れを招いていることにまだ気付かないというのも信じられないことです。特に、巨人の経営陣などは「巨人が強くなれば、またファンは戻ってくる」とでも考えているのでしょうか・・・。

今回の裏金問題に続いて、ドラフト改革までうやむやにされてしまうような現状には、私は改めて失望させられたので、今年は多分プロ野球を見なくなるだろうと思います。(愚痴っぽいコメントになってしまい、申し訳ありません)
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Unknown (jeter)
2007-03-22 19:03:54
まだゴタゴタやってるのか、と呆れてモノが言え
ません。
どこかで誰かが似たような事を言ってて、
激しく同意なのですが...
いろんな方法・解決策を探るのも結構ですが、
そもそもタチの悪い連中が牛耳っている割に
性善説的な仕組みしか組んでないから、いろ
んなマチガイが起こり、それを収拾する自浄能
力が働かない?

大変残念ながら、既に斜陽作業である、ということ。
同じ野球でも商売敵が国内外に出てきている
ということに早く気付いて欲しいものです。

いよいよ週末からはスカパーも1日1試合体制。
こっちのほうが断然楽しめます。
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