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眩しい太陽・・美しい月・・そして世の中所詮金でちゅ

伝説の獅子たちが活躍する笑い泣き感動ありのアクションストーリー (c)2008hiyoko.現在原画製作中!

第壱百五拾四話

2009-01-31 | 本編
衛兵1『王様。りん様たちがお目見えです。お話があると申しております・・・・。』

王様『・・・・・・・・。』

衛兵1『・・・・・・。』



暫くしてもドア越しにいるはずの王様の返答がこない。



衛兵1『・・・・王様!?』

王様『だあっとれ(゜Д゜♯)!!!今ふんばっとるんじゃ!!!』

衛兵1『あ・・・はい・・失礼しました・・・』



トイレのドア越しから声をかけていた衛兵1は王様が無事であるとわかり、胸を撫で下ろした。



ガラガラガラガラ・・・・ガシャッ・・・・


ジャッジャーーーーーーーーーーーーーーー




手を拭きながらトイレから出てきた王様は、用件を聞く準備は整ったようだ。




王様『なんじゃーωー?話とは』

衛兵1『はい。りん様たちがお目見えです。お話があるとか。』

王様『ほいほいほいのっほいさっさとーωー奴らがいるのはどこじゃ?』

衛兵1『客室の間です。』



腰紐を結びながら王様は、客室の間へ足を運び出している。



王様『客室の間ーωー?・・・はて・・・何用かのぉ・・・』



・・・・・



・・・



・・



その客室間は25m長方形の大きい絨毯が敷かれ、グレー系の色に統一されており、光沢のある真っ白な大きいテーブルが置かれている。

角にはそれぞれ観葉植物が置かれ、手入れの行き届いたその部屋からは王族の管理体制や秩序を指し示していた。



緊張するようにその男はりん達に囲まれ、王様が来るのを待っている。


***『・・・・広いなぁ・・・なんかドキドキしてきたぉ=ω=.』

りん『大丈夫^^王様は優しい人だよ』





するとクルスは、その安価な服装とは不釣合いなその剣をまじまじと見ている。





クルス『ところでその剣・・・高そうだな・・・盗んだのか(゜Д゜)?』

***『盗んでなんかいねぇーおwwこれはうちの代々伝わる剣だぉ=ω=.;』

クルス『そっか・・なんか似合わねぇからよ(゜Д゜)』

***『大きなお世話だぉ=ω=.;』

アメル『きたきた・w・ノ』




王様が衛兵1と共に客間に入ってくると、一同は座ったその席から立ち上がり、踵を揃えた。



りん『お呼びして申し訳ありません^^ゝ』

王様『どうしたんじゃーωー?』

りん『訓練兵ではなく、当初から第一連隊へ入りたいと、この者が申しておりまして^^;』

王様『ほむーωー』

クルス『推薦するほどのもんは感じられんよ(゜Д゜)』

アメル『でもやる気はすごいみたい・w・試験受けたいんだってさ』



第一師団第一連隊への入隊は、上等兵の評価やその者の功績、経験、もしくは圧倒的なまでの強さを証明する偉業をこなしてきたものであり、他に入隊する術は年に一度行われている試験ただひとつ。


