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眩しい太陽・・美しい月・・そして世の中所詮金でちゅ

伝説の獅子たちが活躍する笑い泣き感動ありのアクションストーリー (c)2008hiyoko.現在原画製作中!

第壱百四拾話

2009-01-02 | 本編


      ~22日 酉の刻~


りんが出撃した同時刻、トカマクら第一師団はファンブルグ中央通りを出発し、東西南北各方面に別れ、捕獲捜索を続けて1時間が経過していた。

町には歩く際の鎧の留め金の音や馬の歩く足音が師走の夜に鳴り響き、多量な兵員の第一師団の熱気から町はやや暖かく感じられる。


トカマクから徐々に距離を置くように馬の速度を緩めていたクルスとアメルふたりは抜け出すタイミングを計っていた。


クルス『・・・そろそろじゃないか(゜Д゜)?』

アメル『・・だね・・・じゃぁ行ってくるね・w・』

 

アメルはトカマクに見つからないようアメル担当指揮の小隊をクルスの小隊へ強引に合体させ、一人ジャッカル団の犯罪証拠である収入源の残りの調査に出かけていくのだった。


クルス『・・・アメル・・・頼んだぞ(゜Д゜)』

 

クルスはトカマクにばれないよう自身の担当する隊員でアメルの行く方角を隠すように配置させ、その背を見送っている。

 

すると・・

~~~~~~~~~
第壱百四拾話の推奨BGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=Z3UOY3MbZIM
より詳細な世界観を味わって頂けると思います。別タブで開いて引き続きお楽しみ下さい。
~~~~~~~~~


元々西方面にあたっていた第一師団第一連隊は、南の方角から強い光を放っていることに気づくのだった。

そして間髪入れずに、爆発音が聞こえてきている。


ドドーーーーーーーーーーーーン!!!!
ドドーーーーーーーーン!!!!!!
ドドドーーーーン!!!!


光は音より早く人間の五感に感知させることができる。
爆発地点から距離が遠い程その時差は長く生まれ、光のあと遅れて音が響いてきていた。


トカマク『!!!!!』

クルス『・・・・これは(゜Д゜)』

 

その時差や遠目から見る火の気から規模の大きさは、エステンブルグからの攻撃と思わせる程大きい爆発だと予想できた。


トカマク『・・・南町の中心??エステンブルグじゃないわね!!』

クルス『(・・・もしや・・あの方角・・・・)』

トカマク『クルス!!あなた先に様子みてこれる!?一応私たちはこのまま捜索続けるわ!すぐにそっちにも着くと思うから』

クルス『あいよ(゜Д゜)任せとけ!』

 

ドドーーーーーーーーーーン

 

離れたその距離からは種類の違った爆発音が続いており、その釣られているらしき
爆発音は建物の延焼を物語っている。


疑いはあるべき姿へ、そして歪んだ真実に光を灯すことはできるのだろうか。
立ち上る黒煙へ向けクルスの馬は走り出した。


第壱百参拾九話

2008-12-31 | 本編

第壱百参拾九話の推奨youtubeBGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=4XJy_Pei_SA
ctrlキーを押しながらクリックすれば別タブで開けると思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~


そこに現れたのは、紛れもない伝説の獅子の一人である弓師。

ジャッカルに見せ付けるが故に、もはや顔は隠してはいない。
この戦いを待ち焦がれていたかのように、りんの岩場に立つ姿は凛々しく神々しく衛兵2の目に映っていた。

高い岩場の頂上は風が強く、その横なぶりの風はローブの結び目からの布先とプラチナブロンドの髪の毛を真横になびかせている。

背中に数百本の弓を背負い、鎖帷子を着込み、いつもの装備とは違う戦闘に重きを置いた重装備。



衛兵2『・・すごぃ装備だ・・・あの腰にある斧は・・・・』



腰には亡き父の形見と思われる古びた斧、左手には長い弦、右手には特殊な数本の矢を握ったままりんは攻撃のタイミングを計っていた。

 

りん『・・・・・・・・。』


衛兵2『・・・ぼぼ・ぼくも・・・・戦うぞ><』

 

武者震いを始めた衛兵2の足はそのままに、鎧の肩紐などを結び戦闘準備を整え始めていると、突如りんは右手に持つ特殊な矢を五つの建物めがけて射っていった。


ヒュルルルルルルルルr・・・・・・・・


その矢は見事に五つの建物の屋根に直撃し、眩暈を起こさせるが如くまばゆい光を放っている。瞑らざるを得ない程眩しい光を浴びた衛兵2は、手で必死に目を覆い隠した。

 

衛兵2『・・・な・・・なんだ・・・・何が起きたんだ><』

 

次の瞬間、大気をつんざく爆音が響き渡り、およそ想像だにしていなかった突風が巻き起こってきたのだった。


ドドーーーーーーーーーーーーン!!!!
ドドーーーーーーーーン!!!!!!
ドドドーーーーン!!!!


たった五本の矢による攻撃とは思えない程の威力で爆発炎上を巻き起こし、一気にレンガの建物は半壊し、中央の庭を覆い隠すように周りの建物には火の気が回っている。

離れた衛兵2の場所にも爆風で建物の残骸やガラスの破片、火の粉が花火のように飛び散っていた。



衛兵2『・・・・すごぃ・・・・』



するとたくさんの手下たちが外に出て来ており戦闘態勢に入っている。

 

『なにごとだぁ~!!!!』

『討ち入りだぁ~!!』

『うぉぉおおおおおぉぉ!!』

『火を消せぇ~!!』

 

それを確認したりんは、気組みの入った声と共に空高く飛び上がった。

 

りん『やぁぁぁあああぁぁぁぁ!!!!』

 

りんは天地を軸にした駒のように回転しながら宙を舞っている。
満月の逆光がりんの飛びながら弦を構える全身の影を映し出し、影絵のように月を背に衛兵2の目に映し出されていた。


そして尋常ではない機械的な速度で弓を射り、


ビッ  ビビビッ  ビッ  ビッ  ビビッ   ビビッ


その射られた矢は見事に外に出てきた敵全てに命中し倒されていく。


『ぐぁぁぁ~!!!』

『・・・ぐ・・』

『うぉぉぉ~!!』

『うぁあ~!!!』

『・・ごふ・・』

『・・・く・・』

 

空中で回転しつつ敵の位置を一瞬にして把握して連続して矢を射っている。
それはまさに伝説の獅子たる由縁の攻撃であった。


衛兵2『・・・これが・・・りんさん・・』


そして下降したりんは、中央の庭地に着地すると、視線はどこを見るともなく全体を見るように視点を置き、肩幅よりやや大きめに足を広げたスタンス。

左手は弦を持ち、右手は弓筒へ置いたいつでも射れるその姿は、麗しき女性に姿を変えた鬼であった。

庭を囲むように建造されている五つの建物から敵がくることは必然。
あえてりんは弓師として真っ向から勝負を挑んでいる。

 

『そこにいるぞぉ~!!!』

『うぉぉおおお~!!!』

『何者だぁ~!!』

『いけぇ~!!!!』

『うぁぁ~!!!』

 

案の定りんを囲むように四方八方から敵が襲ってきたが、その早い弓射りは敵が現れるや否やすぐにその一連の動さを終え、敵は途中射られその場で崩れている。

背中に背負った弓筒から弓を取り出し弦にあて敵に照準を合わせる行為を一瞬でやってのけているりん。


りん『ジャッカ~ル!!!出てこぉ~い!!!』


徐々にジャッカル団たちも警戒し始め、物影に隠れつつ一斉にりんに近寄るように距離を詰めていたが、それでもなおりんに辿り着く事ができないでいた。

射られた額にかかる弓の圧力は人智を超え強く、敵は全速力で走る際に頭をどこかにぶつけたかのように強引な静止を強いられ、足を前方へ踏み滑り投げ出すように背中を地面に豪快につき倒れている。


『うぉぉおおおぉぉ!!!』

ビッ  ハ゛タッ

『おりゃぁあああぁぁぁ!!!』

ビッ ドタッ

『うぁぁぁああぁぁ!!』

ビッ   バタッ


 

すでに数百人の手下たちはりんを中心に山になるように建物前に積まれている。


衛兵2『・・りんさんは・・もしかして・・・伝説の・・』

 

すると、そのりんの桁違いの強さに恐れることもなく、倒れている無数の手下たちを眺めるようにのっそりと宿敵ジャッカルは母屋から姿を現したのだった。




ジャッカル『・・貴様ぁ~何者だ~・・・』

りん『!!!!』


第壱百参拾八話

2008-12-28 | 本編
    ~22日 酉の刻~



その冬至の夜空に満ちた月が昇っている酉の刻間際。

ファンブルグ北町に位置している城から出発した第一師団はまだ南町に姿を見せていなく、南町は嵐の前の静けさと呼ぶに相応しい程静けさを保ち、これからのりんの激闘を予感させていた。


衛兵2はオバマ山に位置していると言われているジャッカル団の屋敷を探し、南町で必死に捜索をしており、唾さえも出てこない乾いた喉をそのままに、もつれそうな足の感覚に囚われながら走り続けている。



衛兵2『・・・ぜぇ・・はぁ・・・ぜぇ・・はぁ・・まずい・・あと少しで・・酉の刻に・・・』



すると、満月の綺麗な光をくすぶって反射させている大きな屋根が衛兵2の目に入ってくるのだった。


衛兵2『あ!!・・・あれだ!!』


近くの高い岩場を登ると屋敷の全貌が見えてくる。

りんと衛兵2の戦場になるやもしれないその場所は、広い庭園を囲むように五つのレンガの大きな建物が立ち並び、その五稜郭を彷彿させる屋敷からは数百人もの敵が存していると予想でき、それは無謀な戦いと思わざるを得なかった。


