上田龍公式サイトRyo's Baseball Cafe Americain  「店主日記」

ベースボール・コントリビューター(ライター・野球史研究者)上田龍の公式サイト「別館」

No Wonder──「快挙」もハラデイなら不思議はない

2010年10月07日 | Baseball/MLB

 

 昨日、ロイ・ハラデイ(Philadelphia Phillies)のポストシーズン初登板にからめて、現役生活の晩年にようやくワールドシリーズの舞台を踏み、世界一の座をつかんだ大投手ウォルター・ジョンソン(Washington SenatorsⅠ)の話をBlogにエントリーしたが、ハラデイには檜舞台のプレッシャーなど関係なかったようだ。

 いつものように、ストライクを先行させて常に打者に対して主導権を握り、絶妙のコントロールとコンビネーション、そして多彩なアウト獲得のオプションで打者を次々と退ける。投球数104球のうち、ストライク79、ボールはたったの25球! 中継のtbs(ターナーブロードキャスティングシステム/ベイスターズを迷走の末に放り出すどこかの民放局とは違うぞ=笑)が1球ごとにコースと高さを表す表示を出していたが、まあよくあそこまでコーナーのギリギリを、それもすべて一級品の球種でつけることができるものだ。

 5月の完全試合に次ぐ、今季2度目、そしてポストシーズンでは1956年のドン・ラーセン(Yankees) 以来となるノーヒッター達成。ラーセンのときは外野への大飛球をミッキー・マントルが好捕するファインプレーに助けられたが、今日のハラデイはまったく危ない打球を打たれることがなかった。

 完全試合のあと、スポーツナビの依頼で寄稿したコラムにも書いたが、ハラデイがノーヒッターを成し遂げたことは「A great feat, but not amazing.(偉業ではなるが驚きではない)」のだ。
(スポナビコラム「「パーフェクト」がふさわしい男、ハラデーの偉業」)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/mlb/2010/text/201005310011-spnavi.html

 昨日のエントリーにも書いたが、ハラデイは殿堂入りしたサイ・ヤング、クリスティー・マシューソン、グローヴァー・アレクサンダー、ウォルター・ジョンソン、そしてサンディー・コーファックスやボブ・ギブソンら「Pitcher's Era」を築いた大投手たちとオーヴァーラップする存在だし、将来200勝、300勝を達成するときがきても、それは偉業ではあるが決して驚きではないだろう。

 昨年のワールドシリーズ終了後、野球文化學會幹事会の忘年会に出席した際、Yankeesのスタジャンを着て行って、日本を代表するPhillie fanatic永田陽一さんのご不興を買ってしまった(笑)。まあ去年はどうしても松井秀喜にワールドシリーズ優勝を味わってもらいたい気持ちが強くてYankeesを応援していましたが、いまメジャーでもっとも贔屓にしているハラデイが君臨している限り、私も改心してLittle fanaticとなって、Philliesを永田さんと一緒に応援いたします!

 

 

 

Philadelphia Phillies Past & Present

MVP Books

このアイテムの詳細を見る


最新の画像もっと見る