そしてその試験も上等兵の推薦文なども必要となり、困難を極めていることは必然であった。



王様『どこの者かわからん者で訓練兵でもない者が第一連隊への受験など
わしは認めんぞーωー?』




***『げ=ω=.;』

アメル『あらま・w・』

りん『ですよね^^;念のため聞いたまででした。』

クルス『言わんこっちゃない(゜Д゜)』



その男を連れてきての相談も虚しく、王様は即答を浴びせるのだった。



***『(ガックシ・・・=ω=.;)』



肩を落としたその男とりん達が帰ろうとしたその時。




王様『ぬぉ(゜Д゜♯)!!!!!』


アメル『Σ(・w・ノ)ノ』

りん『!?』

クルス『(゜Д゜)?』

***『=ω=.;!?』



帰り道をいこうと横向きになったその男の腰に付けられている剣を王様は凝視している。




王様『・・・・・(゜Д゜♯)』


アメル『どうしたんですかΣ(・w・ノ)ノ?王様』

りん『・・・!?』

クルス『(゜Д゜)?』

***『ん・・・な・・・なんだぉ=ω=.;』



王様『お主・・・・名はなんと申すーωー?』

オムー『俺か=ω=.?俺はオムーだぉ』



一瞬王様の表情は固まり、暫くするとにこやかな表情に変わっていた。




王様『・・・・・なるほどのぉ^ω^そういうことか・・ふぉっふぉっふぉっ・・』

りん『?』

王様『衛兵1ーωー昇格試験は・・あと何日で始まる?』

衛兵1『え・・っと・・2月2日ですので・・もう間もないと思いますが・・』

王様『よし・・・その者に第一連隊試験許可を与えるーωー』



アメル『おぉぉ~(・w・ノ)ノ!!どういう風の吹き回し』

りん『・・・!?』

クルス『(゜Д゜)?』

オムー『ほ・・本当か・・やったぁ~=ω=.ノ!!!』

りん『王様、そういうことか・・というのは・・どういうことでしょう?』

王様『世界のはるか遠くへどんなに離れようとも・・・会うものは会い、事が始まるものは始まるのじゃ^ω^』

りん『・・・・?』

王様『なぁーに^ω^すぐわかるぞよ』

オムー『よぉーーっし=ω=.!!!やっほぉ~い!!!!やったぁ~!!!やったぞぉ~!!!!受験できるぞぉ~!!受かるぞぉ~!!』

りん『すごい喜びようねw』

クルス『よっぽど入りたかったんだなw受かるかどうかは知らねぇけど、まぁ頑張れや(゜Д゜)』

アメル『なんかよくわからないけど頑張ってね(・w・)』

衛兵1『(また何か王様はお考えのようですね・・・)』




理由はさておき、第一連隊への受験の強い要望が叶ったその男、オムーは喜びに浸っている。

りん達は、オムーの強い受験理由も王様の受験承諾の理由もわからぬまま、その受験日を待つことになったのだった。

第壱百五拾参話

2009-01-30 | 本編

***『このチャーシューうまい=ω=.!!!』


パカーーーーーン!!!


***『;`;:゛;`(;゜;ж;゜; )ゴフッ』

 


見事にクルスの鞘の打ち込みがその男の頭に直打され、鉄と頭蓋骨の鈍い音が中華料理屋一帯に響くと同時に男の口の中の食べ物が噴射されている。

 

クルス『・・・・・・(゜Д゜;)』

アメル『わたし知らないノwノ』

りん『ノアさんwwこれは一体www』

ノア『・・・・・・・。』


***『いてぇ~≫ω≪.;!!!な・・・なにすんだぉ!!!』

クルス『・あ・・・ごめ・・・えっと・・その・・ハエがいてさ(゜Д゜;)』

***『百歩譲ってハエだとしても、普通叩くのは手とか新聞紙だろう=ω=.;!!』


その男は頭を抱え何度も指に血がついていないか確認している。
収拾をつける為にも、りんやアメルがクルスの間に入ってきた。


りん『・・・あの・・・すいませんでした^^;私からも謝ります。』

アメル『すいませんでした・w・』

***『まったく!タンコブできちまっt・・・・=ω=.;』

 

すると間に入り謝ってきた二人をみたその男は、痛みなど吹き飛ぶ程の驚いたような顔をしている。


***『・・・・・・・=ω=.;』

 

その視線はアメルに向けられていた。

 

 

アメル『ん(・w・)?』

***『・・ぁ・・・=ω=.;』


クルス『詫びにここのメシ代払うぜ(゜Д゜)すまんな』

***『ま・・まぁいいぉ・・・俺って結構頭丈夫だし・・・=ω=.』

 

その突然の男の変わりように驚くも、その疑問を上回る事態の収拾への気持ちが優先され、許してくれたことに感謝する3人であった。

 

りん『よかったぁ^^』

クルス『そっか!よかった(゜Д゜)』

アメル『・・・(・w・)』

 

そして3人はその男へ謝ったあとに自分達のテーブルへ戻ろうときびすを返すと、
すぐさまその男は声をかけてきている。

 

***『あぁ~!!!・・あの・・・=ω=.;』

りん『はい?』

クルス『ん(゜Д゜)?』

アメル『んあ・w・?』


つま先は元いたテーブルへ向けられたまま、上半身だけを呼ばれた背中の方角へ向けながら3人は意外な声に反応している。

 


***『・・・あの・・・・その・・=ω=.;』

 

