上田龍公式サイトRyo's Baseball Cafe Americain  「店主日記」

ベースボール・コントリビューター(ライター・野球史研究者)上田龍の公式サイト「別館」

スケールが違う!MLBの「人事異動」

2005年12月09日 | Baseball/MLB
ウインターミーティング開催中のMLBでは、毎日、というよりも分刻みで大型トレードが成立している。FAで正遊撃手のラファエル・ファーカルを失ったブレーブスは、レッドソックスとのトレードでエドガー・レンテリアを獲得した。アルフォンゾ・ソリアーノブレッド・ウィルカーソンらとの交換でレンジャーズからナショナルズへ移籍(余談だが、今朝の「朝日新聞」は、通信社の配信記事を垂れ流して、ウィルカーソンを「内野手」と書いてやがった。ファーストは守るけど、基本的にはセンター。2005年最初のサイクルヒットまでやった選手の守備位置を間違えるのは、超恥ずかしいぞ!)。アストロズはロジャー・クレメンスとの年俸調停を申請せず、移籍が確実になった。引退のうわさもあるが、ウォーレン・スパーン以来となる、戦後二人目の通算350勝にあと9勝と迫っているだけに、現役は続行してほしい。
こうしたトレードを見ていていつも思うのは、メジャーのトレードはやはり「適材適所」が基本にあるということだ。もっとも収入があるはずのヤンキースでさえ、一部では「単年度赤字」が報じられているように、メジャーの各球団はいずれも厳しい財政状況で経営が行なわれているから、レギュラークラスを同じポジションでダブらせる日本のどこかのチームのようなことはまずやらない。新しくレギュラーを獲得すれば、他球団に放出するか、あるいはコンバートするかのどちらかだ。そうしたことを考えると、横浜ベイスターズが複数年契約が残っているという理由で鈴木尚典を残留させたり、江藤智が大幅減俸を飲んでまで読売ジャイアンツに残ることが、おそらくメジャーの関係者には理解できないだろう。
渡邉恒雄会長は、相変わらず読売ジャイアンツの監督問題を「グループ内の人事異動」と言い放っているが、原元(現=ややこしい!)監督の解任、堀内前監督の選択、桑田や江藤の残留、そして球団社長や代表の選び方などを見る限り、「まずい人事異動」の典型である。
優勝チームや強豪と呼ばれるチームでさえも、いやだからこそ、盛んに「リニューアル」が行なわれるから、メジャーリーグは毎年見ていても飽きることがない。まあ、フロリダで開催されている「カジキマグロのバーゲンセール」は困りものだが……。
そして、松井稼頭央の新たなチームは、この数日で決まるのだろうか? 来年こそは、「Eトレイン」の汚名を返上してもらいたい。
しかし、「Eトレイン」のコピーは、松井本人には悪いが傑作でしたね。ドントレル・ウィルスの「Dトレイン」とエラーの「E」、それにジャズの巨人デューク・エリントンの名曲「A列車で行こう」(「A」列車はNY地下鉄の一路線」)と、クィーンズを走っている地下鉄の「E」トレインをかけた絶妙のネーミングだったわけだ。オヤジギャグの域を出ない見出ししか作れない日本のスポーツ新聞の整理記者には、絶対にないセンスだわな(笑)。



最新の画像もっと見る