衛兵2『ここだ・・・こんなところに・・・りんさんが・・無茶だ><』




そして一年の中で最も月が高くなる冬至の夜。
とうとう迎えてしまった酉の刻と共にりんは姿を現したのだった。


同じように屋敷を見渡せる岩場が衛兵2から離れた場所にもあり、りんはその高い岩場に立ち、その視線は母屋らしき大きな建物にある。


衛兵2『きた!!・・・あれはりんさんだ!』


りんの復讐劇の一幕。そして国でさえも踏み入れていなかった悪の組織への是正の戦いの序曲が今始まった。

第壱百参拾七話

2008-12-24 | 本編
  
    ~22日 申の刻~


刻々とせまっている酉の刻。
ファンブルグの町並みは年末の慌しさに加えて、戦渦と言えど気を紛らわすためでもあるイベントとしてのクリスマスの装飾や照明が目立ち始めている。

今回の警備は軍の第一師団も加わる大部隊で行う大捕り物。
トカマクらも含め兵士達は城内に入りきらず、城前の大きな広場を埋め尽くすように出てきていた。

ファンブルグ中央通は、その物々しさと城下のクリスマス一色の楽しげな雰囲気の境界線の役割をは果たし、一抹の楽しさを味わっている国民たちを横に、自警団と6000名の第一師団は城の前で点呼確認をしている。



兵士『第12連隊!!点呼ぉ~!!!』

 『ー。-1!!!』

 『ー。-2!!!』

 『ー。-3!!!』


・・・


・・




兵士『第8連隊ぃ~!!!点呼開始ぃ~!!!』

 『ー。-1!!!』

 『ー。-2!!!』

・・




トカマク『第一連隊点呼開始ぃ~!!』

衛兵1『いぃぃぃぃぃぃぃぃちっ!!!!!!』

クルス『2(゜Д゜)』

アメル『3・w・!!!!』

・・・・

・・・

・・


クルス『くそ・・並んでる場合じゃねぇぞ・・・早く調査いかねぇと(゜Д゜)』

アメル『・・うん>w<・・・・わたし即行で抜け出して国税所またいってくるよ』



もはや今のクルスとアメルにとっては捕獲作戦に参加する意味もなく、ただただトカマクらの命令に従って点呼確認に出席しているのだった。

城前の広場で点呼をするため整列しているクルスとアメルは、列を作り並びながらひどく対照的に並ぶ楽しげな町並みを横目で見ることができ、クルスは自分達の仕事ぶりと比較し、批判するように嘆いている。




クルス『なんだなぁ~世間はあと二日でクリスマスイブかぁ~(゜Д゜)』

アメル『早いねぇ~・・・でもわたしらはそれどころじゃないんだよねぇ~>w<』




師団の点呼確認が長い間続く中、列に並び続けているのが面倒になってきたクルスは横目でクリスマス一色の並んだ店舗を見ていると、すぐ側のテキヤの店員と目が合った。




店員『そこの兵隊さん買っていかないでちゅか?イブと言えばケーキでちゅ。甘さ控えめのデコレーションケーキでちゅよ~( ̄ω ̄ )』

クルス『・・ぉ・・・俺に言ってるのか( ゜д゜)?』

アメル『整列してる兵隊に売り込んできてる・・・すごい商魂・w・;』

クルス『すまん(゜Д゜;)今仕事中なんでな』




クルスは横目で店員を見て苦笑いをしながら断った。



店員『じゃぁ帰りに寄っていってくだちゃいねぇ~( ̄ω ̄ )』



いまだ点呼の声が飛び交っており、終わる気配はない。

するとトカマクが城入り口に設置した指揮壇の上から降り、クルスとアメルが並んでいる場所へ近づいてきている。



アメル『クルスくん!トカマク様きた・・・』

クルス『うむ・・(゜Д゜)』



私語を止め、姿勢を正してあごを引き、普段にない綺麗な直立の姿勢を保った二人とちょうど向かい合うように斜め前に直立にトカマクは立ち、無言で静止した。



アメル『・・・・・-w-』

クルス『・・・・・(゜Д゜)』

トカマク『・・・・・・・。』




トカマクは二人とその等間隔な位置に立ったまま、目だけを斜め前にいるクルスたちに向けて話し始めた。



トカマク『クルス!アメル!念の為いっておくわ!離席なんてもってのほかよ!ちゃんといなさいっ!調査になんかいかせないわよ!』

アメル『・・・・はひ-w-;』

クルス『(チッ)・・・・ぁぃよ(゜Д゜)』




6000名を越す兵員が導入され、ファンブルグの町全体が物々しい雰囲気に包まれるのと同時に、トカマクも緊張を顕に出しピリピリとしている。


トカマク『みんな気を引き締めて!!』



クルス『やべぇな・・・釘さされたな・・(゜Д゜)』

アメル『うん・w・;』


アメル『あとで様子見して抜け出すねーw-;二人いなくなるとまずいからクルスくんはいた方がいいよ』

クルス『わかった(゜Д゜)頼んだぞ』



トカマク『あれ?衛兵2は?』

衛兵1『存じ上げません!!!!!』

アメル『知りません・w・;』

クルス『俺に聞くなよ・・・・知るかよ(゜Д゜)』

トカマク『・・・・・。』



トカマクは解せない表情をしたまま戻り、やっと点呼確認を終えた連隊たちを目の前に大々的な大捕り物の始まりを告げる為、トカマクは壇上に上がった。




衛兵1『静粛に!!トカマク様より全体指揮の挨拶だ!!』


トカマク『自警団!そして第一師団による一日の合同捕獲を今より始める!各自5m間隔!敵が抵抗した場合や逃げようとした場合、不振な素振りを見せた時点で強行手段で捕獲!敵の戦力は侮れない!死体でもいい!!本日をもってこの事件の終止符を打つ!!絶対に今日捕獲する!!では出発!!!!』


・・・・・


・・・


・・


その頃、衛兵2はファンブルグ南町のオバマ山にきていた。


衛兵2『ぜぇ・・はぁ・・・ぜぇ・・はぁ・・><;ど・・どこだ・・・』


ファンブルグ国の中でも南町に位置するオバマ山は他に比べ土地が隆起しており、一段と北風が街中を通ることで寒さが余計に感じられている。

以前りんと話した中での情報は、ファンブルグ南町のオバマ山にジャッカルの本拠地があり、酉の刻にてりんの復讐劇を始めるということだけであった。

衛兵2は、せめてものりんへの力になることは助太刀しかないと考えており、一緒に戦うと言ったところで断られることがわかっていた衛兵2は、その僅かな情報だけを頼りにオバマ山の中を数日間かけて探していた。



正規の仕事も出ず、飲まず食わずで数日間。
死に物狂いで衛兵2はジャッカルの本拠地を探している。
彼のその強い思いは、りんへの気持ちの表れでもあった。


衛兵2『はぁ・・はぁ・・・ぜぇ・・はぁ・・どこだ><』

第壱百参拾六話

2008-12-22 | 本編

第壱百参拾六話 推奨BGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=tqRl_-XI27s
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       ~22日 馬の刻~


冬至と言われている12月22日。
太陽の中心が冬至点を通過し、北半球では一年中で昼が最も短く、夜が最も長くなる日。馬の刻を迎えているファンブルグ国ではすでに日は地に姿を隠している。

 


りんは隠れ家にて戦闘前の準備をしていた。

この戦いはりんは遠隔攻撃だけでなく近接戦闘も予定している為、正装であるカモフラージュの布服の下には鎖帷子も着込んでいる。


今までにない大規模な戦闘。通常より大きい背負い矢筒には予め作られた何百本もの矢を詰め込み、その作業が終わるとりんは別に用意した五本の矢が置かれた机に座った。

 

姿を隠すことなく戦う今回の戦闘は、攻撃力や威力を重視した装備が望まれていた。その特殊加工された五本の矢は建物に重大なダメージを負わせる爆発を伴う矢であり、最後の作業として火薬粉を詰めようとりんはゆっくりと深呼吸をしながら袖捲くりをしている。


りん『・・・ふぅ~・・・』

 

そっと火薬粉を葉の上にこぼし、慎重に包んでは矢の先に麻の紐で結わいている。


・・・・・・


・・・


・・

 


時として目は真実を証明し、真実を捻じ曲げる。
目に見える物を人は信じ、目に見えぬ物を人は信じようとしないものだからである。

 

有事の際には即座に人員を確保する必要がある時代。
戦時中のファンブルグ国の犯罪捜査力には限界があった。

混乱を極め秩序が保たれていない国には多様な犯罪が多い。

その中でも水面下で行われている巧妙な犯罪は自警団も気づく事が難しく、規模が拡大している実情があった。

ジャッカル団らによって周到に作られた物流の超過した通過料によって厳しい生活を強いられた一般市民は調査をすることもできず、疑問を抱くことのみの生活が続いていた。




国が動けなく、その不正を正す者が必要とされている今、ひとりの伝説の獅子が立ち上がった。

 

時代に必要とされている時を越えて正される激しい戦いは避けて通れない。


第壱百参拾五話

2008-12-20 | 本編

第壱百参拾五話の推奨youtubeBGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=eJrR6jaU2mY
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衛兵2は睡眠を削り、聞き込み調査や被害者録などもあたり、不眠不休で一連の事件の正当性を裏付ける調査を行っていた。

りんが今までたった一人で調べ上げ、たった一人で健気に戦っていた事を思うと、どんなに悲しかったか、どんなに辛かったかを衛兵2は調べていくうちに理解することができたのだった。

衛兵2の憧れの存在であるりんの綺麗な顔の奥に、見せることもなかった耐え難い悲しさや寂しさがあったことに気づき、なんとか力になりたいという衛兵2の気持ちは強まるばかりであった。

クルスたちと同じように確証までには至ってはいなかったが、徐々にりんの言っていたことが真実であると思わせる事柄が見つかる度に衛兵2の体の疲れは吹き飛んでしまっている。


居た堪れなく無性に会いたくなってしまった衛兵2は、またりんの家まできてしまっていた。

 

衛兵2『・・・・・・またきちゃった><』


夜遅く、人里離れた森の中はフクロウの鳴き声がどこからともなく聞こえ、森の高い木々から月明かりが細かくこぼれていた。


しかし、いざ来たところですぐに訪問する勇気も出ず、りんの家のドアの前に立ち止まったまま時間が過ぎてしまっている。

 