りん『・・・・?』

クルス『・・・・(゜Д゜)?』

アメル『・・・・(・w・)?』

 


***『さっきさ・・・兵士がどうのこうのなんて言ってなかったっけ=ω=.;?』

りん『えぇ、言ってたわ』

クルス『なかなかいい奴がいなくてな(゜Д゜)』

 

その男は口の周りについた練りカラシを拭き取り、古着の丈を揃えるように身なりを整え、こう言った。

 

***『じゃ・・・じゃぁ・・・俺なんかぴったしだぉ=ω=.』


りん『え・・・・』

クルス『・・・・(゜Д゜)』

アメル『・・・(・w・)?』


そう言うとその男は、ブンブンと鞘を目の前で振り回しており、
すぐに息切れをし出している。

 

***『・・・はぁ・・・ぜぇ・・はぁ・・俺・・結構・・・つおいぉ・・=ω=.;』

 

りん『あは^^;』

クルス『すまんな(゜Д゜)選考基準てのもあるんだ』

 

また3人はテーブルへ戻ろうとすると止めるかのようにその男は再度呼び止めている。

 

***『ほっ!!ほんとだぉ=ω=.;!!!兵士試験なんかあるのか!?』

りん『一応やってるけど・・本気^^;?』

クルス『第一連隊の試験!?こいつには無理だろ(゜Д゜)』

りん『う~ん^^;訓練兵としてならすぐにでも入れると思うけど』

***『訓練兵=ω=.;?・・・それは・・・その・・みなさんはいるのかぉ?』

 


男の突拍子もない質問にあっけらかんとしながらりんは答えている。

 

りん『みなさんて・・・私ら?・・えっと・・私たちは第一連隊っていって違う部隊だから、
訓練兵ではないわよ?』

***『う~む=ω=.;訓練兵じゃなくてその第一連隊の試験受けさせてくれんかぉ?』

クルス『なんでこいつはいきなりすごいやる気を出してるんだ(゜Д゜;)?』

りん『さ・・さぁ^^;』

アメル『すごいやる気あるみたいだよ(・w・)王様に相談しにいく?』

 


アメルの提案に大いに賛成するように、その男は力強く頷いている。



***『そ・・そうだぉ=ω=.;話せばわかってくれるぉ!!!』

りん『う~ん^^;無理だと思うけど・・・一応いくだけいこっか?』

クルス『めんどくせぇな(゜Д゜)』

アメル『・・・・・(・w・)』


何某かの理由で第一連隊所属を希望して止まないその男は一同に連れられ、
王様の元へ相談をしに行くことになったのだった。

ノア『人違い・・・なのかな・・・・』


第壱百五拾弐話

2009-01-28 | 本編
りん達から一テーブル間を置いて座り、その男は注文をしている。



***『冷やし中華頼むぉ=ω=.』

ノア『かしこまりました』




夏のスイカや冬のコタツなど寒暖差のある愉しみは脳にも満足度の高い刺激を与えてくれる。冬に食べる熱いラーメンはこの上なくおいしく感じるものだ。

お昼時、いまだ4人しか客の入っていない空いた席の多い中華料理屋に、ラーメンをおいしそうにをすする音や炒飯をほうばるアメルの歯とレンゲのあたる音が僅かに聞こえている。



