(「グリルスイス」のメニューには「猛牛・千葉茂」にちなんで「バッファローカレー」というのもあった)
今日は午後2時から銀座で仕事があり、6時近くに終わったあと、久しぶりの銀座ということもあって、すぐに帰宅せずに、夕食をこのあたりでとることにした。
そんなに懐が豊かでもないので、何を食べようかと銀座3丁目の路地をうろついていると、「グリルスイス」の看板が目に入ってきた。
(「グリルスイス」って、あの千葉茂さんの「グリルスイス」か?)
思わず看板に近づくと、店先に出ていたメニューに「千葉さんのカツレツカレー」の文字が。そう、ここは往年の読売ジャイアンツの名二塁手「猛牛」千葉茂さん(故人)の求めに応じて、初めて「カツカレー」なるものが考案されたと言われる店なのだ。生前、千葉さんご本人からもこの店とカツカレーの話は聞いていたのだが、いやあまさかここでめぐり合えるとは。もちろん、今日の夕食はカツカレーに決めて、店に入った。
店内はあまり広くなく、古びた感じも漂っているものの、いかにも昔ながらの「洋食屋」という雰囲気だ。肝心の「カツレツカレー」だが、千葉さんが行きつけの洋服屋さんに行って、後楽園球場に向かう途中で腹が減ってこの店に立ち寄り、球場入りまで時間がなかったので、好物のカレーライスとトンカツを一緒にして出したのが始まりと言われているメニューにしては、ボリューム満点なのは当然にしても、カレーのルーの味が妙に昔っぽかったのが実に懐かしかった。1300円という値段が「高い」という声もあるようだが、むしろ「高級レストラン化」してしまった最近の洋食屋のなかでは安いとは言わないが「普通」の値段。だいたい洋食屋に行くのは本来庶民のささやかな贅沢だから、マクドナルドや吉野家に行くような感覚で洋食屋に行くことじたいがおかしい。
最近、いろいろ凝ったカレーを食べさせる店は多いが、変に味付けにこだわりすぎて、「洋食」のよさをどこかに忘れてきてしまったような店が多い。ちなみにこのグリルスイスにはほかにも多くのメニューがあるのだが、「シャリアピンステーキ」(これが作れない洋食屋は洋食屋じゃない!)なども写真を見ただけで「ああ、昔の洋食屋のメニューだ。食べてみたいな」という思いに駆られた。そういえば、私が子供のころは月に一度ぐらい、親が連れて行ってくれる近所の洋食屋での外食が、一番の楽しみであり、ご馳走だったのだ。日本橋の「たいめい軒」や銀座の「つばめグリル」などはメニューがずいぶん高くなってしまったし、そもそもいつも混んでいるし、もう「洋食屋」って雰囲気ではない。その点では、この「スイスグリル」とか、浅草の「ヨシカミ」などは、店構えも昔のまま、あるいは昔の雰囲気を生かしているし(「ヨシカミ」のカウンターは傾いていて、ビールを入れたコップが時々手前に動いてくることもある=笑)、味も満腹感も文句なしだし、これからはこうした「洋食屋文化」の復興を大いに図っていきたいものだ。
最近は新宿、渋谷、池袋あたりからは足が遠のいてしまったが、銀座や浅草には出る機会がけっこうある。今後も「スイスグリル」に足を運ぶのが楽しみである。今度はお土産に「カツカレーサンド」も買って帰ろうっと!
(スイスグリルの紹介記事)
http://r.gnavi.co.jp/g306400/
でも本店ではなく、お手頃値段の築地店のほうでしたが(笑)。実は本店で食べたことがない。。
私が行ってたほうは、多分もっとカジュアルでそんなに広くはないんですが、おっしゃるようにいわゆる洋食って感じのメニューばかりなので、若い人ほどいいかも。大盛りを頼むほうがよいです。
銀座というより、東銀座になりますが、歌舞伎座すぐそばのペンシル型のビルにある「You」っていう喫茶店のオムライスをご存知ですか?値段が何倍もする「たいめい軒」よりずっとオススメです。店構え的においしいものが出る雰囲気が全くないだけにその味に驚きます(笑)
なんでもない洋食屋サンの衰退は残念です。
小洒落たイタメシ屋やファミレスの台頭は嘆
かわしいです。
大阪ミナミの生卵入りドライカレーで有名な老
舗店も数年前新橋に出てきましたが、もはや
外食産業化してしまって興醒めしてしまいまし
た。(その割りにちょくちょく通ってますが)
田舎モンの当方にとって東京の洋食屋サンは
敷居が高いんですけど、おっしゃるとおり余計
なところに変に凝りだし、一方で効率重視で画一
化(手抜き?)してきて、その上いいお値段。
ますます遠ざかってます。ちょっと贅沢、みたい
な場面では非常に使いづらくなってしまいました。