衛兵2『・・・・・・><』

 

・・・・・・


・・・


 

そして勇気を振り絞り、衛兵2はノックをした。

衛兵2『・・・・ゴクッ・・・><』



コンコンッ・・・・



衛兵2『・・・・・りんさん・・いますか?』

 


するとドアの前で立ち往生している衛兵2に既に気づいていたかのようにすぐにドアの反対側からりんの返事が返ってきた。


りん『えぇ・・いるわ・・』

衛兵2『あの・・・・ぼく・・ずっとジャッカル団のこと調べてました。りんさんが狙っている人は確かにジャッカル団たちなんですね。もしかしたら・・自警団の人たちや第一連隊の人たちに話せばわかってくれるかもしれないです。』

りん『・・・・・。』


暫く沈黙が続いたあと、ドアは開けぬままりんはしゃべりだした。

 

りん『そんなに甘くないわ・・奴らは巧妙よ。商取引の紹介料という名目で払わせている言わば見えないみかじめ料。あなた一人で調べられるものじゃないわ。』

衛兵2『僕がこれから調べてみせますよっ!ぼく・・絶対りんさんを・・』



衛兵2の言葉を遮るようにりんはドア越しに言った。

 

りん『ありがとう!・・・でももうその必要はないの』

衛兵2『・・・・え?・・・どうしてですか?』

りん『オバマ山にジャッカル団の本拠地を発見したの』

衛兵2『・・・乗り込む気ですか!?やめてくださいっ!!いくらりんさんでも><!ただの子分の屋敷のようにはいきません!りんさんに・・・もしものことがあったら・・><!!』

りん『心配してくれてるのね・・ありがとう・・でもこれは私の中で決着をつけたいの。22日の酉の刻。私のお父さんとお母さんは天に召されることがやっとできるわ』

衛兵2『・・だ・・・駄目だ><!!』

りん『おにぎりありがとう・・・おいしかったわ』

衛兵2『りんさん><!!!!』

りん『お願い・・・・・・・帰って・・』

衛兵2『・・・・・・><』

 


りんは衛兵2まで巻き添えにするわけにはいかなかった。
今ドアを開けてしまえば互いに情が移りこみ、万が一死を迎えでもした場合、互いに苦しむことになってしまう。そうなることをりんは気づいていたのだった。

衛兵2はドアを隔てたすぐ側にいるりんのいる方向を向きながら、肩を落とし何も言えないでいる。


衛兵2『・・・・・><』

 

全ては7年前に始まり、りんはひとりで解決すると決めたジャッカルへの復讐。
大切なものを奪われたものの人智を超えた悲しみ。そこに生まれた使命感。

衛兵2にとっては痛いほどその気持ちがわかり、その重みのあるりんの発言にはそれ以上抵抗し止める事もできず、衛兵2は帰路へ戻らざるを得なかった。


衛兵2『(・・ぼくが・・・ぼくがなんとかしなくちゃ><)』


第壱百参拾四話

2008-12-19 | 本編
軍を率いている精鋭隊である第一師団第一連隊。
エリートの集まる名誉高い隊とは言えど、軍師団長などの身分が高く軍経験の長い長達が顔を連ねている会議場の中で発言をすることは通常であれば物怖じしてしまう。

しかしクルスは指揮官たち長の視線が集まっている中、威風堂々と話し始めた。



クルス『単刀直入に言う(゜Д゜)!今、我らが追っている犯人は追うべきではないと思う!書庫の被害者録から、元ジャッカル団の経歴を持つものだけが狙われていること。ファンブルグ西町での聞き込み捜査から、西町の住民たちの噂では、ジャッカル団は懲りることなく今だに談合や賄賂などを行い、物流の取引の間に入り、物品の値上がり分を国税とみせかけ、巧妙に今でもその金で私腹を肥やしているらしい。』


会議場の長達は静かにクルスの声に耳を傾けている。

第一師団長『・・・・・・。』

トカマク『・・・・・。』

王様『・・・・・・・・ーωー』


クルス『第一や自警団が追っている犯人はそのジャッカル団から金を奪い返し、市民にばら撒き返しているらしいんだ(゜Д゜)!!我らは今、重要な何かを見過ごしているような気がしてならない!』


トカマク『・・・ジャッカルからお金を奪い返している・・?犯人が正義の味方だと言いたいのね?仮にジャッカル団が今でも犯罪に手を染めているとして・・・その証拠は?・・・噂が証拠にならないことはわかってるわよね?他にはないの?』




クルスは左隣に座るアメルの右足をテーブル下で軽く小突いている。




クルス『収入源洗ってきたんだろ?』

アメル『もうちょっとまってて>w<まだ終わってないっす!!ジャッカル団たちの取引量多いんだもん!!とても一人で調査できる内容じゃないし!』

クルス『・・・く・・トカマクたちは動き出しちまうぞ(゜Д゜;)』




今までの経験上、トカマクらの大捕獲作戦は激しいものになるに違いない。
場合によっては犯人が死して捕獲終了となる場合も大いに考えられた。
より深く調査をして真実を発掘することなく犯人を死に追いやるかもしれぬ大捕獲作戦は、どうにかして止めねばならなかった。

しかし、今のクルスとアメルにあるのは第六感と聞き込みによる西町での噂のみ。
証拠となるものは今の段階ではない。





クルス『今アメルが国税所から現ジャッカル団の収入源が正たるものか照合して調べているところだ。他の証拠は・・・・まだない・・・・』


トカマク『噂をしている人たちは証人になれないわ。物証がない今の現状では動く価値はなし!疑わしきは罰せずよ!』


クルス『・・ジャッカル団たちはまた悪行をしているという噂は見過ごしていいのか(゜Д゜;)!?捕獲ではなく、調査を全面的にしないか!?』


トカマク『現状の兵員が不足している今、調査に時間なんか使ってられないのよ!!手っ取り早く捕獲し、もし逮捕時に犯人が生きながらえているのであれば、裁判などで調査する時間がでるかもしれないわね。』


クルス『・・・くそ・・』

アメル『クルスくん>w<もう動いてくれないよ!わたしこの後もすぐ調査いって証拠調べしてくるから』


トカマク『それではみなさん!!大捕獲作戦決行はいつがいいと思いますか?』

第二師団長『早い方がいいですな』

第三師団長『合意です。すぐに準備を整えましょう。』

連隊各長『お任せいたします。』

トカマク『それでは22日に!!犯人の生死は問わない!!捕獲の為には容赦なく攻撃を!犯人はファンブルグのどこかに拠点を置いているはず。虱潰しに当たるわよ!各隊も準備の整えをよろしくお願いします。』


第二師団長『かしこまりました。』

第三師団長『御意です。』

連隊各長『承知いたしました。』

クルス『・・・・・・・。』

アメル『・・・・・・・・。』

トカマク『それでは解散!!』



結局クルスの訴えも蛇足に終わってしまい、会議は終わってしまった。
各連隊長や師団長も立ち上がり、クルスとアメルを残し、皆足早に部屋を出て行っている。


クルス『・・・・ほんとに頭のかてぇアマだ・・』

アメル『・・・・人手が足りないんだよ・w・;・・・・22日か・・照合は間に合うかな・・・・。』

クルス『俺も手伝うぞ(゜Д゜)』



大捕獲作戦を予定されてしまったクルスとアメルたち。
それまでに事件被害者たちが悪の一味であり、犯人が正たるものであるとの証明をし、トカマクらを説得できるのだろうか。タイムリミットの日は近い。

第壱百参拾参話

2008-12-16 | 本編
第一師団が撤退を余儀なくすることですぐにモロン地区はエステンブルグの手に渡ってしまったが、パパロニ地区の兵員を増強に務めた為、その地区では領地を守ることができていた。


昼の刻から夕の刻まで6時間かかった戦闘を終え、ファンブルグ軍は生き抜く暇もなくその日の師団合同会議の準備を慌しくしている。




衛兵1『お疲れ様でございました!!』


第二師団長『うむ・・・・』


衛兵1『お疲れ様でございました!!』


・・・・・

・・




城の中でも最も広く作られているその軍師団会議室に各師団長や連隊長、自警団長なども次々と部屋に入ってきており、入室を迎える衛兵1は敬礼を繰り返している。


顔を見合すように丸い大きな会議テーブルの席に各長は座り始め、まだ戦闘直後の鎧を脱ぐこともなく行われる為、その部屋はどこの部屋よりも血生臭い匂いが漂っていた。



衛兵1『トカマク様。概ね揃ったようです。』


トカマクはテーブルに広げられた資料をまとめつつ黙って頷いた。


トカマク『王様、時間がないのでもう始めます。』

王様『ほむーωー』



トカマク『え~コホンッ!では概ね揃ったようなので、いかんせん時間がない為・・第314回12月16日軍師団会議を始めます。』


トカマク『今日における軍全体報告ですが、マロン地区撤退をすることで、エステンブルグの力を入れていたであろうパパロニで見事勝利することができました。

エステンブルグの石火矢の合板による対策なども効果があり、第一連隊を始め多くの兵員が士気を落とすことなく果敢に戦い続けられたことが勝因と言えると思います。では各師団長から報告をお願いします。』


第二師団長『第二師団では・・』



・・・・・・・


・・・・



・・・




第二師団長が話し始めるとトカマクは体を乗り出すようにテーブルにもたれつつ、やや離れて隣に座る衛兵1に、耳元でささやいた。



トカマク『衛兵1、アメルはまだきてないの?』

衛兵1『はい、まだ来られてないようです。』



衛兵1もトカマクに合わせるように小声で返すと、トカマクは確認するかのようにテーブルに顔を連ねているメンバーを再度端から順繰りに見ている。




トカマク『あれ・・クルスも?』

衛兵1『そのよう・・・・ですね・・』




トカマク『・・・衛兵2もいないじゃない・・。』

衛兵1『・・・・彼は急用ができてしまったとのことで・・』

トカマク『・・・・・・・。』




そしてその三名は顔を出すことはなく、軍謀会議は進められていた。





・・・・・・・・




・・・・




・・



そして今後の作戦報告なども終わり軍師団会議も終盤に入り、国内警備に関する話になっていった。


トカマク『それではエステンブルグからの進撃に関する防戦報告及び作戦はここまでにしたいと思います。続いて国内の未解決事件についてです。自警団長、報告をお願いします。』