りん『・・・辛いけどうまい~><』

アメル『ハフハフ・・・・この炒飯もおいし~よ(=´w`)』

クルス『ズズ・・ズズ・・なかなかうまいな(゜Д゜)』



クルス『・・・・しかし・・勧誘ワマくいかねぇマんだなぁー・・・ズズ・・・(゜Д゜)』

りん『そのうちね^^・・・・あら・・・あの人なんかどうなの?アメル』



3人は食べながら離れた席に座る男を横目でみてみると、
その男は注文をした品がくるまでの時間を持て余しているようである。



***『・・・今日は釣れなかったな・・ブツブツ=ω=.』




アメル『うーむ・・・もしや・・・隠れた逸材かも(`・w・)』

クルス『なんだあいつか( ゜д゜)?そりゃねぇな・・ありゃただの風来だ』



暫くすると、注文した冷やし中華が運ばれてきている。



ノア『お待たせしましたー』

***『待ってました=ω=.』




クルス『・・ズズ・・・』

アメル『風来ってなぁに・w・?』

りん『ん~・・風の吹くままに生きている人のことよ^^』

クルス『その日暮らしの野郎ってことだ。見てみろあの服!安もんもいいとこだろ(゜Д゜)』

りん『風来は自由人って言った方が聞こえがいいのかな・・それとも型にはまっていない人^^;』

クルス『なんにしても強くはねぇだろ(゜Д゜)』

りん『うんと強ければもっと身なりはいいかもしれないわよね^^』

アメル『そうかなぁ・・・なんかあの人・・違う空気を持っている気がするんだけどなぁ・w・』






その男は自身が噂されているとは知らず、冷やし中華を夢中で口にかき込んでいる。




***『おぉ~!!・・ズズ・・・バクバク・・うめぇ~=ω=.』



すると、ノアはアメルたちの会話に入ってくるようにテーブルに近寄り、
何か言いたげにアメルを見ている。



アメル『・・(・w・)?ノアさんどうしたの?』

ノア『あの・・・・わたし・・』

りん『・・・・?』

ノア『今思い出した・・わたし・・小さい頃・・あの人に・・助けられた気がします。』

クルス『助けられた(゜Д゜)?』

ノア『はい・・・昔・・私が水汲みに隣町までいったとき・・盗賊5人に襲われたんです。その時・・・あの人が助けてくれました・・・・わたしが目をつぶっている間・・五つ数える間に盗賊5人を倒していました・・・ものすごく強かったのを憶えてます。』



