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殿堂入りブルース・スーターにまつわるハズカシイ?思い出

2006年01月11日 | Baseball/MLB
アメリカの野球殿堂入り表彰者(競技者表彰)が発表され、スプリットフィンガードファストボールのパイオニアでもあるブルース・スーターが選出された。去年、ブッシュスタジアムにゲストで来ていて、すぐ近くにいたんだけど、取材者だった私は球場内でサイン貰うことはできないんですよね。ちょっと前のドジャースタジアムだと、ロッカールームで平気で貰ってる某国取材者の人たちもいたけど、オレはそこまで厚顔無恥じゃないから(笑)。
通算300S、しかも現在のクローザーと違って、登板すれば2・3イニングスは平気で投げていた時代のリリーフ投手であり、82年にはカージナルスの一員として世界一に貢献している。ブリュワーズとのワールドシリーズ最終戦で、ホームラン王のゴーマン・トーマスを空振りの三振に切って取り、世界一を決めたシーンを憶えているが、あれはスプリッターじゃなく、普通のストレートだったような気がする。
彼の殿堂入りに異論はないが、バート・ブライレベンジャック・モリスアンドレ・ドーソンはなぜ今年もダメだったのだろう? 「MLB史上最高」ともいわれた(少なくとも私が見た中では絶対ナンバーワン!=若き日のデニー友利が「ボクもあんなカーブ投げてみたいですよ」と言っていたのを思い出す)カーブを投げたブライレベン、「80年代最高の投手」と言われたモリスは、ともに世界一にも貢献しており、初年度に入っていてもおかしくなかったと思うのだが。

スーターに関しての思い出だが、カブスにいたころ、ちょうどフジテレビが中継をやっていて、彼がスプリッターの握りを披露していたのを見た記憶がある。ボールを人差し指と中指で抜くと同時に、親指で押し出すように投げるんだって説明していたのだが、その親指を抜いたあとの握りが……まあ、日本では変なコトを意味する指の形に似てたんだよね。アメリカだと中指を立てるようなものなのか(笑)。
大洋ホエールズの仕事をしているとき、ある若い投手にスプリッターの話をして、この握りを見せたら「ふざけないで下さいよ!」って言われてしまったのだが(笑)。ただ、現在のスプリッターはスーターのその握りとは違うような気がしますけどね。
まあ、でも殿堂入り、本当におめでとうございます。ちなみに来年はカル・リプケンJr.とトニー・グウィンが資格初年度を迎え、リプケンが史上初の「満票」で殿堂入りするかが注目されています。クーパースタウンに行ってリプケンを見たい人は、いまから予約しておいたほうがいいですよ。


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