自警団長『はい。先々月あたりから出没している未解決事件について報告させて頂きます。犯人は発見できたものの、今だその・・・・・』




・・・・・・

 
・・・・・


・・・



すると会議室のドアが静かに開き、身を低くしてクルスとアメルが音を立てずに
忍び足で入ってきている。

それに気づいたトカマクは小声でクルスやアメルに話しかけた。




トカマク『ちょっと!!なにやってるの!クルス!アメル!』



クルスやアメルも合わせる様に吐息交じりの小声で返している。




アメル『遅れました>w<さーせん!』

クルス『すまんトカマク(゜Д゜)!戦闘終わってからすぐに例の未解決事件の調査してたんだ!』

トカマク『早く座りなさい!』




自警団長『・・・・であるからして、最善の努力をし犯人を追い込んでいこうと計画してはいるのですが・・困難を極めているのが現状であります・・以上であります。』

トカマク『・・・ご苦労様です・・・要は・・・・人員が足りないのよね?』



第一連隊だけの助っ人では到底犯人を捕獲することは困難を極めると言った事が、第一連隊のプライドを傷つけ、強いては上官であるトカマクを侮辱していることに繋がり怒りをかっていると勘違いした自警団長は必死に否定している。



自警団長『ぁ・・・ぃえ!!第一連隊の方々の助っ人でかなり助かっております!』


その態度に気づいたトカマクも自警団長の余計な気遣いである心中を察し、言葉を
付け加えた。



トカマク『確かにそうよ。今の現状では難しい。もしかしたら私達の対面している
犯人はもっと大きな存在なのかもしれないわ。報告ありがとう団長。』


自警団長『・・・はい!!』


怒りを買ったわけではないとほっと肩を撫で下ろした自警団長は安心のため息をもらした。


トカマク『こうしましょう。国内の事件に時間を使っていられないわ。手っ取り早く今度は第一師団全体で町を包囲しましょう。事件があり次第一気に囲み捕獲しましょう。どうですか?ご協力願えますか?』


第一師団長を始め各連隊長も驚きざわつきがあったが、反対をするものがいないようだ。連隊を五つ従える第一師団は、6000名近い兵員を導入することになる。


トカマク『よろしいですか?王様』

王様『・・・・ほむーωー大捕り物になるが致し方あるまい。一日で事件に終止符を打った方が懸命かもしれんからのぉ・・・・』



すると、溜まらずクルスは発言の許可を求め挙手をしている。



トカマク『意見!?いいわ。』



クルス『みんな(゜Д゜)!聞いて欲しい!』


クルスは今まで調べてきた事柄を全て打ち明けるつもりで話し始めた。

第壱百参拾弐話

2008-12-11 | 本編
伝説の獅子と呼ばれている者たちが生まれ、ファンブルグに大いなる力を与えていることは確かである。

しかしアメルやクルスたちの活躍はあれど、エステンブルグの大量兵員による猛攻と対等と呼べるまでの戦力には今だ至らず、防戦が続いているのが現状であった。






雲の間から恥ずかしそうに顔を出している綺麗な三日月は、
ベランダから王室をやさしく照らしている。


日時が変わりそうになるほど遅い時刻。
王室では王様はトカマクからエステンブルグとの攻防の
追加報告を受けていた。



トカマク『・・・・というわけで、パパロニ地区とモロン地区がほぼ壊滅状態です。第二師団の兵員が大幅に損傷して再起するまでに数ヶ月はかかると思います。』

王様『・・・もはやひとつの地区を捨てる・・か・・ーωー;』

トカマク『・・・・・どちらを・・』

王様『パパロニに兵員を集中させようーωー;モロンは撤退じゃ・・・』

トカマク『・・・・かしこまりました・・。明日も昼の刻12時よりエステンブルグの攻撃が始まります。第一師団をモロンから撤退させ、パパロニに加わる手はずを計画致します。』



王様は手の平で顔をなぞるようにおでこから顎ヒゲまでゆっくりと滑らせつつ、
溜息をもらした。



王様『・・・・フゥーωー』

トカマク『・・アメルやクルスたちがいるおかげでまだこの被害に抑えられておりますが、もし・・・敵の本体まで動き出し一斉にきたとき・・・』


両手で拳を作り、下唇を噛み締めているトカマク。
トカマクは第一師団第一連隊もさることながら全三師団の指揮もしていた。
ほぼ24時間動き続け、睡眠もほとんど取っていない。



王様『・・・トカマクよーωーおみゃー寝とらんじゃろ・・今日くらいゆっくり休め』


目の下にクマが作られているトカマクは、眠そうな目をしたまま言葉を詰まらせている。


トカマク『・・しかし・・・』

王様『・・・・・気負うなトカマクーωー精一杯やるのみじゃ』



とその時、王室外から静かな夜に相応しくない足音が響き、王室ドアからノック音が鳴った。


ドンドンドン!!



トカマク『!?』

王様『おろーωー?』

衛兵2『王様ぁ~!!夜分遅く申し訳ありません!!』

王様『なんじゃなんじゃ騒々しいーωー入ってよいぞ』


衛兵2が流れた汗をそのままに王室に駆け込むと、
ドアから入るやいなや、息を整えしゃべりだした。



衛兵2『あの!!書庫に入らせて頂けませんか><!?』

王様『ほむ・・・よいぞーωー調べ物か?』

衛兵2『はい><ありがとうございますっ!!すいません!それでは!!』



王様の承諾をもらうと力いっぱい頭を下げ、すぐさま後ろを向き、
書庫へと駆け出し行ってしまうのだった。



トカマク『・・・・・随分慌ててるわね・・』

王様『・・・はて・・最近書庫は流行かーωー?』

トカマク『それでは王様、私はこれで。』

王様『おーぅ、そうかそうかーωーごくろうじゃった・・・
パパロニ夜警備いかなくてよいぞ!今日くらいゆっくり休むのじゃ・・』

トカマク『・・・・・。』



トカマクは王様からの慈悲を受けた申し訳なさと防衛指揮から離れる解せない表情を作りながら軽めに頭を下げ、兵員宿舎へときびすを返すと、また間髪いれずに荒々しい足音が廊下から響いてきていることに気づいたのだった。



トカマク『?』


その足音の主は、アメルとクルスであった。
衛兵2と入れ替わるように王室に来たクルスとアメルも息を絶え絶え、
しゃべりだしている。



クルス『トカマク!!ここにいたか(゜Д゜;)』

アメル『・・ぜぇ・・はぁ・・ぜぇ・・はぁ>w<;』

トカマク『何があったの!?』


クルス『例の未解決事件を調べてたんだ!被害者録から・・もしかしたらやられているのは悪の一味かもしれないんだ!』

アメル『これを・w・;つ□』


アメルは被害者録をまとめた書類をトカマクに差し出し、
トカマクは手に取り、立ったままその書類に目を通している。



トカマク『・・・・・・。』

クルス『・・・・・(゜Д゜;)』

アメル『・・・・・ゴクッ・w・;』



すると無言でトカマクは視線を地面に固定したまま、
申し訳なさそうにアメルにその書類を返した。



アメル『え・w・;?』

クルス『・・・・・(゜Д゜)』

トカマク『・・・・・。』


アメルはトカマクに答えを懇願するかのような眼差しをしながら、
思ってもみない反応で返された書類を弱い力で受け取っている。



トカマク『・・・・これだと確証がないわ・・・』



その被害者録には元賄賂事件を起こすなど問題行動を起こしていた団体、
ジャッカル団出身というだけの記載が書かれていた。



アメル『確証・w・;?』

クルス『・・奴らはジャッカル団だぞ(゜Д゜)!』

トカマク『・・・これは元の罪状でしょう。今その犯罪を繰り返しているかは
わからないわ。』

アメル『・・・トカマク様・w・;!!もしかしたら・・今でも苦しめられている人がいるかもしれないんですっ!!』

クルス『調査して何か証拠をみつけりゃいんだよな(゜Д゜)?』



トカマクは一呼吸間を置き、地面に向けられていた眠そうな目を
今度はクルスとアメルに向け話し出した。


トカマク『いい?アメル・・クルス・・どんな根拠で調査を始めるの?
その賄賂やら詐欺の被害報告がないのよ?私達にある使命を言って見なさい!アメル!』

アメル『ぇ・・ぁ・・はぃ・w・;
法に遵守し、国家の秩序と安全を守り、平和を取り戻すことです・・』


トカマク『今わたしたちの任務は、エステンブルグからの攻撃から国民を死守すること。そして国内未解決事件の犯人の捕獲。これだけよ!!万が一ジャッカル団が再犯を起こしているとしても、その被害報告がない限り、そっちの捜査まで手が回らないわ!』

クルス『・・・証明が必要ってことか(゜Д゜)じゃぁ乗り込んでぶっ飛ばして
ブツなりなんなり調べにいってくるぜ!』

トカマク『そんなの駄目に決まっているでしょう!』

クルス『・・・くそ・・・(゜Д゜)』

アメル『・w・;』

トカマク『何を根拠にあなた達は調査しているの?』

クルス『何を根拠って・・・第六感だよ(゜Д゜)!』

トカマク『・・・・・・。』



頭の髪の毛をクシャクシャにするように片手で頭を抱えながらトカマクは話し中にも関わらずクルスとアメルに背を向け廊下を歩き始め、歩を進めながらしゃべっている。



トカマク『・・とにかく・・そこまでの捜査の余裕は私達にはないわ!そんな捜査する暇があったら合戦の体力回復の為に寝なさい!明日は昼の刻12時からよ!』



アメル『・・は・・はぃ>w<!!』

クルス『・・・・ぁぃょ(゜Д゜)』


暫くクルスとアメルはトカマクの背が見えてなくなるまで見送り、
小さくなったのを確認すると小声でアメルに呟いた。



クルス『・・・ちくしょぅ・・・目の前のことしか見えねぇ頭の固いアマだ・・
調べりゃ絶対わかんのによ・・・・(゜Д゜)』

アメル『・・・・・>w<』


クルス『アメル・・明日合戦一区切り付いたら俺は聞き込みしにいってくる。アメルはジャッカル団の収入源を洗うんだ(゜Д゜)こうなったら俺達で調べるぞ!』

アメル『うん>w<ノ』



この刹那の瞬間にいくつもの命が奪われている混沌とした時代。
クルスとアメル、そして衛兵2は何かに動かされ、
時代に埋もれそうなひとつの事件の調査を続けている。

第壱百参拾壱話

2008-12-07 | 本編
クルスとアメルは書斎前につくと衛兵1がかかとを音を立てて合わせ、きびきびと敬礼をした。


カッ!!!!

衛兵1『ご苦労様ですー。-ゝ!!!』


クルス『中入っていいか(゜Д゜)?』

衛兵1『どうぞ!今王様が図書閲覧中であります。』

アメル『おもいっきり私服ですいません・w・ゝ非番です』



分厚めのドアをクルスは勢いよくノックした。

ドンドンドンッ!!



クルス『王様ぁ~(゜Д゜)!ちょっといいかぁ~!?』

王様『むほーωー?クルスか!?よいぞ!!!』


部屋の中から王様の返事が聞こえたのを確認し、ドアを開くと
独特の旧い書物の臭いが鼻についた。


クルス『あ・・くさ(゜Д゜)・・・・』

アメル『・・この本の香り好きな人っているんだよね~・w・』



木製の机や椅子、無数に並んだ本棚のの奥で王様が読書をしているのが見えている。クルスは見上げるように高い本棚が数え切れないほど並んでいることに驚きを隠せていない。



クルス『おおぉ~!すげ~な~こんな場所が城にあったんだw』

アメル『わたし前に来たことあるよん・w・v』

クルス『で、書庫ってどこだ(゜Д゜)?』

アメル『たしかこの奥だよ・・あ・・・カボチャアイスの作り方の本・・・
まだ返してなかった・w・;』



書庫に入る承諾をもらおうと王様の方へ向かう二人であるが、途中目に付く本棚の書物がやはり気になり、クルスとアメルは王様の机につくまでそれとなしに流すようにタイトルを見つつ歩を進めている。



<1019年王族の戦跡>

<ファンブルグの外交の歴史>

<民衆心理論>

<統率学>

<指揮管理体制>

<帝王学のすべて>

<大砲制御工学>

<王法規 民事刑事訴追論>



クルス『・・動くことが好きな俺とは無縁の場所だな・・ここは(゜Д゜;)』

アメル『確かわたしが前に来たときはクルス君に手紙渡すのを頼まれたとき
だったかなぁ・w・』





<クレリック学 ヒール論>

<魔術 攻撃型魔法 基礎編>

<リヴァイヴァーはどうして仲間の死を喜ぶか>

<剣術指南書>

<世界の剣豪>

<コルセスカ 槍の達人>



クルス『ぁ(゜Д゜)!!剣術指南書だって!!あとでみるかな・・・』

アメル『なんか以前のあたしと同じこと言っている気が・・・・

(てことは・・・・クルス君は・・・あの本に反応するのだろうかーw-)』



以前のアメルは、次の棚に【隣の奥さんシリーズ(発情日記)】という危なげな本を発見し、慌てふためいていた。クールな人は果たしてどのような反応を示すのか、心なしかアメルはクルスの反応に期待しているのだった。



<薬学>

<よくきく薬 パーティーにて常時待たせるべき薬>

<漢方美酒>

<HP回復薬Ⅳの作り方>

<隣の奥さんシリーズ 発情日記>

<戦闘時における薬の使い方>



クルス『戦闘時における薬の使い方かぁ(゜Д゜)!!案外戦いに役立つものたくさんありそうだなぁ~ここは・・・・』

アメル『(・・ぶw・・気づいてない・・・・さすが戦いの申し子クルスくん・・以前私が通ったとき即座に気づいていた私はいったい・・・・-w-)』



<調理師免許皆伝>

<俺の焼きそば 30秒クッキング>

<親子丼の作り方 達人編>

<だし巻き卵ってこんなに簡単に作れるの?>

<カボチャアイスの作り方>(貸し出し中)



《 新刊棚 》

<伝説料理 ミルクプリン特集>

<月刊 コンチェルトゲート(魔女クエ攻略)>

<週刊 えびちゅ(えびちゅ編集長のぼやき)>



アメル『あぁぁ!!!ミルクプリン特集じゃーーーーーーん!!
これ絶対借りたいぃ~>w<!』

クルス『・・・週刊えびちゅってなんだ・・・(゜Д゜;)
内容がすごい気になるんだが・・・』




そうこうしている間に王様の机まで辿り着く二人。

目の前まで来たのを王様は確認すると、読んでいる本の見開きにしおりを入れ音を立てて閉め、二人の用件を聞く体勢を整えていた。



王様『お?おみゃーら非番かーωー?』

アメル『はい・w・この前の事件について調べたくて・・』

王様『お~そうだったか、そうだったか。非番に仕事か、熱心じゃのぉ^ω^』



王様がしおりを挟みこみ机に置いた本を目で追っていたクルスは、本題に入る前に
何気なく質問をぶつけた。


クルス『王様何の本読んでるんだ(゜Д゜)?』

王様『これか?これは最近出版された小説じゃ^ω^マニアックだがおもろいぞ』



説明しながらアメルとクルスに本のタイトルを見せている。

<眩しい太陽・・美しい月・・そして世の中所詮金でちゅ>




王様『あっそうじゃアメル!!あのシリーズもののパートⅡでたぞぃーωーノ』



そう言うと王様は本を机の引き出しから当然のようにアメルに差し出した為、アメルは疑いもなく受け取ってしまっていた。


<隣の奥さんシリーズ PartⅡ(宅急便屋との情事編)>


アメル『ちょwwこんなの渡さんでくださいw』

王様『アメルはこのシリーズは嫌いだっけかーωー』

アメル『シリーズの問題じゃないす>w<』



その二人のやりとりを流すかのようにクルスは割って話しに入ってきている。



クルス『王様 書庫ってあるのか(゜Д゜)?』

王様『この奥じゃーωーこの鍵をもっていくといい
非番なのに熱心じゃのぉ・・そうじゃ!
マスクをしていくといいーωー書庫はほこりまみれじゃぞ』

クルス『サンキュ(゜Д゜)』



クルスと王様がそう話している間。
アメルはまだ王様に返しきれていない右手に持たされている本の表紙の生々しい写真をついつい手持ち無沙汰で眺めている。


クルスと王様は話し終わるとすぐにそのアメルの様子に気づいた。




クルス『・・・・・(゜Д゜)』

王様『・・・・・・ーωー』

アメル『・・・・・はっ・w・;』



息を呑むように驚き我に返ったアメルはすぐに王様の方へ手を伸ばし、
本を返そうと必死になっている。


アメル『はいはいはいはい・w・;ノノ王様早く受け取って』

王様『興味あるんじゃ・・・・ーωー』

クルス『まったく・・アメルもみかけによらないな(゜Д゜)』

アメル『ないないないないないないないないないないない>w<』

王様『・・・フーωー』



どこか満足気な王様を残し、クルスとアメルは書庫に向かうのだった。




ガチャッ

ギギギギィィィィィィィィ~



書庫はさらにカビ臭い香りが鼻についてきていた。


クルス『ブホッ・・・・ゴホッゴホッ(゜Д゜;)・・まじか・・』

アメル『・・・コホッ・w・;』


暗がりの場所に専用の置き松明に火をつけるとうっすらと中が見えてきた。



若干ほこりがうすい場所がみてとれ、最近書庫へ移動されたであろう新しそうな
本が山のように無造作に置いてあるのに二人は気づいたのだった。



クルス『ここかな 最近の記録保管場所は・・』

アメル『2008年罪状記録 被害者録 あった・w・!!!』

クルス『おぉ~!案外すぐ見つかったな!・・・って・・・なんだこの量は・・』


容易く被害者録を見つけることができた二人であったが、山のように積みあがっている被害者録を目の前に早速圧倒されている。

今更後ヘは引けず、二人は袖を捲くり上げ本腰を入れて調べようと決意したようだ。



クルス『・・おしっ みていくぞ(; ・`д・´)』

アメル『う・・うん・w・;』

第壱百参拾話

2008-12-03 | 本編
冬も近づき、ファンブルグの家々の隙間を寒い木枯らしが通り始め、町を歩くものは皆、帰路へ急ぐ為小走りが多いようにみえる。


クルスは非番になると町をよく散歩をしていた。
川沿いの落ち葉を踏み、季節を噛み締めながら歩いている。


すると川べりにござを敷き、編み傘帽子を被り魚釣りをしている男がみえてきたのだった。



クルス『お(゜Д゜)何が釣れるんだろ』


その男は微動だにしていなく、クルスも暇だったので暫く後ろでみていることにした。




クルス『・・・・・・。』




クルス『・・・・・・・・・・。』




クルス『・・・・・・・・・・・・・・・。』



その男は細い釣り竿をもったまま、まるで置物のように座っており、川の流れに揺られている釣り糸だけが唯一動いている。

全く釣れずともじっとしている姿を見ているだけでクルスは苛立ちを覚え、その男に話しかけずにはいられないでいた。



クルス『おい!釣れんのか(゜Д゜)?この川?』

川べりの男『・・・・シー・・・』


その男は、人差し指を口にあて視線は川の中を見つめたまま静かにするようクルスに暗黙の返事を返した。




クルス『・・・・・(゜Д゜)』

川べりの男『・・・・・・・・・。』



じっと糸が引かれるのを待つふたり。
風が冷たい為、動かずにじっとしていると徐々に寒気が増してくる。
木枯らしで揺れているのは、その二人の男の袖や裾、釣り糸だけであった。



クルス『俺は短気だからこういうのはぜってぇ無理だなw』

川べりの男『・・・じっと待つことが何事も大事だお・・・』



編み傘帽子を下から覗き込むようにしながらクルスは質問を繰り返した。


クルス『で・・・何が釣れるんだ(゜Д゜)?』

川べりの男『ハヤが釣れるお・・・』

クルス『・・ほんとかよ・・・』

川べりの男『・・何事も慌ててはいけないお・・』



その男は、若干顔を上げるようにクルスの方を向き、クルスは帽子の影の中少しだけその男の顔がみれた。



川べりの男『・・・真実は・・慌ててはみつけられんお=ω=.』

クルス『・・・・・・(゜Д゜)』



するとその釣竿に僅かに振動が走ってきたのだった。



クルス『あっ!!すげぇ!!きた(゜Д゜)!!』



タイミングを掴み勢いよくその男は釣竿を上げると、冬の川魚であるハヤが元気よく水しぶきを上げながらその男の目の前の地面に飛んできている。

威勢よく地面で跳ねているその魚から釣り針をはずすと腰にある編み籠に早々と入れ、またその男は釣りを続け始めた。



クルス『・・なるほどねぇ・・落ち着いて物事を考えることも重要ってか(゜Д゜)?』

川べりの男『・・・そうだお・・・』



向こう岸には同じく非番のアメル(現名ハプティ)が商店街を歩いているのが
見て取れたのだった。



クルス『(あ!アメルだ!あいつも休みか。)じゃぁな(゜Д゜)ノ風邪引くなよ!!』



クルスはその男が魚を一匹釣り終えるのを見届けると、またじっと魚釣りを始めているその男に背を向け、向こう岸の商店街で買い物をしているアメルに向かい歩き始めるのだった。







ファンブルグ商店街。冬への身支度の為か防寒用の服や鎧羽織などがたくさん売りに出されている。若干人が多い分、暖かさも感じられた。



クルス『よ(゜Д゜)!アメル!おまえも非番か?』

アメル『あぁ~・w・!!クルスくん奇遇だねぇ~!わたしもお休みだよ!』



偶然にも会った二人はそのまま商店街での買い物をすることにした。

二人は日頃の戦闘での激しい戦いなどの心の疲れを癒すかのごとく、
仕事の話などはせず、買い物に集中し休日を楽しんでいる。



日も暮れ始め、一通り店を回り商店街を抜けかかったとき、アメルは徐に心のわだかまりをクルスに相談し始めたのだった。


アメル『クルスく~ん・w・あのさ、わたしずっと引っかかってる事があってさ・』

クルス『ん(゜Д゜)?どした?』



二人はファンブルグ城の兵員宿舎につま先を向け歩き出している。



アメル『私達が今追っている犯人なんだけど・・・クルスくん・・・何か感じない・w・?』

クルス『・・・あぁ・・口ではなんて言っていいかわからんけどな・・・』


アメル『・・それに・・あの被害者って言われている人達なんだけど・・
清い血じゃない気がして・・・根拠はないんだけど・・』

クルス『清い血じゃない(゜Д゜)!?』

アメル『うん・w・』



クルス『俺はあの犯人の野郎がひっかかるなぁ・・(゜Д゜)』

アメル『何かを見落としている気がしてさ・w・』




クルスは暫く黙ったあと、二人のわだかまりを打破する手段を提案した。



クルス『・・・・おしっいっちょ調べてみるか(゜Д゜)!?』

アメル『うん!・w・!何かわかるかもしれないよね!』

クルス『まずは被害者録かな・・・あるのは城の書庫だっけか(゜Д゜)?』

アメル『うん・w・多分王様の書斎の奥の部屋にあった場所だよ!』



かくして、二人はファンブルグ城にある書庫に足を運ぶことになった。




時としてあえて物事を忘れ、リラックスしたときにこそよい考えが浮かんでくるものである。

一見遠回りにみえる慌てず何も考えない時間。
アメルとクルスは全てを忘れ過ごす事で、本当にある真理を突き止めるやもしれない道筋を手に入れ始めたのかもしれない。


第壱百弐拾九話

2008-12-02 | 本編

 


 ~~  ~~りん幼少期~~  ~~ ~~  ~~ ~~  ~~ ~~

今から7年前。ファンブルグ国は町や村などのいくつかを一片にまとめる民政を地方自治として各地区に委ねており、細かい政権については王家行政府は関知できていない状況にあった。

そんな中りんの家は父一人、母一人、子一人、伐採師として生計が立てられ、ファンブルグ西町にて慎ましくりん一家は暮らしている。

 


父『ただいま~^^』


父は木くずが付いた作業服のまま家に帰宅すると、そんな服の汚れなどお構いなくいつものようにりんは父の足に抱きついている。

りんはそのまま首が折れそうになるほど顔を見上げて父の顔を見ながら木を何本伐採できたかを聞くのがいつもの日課であった。

 

りん『パパおかえりぃ~>v<今日は何本切れたのぉ~^0^』

父『今日はモミの木50本も切れたんだぞぉ~^^』

りん『すごぉ~い^0^』

母『パパすごいわね~^^』

 

そして何の前触れもなく、りんのその絵に書いたような幸せな家庭はなくなってしまうのだった。

 


ドンドンドンドンッ!!!!!!!


家のドアを尋常ではない力で叩く音が鳴っている。


りん『きゃ><!!』

母『><!!』

父『!?』

 

玄関ドアを見ると木製のドアが軋んでおり、とてもノックとは言えない大きな音の為にりんの父以外は震え上がっていた。


母『・・い・・いったい・・なに・・!?』

りん『パパこわいよぉ~><』

父『大丈夫^^;パパがみてくるぞ』

 

このとき父には思い当たる節があった。

ファンブルグ西町には町長の裏に牛耳っている黒幕が存在しており、賄賂による取り決めが日常茶飯事に行われていることは町の中でも噂にはなっていたのだが、りんの父は運悪くその賄賂の現場を見てしまっていたのだった。

 

ドンドンドン!!ドンドンドンドン!!!!

父の嫌な予感はまずりんを隠しておく決断に至り、すぐに隠れさせた。

 

父『・・母さん・・りんをベッドの下に・・・。』

母『・・はい><・・・・・・・』


ドンドンドンドン!!!!

 

徐々に強くなっているノック。

父は恐る恐る玄関ドアまで足を運び、りんがベッド下に隠れたのを確認してから、
手をドアノブにかけた。


ドンドンドンドン!!!!!


ドンドンドンドンドン!!!!

 

父『・・・ゴクッ・・・・・』

 

ガチャッ・・・・


父『・・なんのよう・・・』


鍵をあけドアノブを回すと同時に外にいた男の手が父の顎まで伸び、口を鷲づかみにし、右手で刃を顔に突き立てながら押し入るように家に入ってくる。

ドガッ!!ドダダダダッ!!!

バタンッ!!!!

 

男『声をあげるな』

母『きゃぁ~><!!!』

父『うぐ・・・ぐぐ・・・・』

 


獣皮のジャケットを羽織った5人はずかずかと家の中に入り、先頭にいた男に父は居間まで押し込まれ、母は何もできずに横で腰を抜かし慄いている。


母『・・・・><』

父『・・う・・ぐぐ・・・な・・・なんのまねだ・・モゴモゴ・・・』

 

男達5人に囲まれた父は、口を鷲づかみにしてきた手に反抗するかのように口を動かししゃべった。


りんはベッドの下からその様子をみることができ、溢れ出る涙を拭きながら声がでないよう一生懸命堪えている。


りん『(パパ・・・ママ・・><)』


すると時間差で大柄な男が居間に入ってきた。
他の5人の男達より派手に装飾されている青銅の鎧を着込み、居間の椅子に踏ん反り返って座ると眠そうな目でりん父の顔をみている。

 


『ジャッカル様。こいつです。』

父『・・・・う・・・ぐぐ・・』

 

ジャッカルはにやついた顔でりんの父を眺めながら独特なイントネーションで
しゃべりだした。

 

ジャッカル『おまえはぁ~いけないものを~みちまったなぁ~』

父『・・な・・なんのことだ・・・モゴモゴ・・』

ジャッカル『運が悪いと思え~』


そういうとジャッカルは腰当ての袋から柄に鎖のついた鎌を取り出している。


りん『(・・・・・・・・><)』


柄についた通常より大きめの鎖の輪の音が鳴り、その刃の不気味な光沢がりんの目にも入ってきていた。


ジャラジャラ・・・・・

 

父『・・・・・ま・・・待ってくれ・・い・・・いわない・・っ誰にも!!!』

母『・・・><』

りん『(・・・おかあさん・・おとうさん・・・><)』

 

にやけ緩んだ表情を変えぬまま、その男は鎌を振りかぶり・・・

ジャッカル『おまえはぁ~知りすぎたぁ~』


ブンッ!!!  ブンッ!!!!


グサッ・・・・ グサッ・・・・

 

母『・・・・ぁ・・ぁぅ・・・』

父『・・・う・・・・ぐはっ・・・』

ジャッカル『ケーッケッケッケッ・・・ケーッケッケッケッ』

 


・・・・・・・


・・・・・


・・・

 

 ~~  ~~ ~~  ~~ ~~  ~~ ~~  ~~

 

衛兵2は何を言っていいかわからず、ただ静かにりんの話を聴いているのだった。
古びたりんの建物の窓からの夕日は、中にいる衛兵2とりんの寂しげな影を作っている。

 

 

りん『・・・・ほんの一瞬だったわ・・・・・・ほんの一瞬で・・・わたしの全てがなくなったわ・・・』

衛兵2『・・・・・・。』

 

りん『・・父が倒れたとき、ベッドの下にいるわたしと目が合ったわ・・・あの目はわたしは一生忘れない・・・そのまま・・父は動かなくなったの・・・』

衛兵2『・・・・><』

 

りん『・・絶対に・・・絶対に許せない・・・・・今でもその黒幕の武家の賄賂や悪事は水面下で続いている・・・』


りんが右手に持っている短剣を強く握り締めていることを衛兵2は見て取れた。


衛兵2『・・・・・。』


りん『わたしは誓ったわ・・・・復讐をしようと・・・そしてその現代でも続く賄賂をなくさせようと』

衛兵2『・・・・ぼく・・何か力になりたいです!』

りん『・・何を言っているの・・・あなたは・・・第一連隊でしょう・・・。』

衛兵2『うちの自警団や第一連隊はりんさんを捕まえようと必死になっています。・・でも・・なんとか事情がわかってもらえないか・・ぼくも何か協力させてください><!』

りん『これは私一人の問題よ。』

衛兵2『・・ち・・ちがいますっ!!!!・・りんさんは・・・・・・りんさんは一人なんかじゃない><!!!』

りん『・・・・・・。』

衛兵2『・・今日ここで見たことは・・誰にもいいません・・また何かわかったらここにきます><!!!それじゃ!!』


衛兵2は、りんに返事をさせる隙を与えずにそのまま背を向けて走り去っていくのだった。


りん『・・・・・・。』

 

衛兵2の手作りのおにぎりをりんは大切そうに拾い、武器が並ぶ不釣合いなテーブルに置いている。


不器用に丸く大きいおにぎりを眺めているだけで父が昔作ったおにぎりを思い出してしまい、自然とりんの顔には涙があふれ出ていた。


第壱百弐拾八話

2008-11-26 | 本編
衛兵2は明らかに背後に人の気配を感じていた。
蛇に睨まれた蛙のように足がすくんで動かず、汗が目にしみるほど流れている。



衛兵2『(・・・・・・・・><;)』


懇親の力を振り絞りゆっくりと後ろを振り向くと・・・・


憧れている女性であるりんがそこに立っているのだった。
綺麗な佇まいとは対照的に、ひどく切れ味の鋭そうな短剣を右手に持っている。

自分の喉元まで短剣がまっすぐと伸び、剣先があと数センチで喉にあたりそうになっている。


衛兵2『ひぃぃ><;』


りん『あとをつけてきたのね?公務!?』


衛兵2『ちがうんですっ><;』


りん『用件は!?』


衛兵2『・・・ぼ・・ぼくは・・・><;』


りん『私を邪魔立てしにきたのなら・・・・』


衛兵2『・・・りんさんと・・りんさんと一緒におにぎり食べたくて><;!!』


りん『・・な・・・』


りんは想定外の問答にうろたえて左肘を勢いよく衛兵2の首に当て、
右手の短剣の切っ先と衛兵2との距離を保ちつつ壁際まで押し付けた。


ガッ!!!

ドドドドドド!!!!


壁際に押し込まれるまで衛兵2の背中や足は、矢や武器などのその場に置いてある物にぶつかり、激しい物音を響かせて壁に押し込まれた。


ガラガラッガシャーンッ

ドガッ!!!


りん『・・・いったい・・・なにを・・言っている・・』


壁際に押し込まれた衛兵2は肘で首を押さえつけられ、短剣の切っ先は眉間の
わずか数センチのところまで来ている。

しかしなぜか衛兵2には恐怖と隣り合わせに別の感情が沸き起こっていた。
りんとの顔の距離はわずか数十センチ。
普段見ることの無い、りんの顔肌のきめの細かさなどがはっきりと見える。
ここまで近くでりんを見たことは今までなく、
つい衛兵2はその感情を口走ってしまうのだった。


衛兵2『・・・・すごく・・・きれいです・・・』

りん『!?』


思いもよらない侵入者の言葉に今度はりんが動揺し、慌てて衛兵2から
体を離して距離を取った。


りん『・・・・・・。』


衛兵2は手作りのおにぎりを見てもらおうと背負っていたリュックを
慌てて下ろそうとした時、りんは激しく言い放った。


りん『動かないで!!!』


衛兵2『・・・・・。』


リュックの腕を通す肩紐はちょうど肘まで降りたところでりんに静止され、ぶら下がったリュックをそのままに衛兵2の体は硬直している。


衛兵2『・・・・・・・・><;』


りん『ゆっくりとその背負い鞄を下ろして・・・』


衛兵2に怪しい行動をさせない為にゆっくりと地面に置かせ、
りんはそのリュックの中身を確認しようとしていた。


りん『その鞄をこっちに蹴って・・・』


衛兵2は言われたとおりに、自分のリュックを地面にゆっくりと置いて蹴ると、
りんは視線と短剣の切っ先の方向を変えずに衛兵2に向けたまま、左手で探るようにリュックの中身を確認している。


ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・・


衛兵2『・・・ゴクッ・・・・。』

りん『・・・・・・・・。』



左手に大きな葉で包まれた丸い何かがあることがわかり、短剣の切っ先を維持したまま、目だけを鞄へ向けて中身を確認している。衛兵2の様子を何度も伺うようにしながら鞄の中をよく見てみると・・・


一生懸命作ったであろう、丸い素朴なおにぎりがあったことをりんは確認できたのだった。


りん『・・・・これを・・わたしに?』


衛兵2『・・・ずっと前から・・・・憧れてました><;!!
近づきたくて・・話しかけたくて・・・一緒にご飯を食べたくて・・・』

りん『・・・・・・。』

衛兵2『・・・好きでした><;』



すると、りんは大きな吐息と共にゆっくりと右手の短剣を下ろしている。


りん『・・・・・・あなたは本当の私をわかってないのよ・・・・。』

衛兵2『・・・本当の理由があるはずです!!どうしてあんなことを!!
りんさんみたいな人が・・・どうして><;!!!』



どのくらいの時間が経ったのであろうか、りんは暫く黙ったあと、ゆっくりと口を動かし始めた。


りん『わたしは・・・元々ファンブルグの西町に住んでいたわ・・』

第壱百弐拾七話

2008-11-24 | 本編

何かの義務感に押され、衛兵2はりんの尾行を続けている。


衛兵2『・・はぁ・・ぜぇ・・はぁ・・(・・まだ着かないのかな・・・)』


そもそもはプレゼントを渡してご飯を共にしようという目的であったが、もはや渡すタイミングを失い、自身が持っていた不安材料を確認する為だけに行動しており、その足を逆向きに変えることはできないでいる。

普段からファンブルグ兵員訓練所にて日夜汗を書いている体力はあったが、それを上回るりんの歩きの早さや足腰の強さに衛兵2は驚くばかりであった。



衛兵2『(すごいなぁ・・・木こり師さんてみんな足腰こんなに強いのかなぁ・・)』



不慣れな踏み場や通常の何倍もの歩くスピードにももが悲鳴をあげはじめている。徐々にりんとの距離も開きはじめていた。



衛兵2『・ぜぇ・・はぁ・・ぜぇ・・はぁ・(・・まずい・・・どんどん離れていく・・)』



足があがらないほどに限界を迎え、りんを見失いかけていたそのとき、木造の一部屋ほどしかないであろう小さな家が見えてきた。



衛兵2『(ぁ・・やっと見えてきた・・・あそこかな・・)』



りんの歩く方向はその向かった先の建物が目的地であると語っている。
近づくにつれ、りんのきれいな風貌とは不釣合いなかなり古びた家が見えてくるのだった。

その小さめの家は壁にはつる草がへばりつき、周辺の雑草もとくに手入れをすることもなく、まるで物置のような佇まいである。

 

衛兵2『・・ここは・・家じゃない?・・・・・・隠れ家・・・?』



衛兵2は直感でそう感じたのだった。そしてりんの迷うことのない歩みから何度も足を運んでいることが伺えた。衛兵2は見つからないよう木々に隠れ、りんの様子を見ている。



衛兵2『・・・ゴクッ・・・。』



りんは慣れた手付きで腰程に伸びている生い茂た雑草を手でかき分けてノックをすることもなくその家に入っていった。立て付けが悪いのかドアは隙間風が入るほど傾き、その大きな開閉音は離れた場所にいる衛兵2の耳に入ってきている。


 

ギギ・・・ギィィィィィィィ・・・・・バタンッ・・・


 

衛兵2『(・・やっぱりあの家が目的地だったんだ・・・)』


 

憧れの人の何かを知ってしまいそうで帰ろうかさい悩まされていたが、衛兵2はとうとうりんの目的地である場所まできてしまっていた。

すると僅か一分ほどのあっという間の短い時間でまたりんは家を出てどこかに向かい歩き始めている。



衛兵2『(ぁ!!もう出てきた!・・・荷物を取りに来ただけ・・?)』



荷物を背負い、先程とは違いかなり急いでいるように小走りで来た方角とは逆向きに進み、ほんの一瞬で目に見えないところまで行ってしまっている。

 

衛兵2『(は・・はやい><;)』

 

すでに衛兵2には追いかける体力が残っていなく、もう諦める他なかった。隠れていた大きな幹の木に背中をずるようにもたれかかりながら地面に尻餅をついている。



衛兵2『は~・・・行っちゃった・・』



衛兵2の頭の中にはいろいろな感情が巻き起こっている。
プレゼントを渡すことができなかった自己の弱さへの嫌悪感。
結果的に尾行してしまっている罪悪感。
りんは何しにここへ来ているかの疑問感。

なぜこのような不便な場所に住んでいるのか。
もしくは誰かがあの家にいるのか。
そもそも住まいとしている場所なのか。

数多い疑問を解決する方法はひとつ。
衛兵2は、りんがどこかへ行ってしまったその建物の中を無性に見たくなってきてしまったのであった。


衛兵2『・・・・・。』


その今にも壊れてしまいそうな古びたドアを見つめ、悩んでいる。

衛兵2『(・・ぃゃ・・・もう今日は帰るべきかな><;・・・でも・・気になる・・・ちょっと見るだけなら・・)』


帰るべきだという思いを持ちつつも、その足は恐る恐るりんの行った建物へ向かってしまっているのだった。



衛兵2『・・・・・・。』


重い足どりでありながら、何某かの疑念を打ち払う気持ちは強く、すぐに建物近くまで来る事ができている。近くで見ると老朽化が激しいものだとわかることができた。

継ぎはぎのような立て板が何枚も敷き詰められてひとつの壁になっており、あらゆる草に覆われていることがわかった頃には、衛兵2はすでにドア前に辿り着いてしまっていたのだった。



衛兵2『・・・・きちゃった><;』



木造の独特な匂いと周りの生い茂る草の香りを嗅ぎながら衛兵2はドアと壁の隙間を見ようか見まいか悩み、暫く黙り込んでいる。


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第壱百弐拾七話のここからの推奨BGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=d6_QiD2CbQI
↑windowsであればctrlキーを押しながらクリックすれば別タブで開いて自動的に音楽が流れてくると思います。引き続き本編をお楽しみ下さい。
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衛兵2『・・・・・・・・。』

 

衛兵2『・・・・・・・・・・・・・。』

 

衛兵2『・・・・・・・・・・・・・・・・・・><;』

 

いけないとわかっていながらもドアと壁の隙間に目を凝らすように中を見てみるのだった。

 


・・・・・・。



・・・・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・。

 

夕過ぎの弱い光が建物の隙間や窓から入るのみで暗くうまく中を探れない。
腕や顔にまとわりつく蚊を払いのけながら必死に目を細めて見てみると、そこには人の気配はなく、何か物がたくさん置かれていることだけは見て取れた。

 

衛兵2『・・誰もいない・・・何かたくさん置いてある・・・・・なんだろう・・・。』

 

しかしその物が何であるかわからないでいることに苛立ちを覚えながら、ドアノブに
手をやるとなんと鍵はかかっていないことがわかったのだった。

 

衛兵2『(・・ぁ・・・ぁ・・・開いている・・・どどどどどどうしよう><;)』

 


ドアを開けるというたったひとつの動作でりんの全てがわかってしまいそうな予感を衛兵2は感じたのだった。額には汗が流れ、なぜか足がすくんでいる。



衛兵2『(・・・・・足が・・すくんでる・・みちゃいけないもの・・・なのかな・・・><;)』



頭と正反対の行動を腕がしていた。左手でゆっくりとドアノブに手をかけ、ノブを回そうと力を入れ始めている。



衛兵2『(・・だめだ・・ここまで来たんだ!・・・・りんさんごめん・・見るよ><;!)』

 

流れている汗や武者震いを始めた足をそのままに、恐る恐るドアを開けてみるのだった。

 


ギギ・・・・ギギィィィィィィィィィ~・・・・・

 

衛兵2『・・・これは・・』



その家の中は、およそ衛兵2の予想とはかけ離れたものが並んでいるのであった。


左の壁には無数の弓が壁に取り付けられて置かれ、右の壁には斧や短剣などの武器が並んでいる。奥には数千本にもなるであろう多種多様な矢が置かれ、火薬や治療薬もありそこは武器格納庫であることに衛兵2は気づいたのであった。

脇を見ると、そこには・・・


 

衛兵2『・・・そ・・・そんな・・・・』

 

第一連隊や自警団が血眼になって追っている犯人の服装が置いてある。
いろいろな保護色になる為なのか幾種類も置かれていた。


衛兵2は平衡感覚が鈍くなり立ちくらみがするほど驚き、開いた口が塞がっていない。

 

と、その時・・・

 


背後から、風などではない何者かが力を使い開けたであろうはっきりとしたドアの開く音が、衛兵2の耳に入ってきたのだった。

 

・・・・・ギギ・・・ギギィィィィィィィィーーーーー


第壱百弐拾六話

2008-11-21 | 本編
あくる日。

冬も近づき、日が短くなってきたせいか午後5時となれば日はかなり早めに陰ってくる。

木枯らしの季節の足踏みを感じながら、王様はやや遅めのティータイムを使い、次期政策案の捻出に頭を抱えている。

そんなとき、衛兵2はリュックらしき物をテーブルに置いてその中を一生懸命整理していた。



衛兵1『衛兵2!なんだ?それ』

衛兵2『え!?・・ぁ・・・ぇっと・・・今日は6時上がりだから^^;・・どっか散歩にでも・・へへ^^;』

衛兵1『へぇ~珍しいですね~^^』



衛兵2はこの日決心していた。王国専属木こり師たちはいつも午後6時頃に帰る為、りんとうまくいけば一緒に帰ることができる。
そして、こっそりと持参してきた手作りのおにぎりをりんと食べようと計画しているのだった。




森林の方を見れば、りんは汗を流し一生懸命木を伐採している。




衛兵2『(・・・・ドキドキするなぁ・・^^;)』



とそこへ、トカマクがいつもの6時の定時報告の為にテラスへやってきた。





トカマク『王様。今よろしいでしょうか?』

王様『・・うむーωー』

トカマク『まず定時報告として、特段異常はありませんでした。そして昨日の追跡捜索の件についてですが、犯人を捕まえるには至らなく、逃げ足は尋常ではありませんでした。』

王様『うむ・・そうらしいな・・アメルたちからも聞いておるーωー;』

トカマク『そして決定的な証拠が掴めました。』

王様『なんじゃーωー』




トカマクはポケットから手の平サイズのビニル袋を取り出した。




トカマク『これを見てください。犯人と思われる髪の毛が現場の家にて確認できました。色はプラチナブロンドです』


衛兵2『!?』


そのビニル袋の中に一本だけ入っている髪の毛に、衛兵2は食い入るように見入っている。それは間違いなく、プラチナブロンドの綺麗な髪質の長い髪の毛であった。



衛兵2『(・・・・りんさんと同じ色だ・・・)』

王様『・・・これはその被害者の家の者以外ということかーωー?』



トカマク『はい。確認はとってあります。珍しい髪質ですので犯人特定のいい材料にはなるかと思います。この髪の長さからすると・・女性・・・なのでしょうか・・』


とトカマクは王様に言いながら、何かを思い出したかのように森の方へ目を動かし、数人見える専属の木こり師たちの誰かを探しているかのように目を動かしている。

そしてそのトカマクの視線がやっと止まった先には、プラチナブロンドの髪を持ったりんの伐採している姿が映っていることに衛兵2はわかったのだった。



衛兵2『・・・・トカマク様!!りんさんを疑っているんですか!?りんさんのはずないです!!木こり師ですよ><!!』

トカマク『・・えぇ・・・・そうよね・・・』



衛兵2は再度森の方を見てみると、りんが帰り支度を始めていることから6時を回っていることに気づいた。


衛兵2『あ!!!も・・もう帰らなくちゃ!!』

王様『おーωー今日はもう上がりか?』

衛兵2『はい^^!失礼致します!』

衛兵1『おつかれさまでした^^』

トカマク『おつかれさま^^』

衛兵2『はいぃ><ゝ!!!!お先に失礼します!!』



こうして衛兵2は、すぐにりんの後を追いつくように城をあとにした。



王様『・・今日はやけにはりきってるのぉーωー;』

衛兵1『はは^^帰りにどこかいくらしいですよ』



夕暮れ間近の町並みは、どこか寂しげに感じられる。
四季のあるファンブルグでは秋では落ち葉が多く、その道に落ちている何種類もの
葉を見ているだけでも、心が癒されると同時に人寂しさを感じてしまう。




衛兵2は帰り途中のりんを追い、やっと見つけることができたのであるが、
なかなか声が出さないでいる。


衛兵2『(うわぁ・・・どうしょ・・いざとなったら・・足がすくむ・・--;)』




りんの細い足が際立つように横に伸びた影も細く長く、その歩く後姿は気品が感じられる。何時間でもずっと眺めていられる飽きがこない程の美しさに、衛兵2は怖気づいていた。



衛兵2『(・・うわぁ・・やっぱやめようかな・・・・・・でもおにぎり食べてもらいたいしなぁ・・><;)』



衛兵2の用意してきたおにぎりは、決して上手とは言えない。

おにぎりの形は三角形とは程遠く、手先が不器用な為にまん丸ににぎられており、
海苔は巻いてはいなく、梅干を入れただけの素っ気無いものであったが、精一杯心を込めて作ったおにぎりであった。



衛兵2『(あぁ~><;・・いえない・・渡せない・・緊張する・・・・・このままじゃ尾行してるみたいで・・ただのストーカーだな・・・・)』





衛兵2『(・・どうしお・・・早く言わないと家についちゃう・・・えぇぇぃっ!!よぉしっ><!!!!声をかけるぞっ!!)』



勇気を振り絞り声をかけようと思った矢先、りんは思わぬ方向へ歩いていくのだった。昨日近いと行っていた西地区の方角ではなく、今出たばかりの森のある道へ再び歩き始めている。



衛兵2『(・・あれ?・・・りんさんの家って西地区の谷を越えたところじゃなかったっけ?)』


りんは、なぜか人目を気にするように足早に森の中を進んでおり、衛兵2は、声かけるタイミングを失っていた。




衛兵2『(・・・こっちって・・・森の中だけど・・・まさか・・)』



徐々に雑草が増え、木々が体にあたりそうになるほど目に付くように増え、
本格的に森の中に進んでいっている。



衛兵2『(・・・・まさか・・まさか・・・><;)』




恋は盲目であり、周りの事柄や真実を見極める能力さえも奪ってしまうとは言われているが、衛兵2には、何かを感じ取れたのかもしれない。



衛兵2『(・・・・・りんさんは・・・りんさんは・・・・><;!!!!)』



うっそうとした木々の中、明らかに人の出入りがない道なき道をりんは進んでいる。衛兵2はにとっては、もはや後戻りはできなく、全てを見届けてから帰りたいと一心に思い、尾行を続けていた。




衛兵2『(・・りんさんは・・・・・・・彼氏の家によっていくつもりなんだぁ~><;!!)』



衛兵2の頭の中は、どうもりんの事でいっぱいのようである。