りん達は、夢中で食べるその男を再度見誤っていなかったか確認するように凝視した。


りん『・・・・・・。』

クルス『・・・・・( ゜д゜)』

アメル『・・・・・(`・w・)』



冷やし中華の麺にこびりついた練りカラシを解さずに口に入れてしまったのか、その男は咳き込んでいる。



***『・・・・ズズ・・・ズチュル・・ゴホッゴホッ=ω=.;』



りん『・・・・・・。』

クルス『・・・・・( ゜д゜)』

アメル『・・・・・(`・w・)』



***『ゴホッゴホッ・・・お・・・お姉さん・・ゴホッゴホッ・・み・・水を・・・もういっぱい・・・ゴホッゴホッゴホッ=ω=.;』

ノア『はっ!はい!!!』



その男は急いでノアが持って行った水を勢いよく飲み込むと、今度はその水が食道ではなく肺の気管肢に入ってしまったのか、余計に荒々しく咳き込みだしている。


***『・・グビッ・・・グビッ・・グハッ=◇=.;;ゴホッゴホッゴホッゴホッ!!!』




その余りにも気の抜けた姿を見た三人の意見は疑いなく一致した。




クルス『・・・人違いだろ( ゜д゜)』

りん『強くはなさそうね^^;』

アメル『世の中に似ている人って3人はいるらしいからね(`・w・)私も見誤ったかもしれない』



その男がノアを何度か見て様子を変えることのないことから、ノア自身も自分の記憶に疑問視しだした表情でアメルたちのテーブルに帰ってきた。



ノア『でも・・間違いないと思います・・多分・・私のこと憶えていらっしゃらないだけなのかも・・』

クルス『ほんとかよ(゜Д゜)じゃぁ試してみっか?』

りん『試す?どうやって?』

クルス『五つ数える間に5人の盗賊をぶっ倒したってのが本当なら・・俺がこれで後ろから叩き込んだとき何かしらアクション起こすだろ(゜Д゜)』



クルスは剣の刃は抜かずに鞘を腰から外し、胸前に皆にわかるように取り出している。



アメル『また強引なw』

りん『クーちゃんそれは辞めたほうがw』



ノア『・・・・・・多分・・逆に打ち込まれてしまうかもしません・・』


3人がふざけ半分のやり取りを交わす中、一人ノアは、忠実やかな面持ちで答えている為、皆の表情は笑顔から真顔に為らざるを得なかった。



りん『・・・・・・。』

クルス『・・・・・( ゜д゜)』

アメル『・・・・・(`・w・)』


ノア『・・・・・。』



クルスはノアの方へ顔を向けたまま、りんとアメルへ承諾の頷きを促すように
視線を送っている。



クルス『・・・・・(゜Д゜)』



すると、それを返すようにりんとアメルはクルスに真剣な表情で無言の返事を返した。



りん『・・・・・・。』

アメル『・・・・・ーwー』



大人しげなノアから予測し得ないその強い眼差しは、真偽を確かめたくなる一同の思いを動かし、クルスのその強引なまでの確かめ方を実践させるのだった。



ゆっくりとクルスは席を立つと、3人を残し一人その男の座る席に近づいていく。



りん達とは逆向きに座るその男の背中からは、無論今までどおりオーラなどは感じられない。至って人並みのその背中から発する気は、中に潜む力など微塵も感じられはしない。



徐々にクルスの忍び足がその男の背中に近づいていく。


・・・・ヒタ・・・・ヒタ・・・・・



クルス『・・・・・( ゜д゜)』




りん達は、見守るようにひとつ離れたテーブルに座り横目でその姿をみている。



りん『・・・ゴク・・・。』

アメル『・・・ゴクッ・・(;・w・)』

ノア『・・・・・。』



クルス『・・・・( ゜д゜)』



刃は出していないとはいえ、鉄でできた鞘に頭が当たれば流血は免れられない。


クルスの鞘の長さである範囲にその男の頭が入ると、躊躇うことなくクルスは頭に打ち込みを与えようと振りかぶり、攻撃をするのだった。



その振りに手加減などない。振っている鞘が見えぬ程の速さでその男目掛けて当たりそうになったその時。



***『=ω=.!!!!!』

第壱百五拾壱話

2009-01-26 | 本編
りんたちの目の前に現れたのは、『来来軒』という大きな看板。
赤く装飾された木造りの両開きドアがある。



クルス『ここにすっか(゜Д゜)』

アメル『あっ!!この店いいな~・w・ノアメルさんの財布にやさしそう』

りん『ここまだ入ったことない^^はいってみたい』



たくさん立ち並ぶファンブルグ大通りの店のなか、今日の巡回の休憩場所にしたその場所は、定食屋に近い中華料理屋であった。

入り口の開きドアには彫刻の龍が装飾され、東洋の独特な雰囲気が漂っており、りん達はドアを開けると中はカウンターも合わせて15人ほど座れる席が並び、客は入っておらず、こじんまりとしている。


店員『いらっしゃいませー』



力の抜け切った明らかにアルバイトと思われる声が迎え入れてくれると、その声を聞き、店員の顔をみたアメルは声をあげて驚くのだった。



アメル『ノアさ~んΣ(・w・ノ)ノ』

ノア『あ・・・・・』

クルス『ん?なんだ(゜Д゜)知り合いか?』

りん『友達^^?』



そこには、アメルの無二の親友である旧くからの友人が働いており、意外な展開にアメルは目を丸くして喜び、ノアの両手を持ち飛び跳ねて喜んでいる。

それとは対照的に、その友人は飛び跳ねることもなく、勢いよく弾んでいるアメルの動きに連動した手をそのままに、大人しげな表情で笑みをこぼしている。



アメル『バイトはじめたってここだったんだぁ~・w・ノ』

ノア『うん^^』



アメルは紹介を始める立ち位置である3人の間に入った。




アメル『コホン・・・簡単に紹介するね!ノアさんは調理師。わたしが今扶養してるんだ・w・わたしの昔っからの友達で姉的存在なの。ひ弱で無口で大人しめのいい子だよ。』


クルス『調理師でウェイトレス。姉的存在の友達を扶養・・って随分複雑だな(゜Д゜;)』

アメル『ま・・まぁ気にしない気にしないーwー;』



りん『はじめまして^^りんといいます』

クルス『俺はクルス(゜Д゜)よろしくな』

ノア『^^』



その友人は、にこやかな笑顔で会釈するとそのまま席を案内してくれるのだった。



クルス『俺はラーメン(゜Д゜)』

アメル『チャーハンよろしく・w・ノ』

りん『わたしは・・・坦々麺で^^』

ノア『^^』



厨房へ戻り、注文を伝えたのか中から違った声が聞こえてくる。



『やっとお客ちゃん来たんでちゅね。ラーメンにチャーハンに坦々麺!!おっけーでちゅ!!』





・・・・・・・・・


・・・・・



・・・



どうやらその店は、2人で切り盛りしているらしく、料理が出来上がるまでの時間は長い。

待ち時間の間。
クルスは上着のポケットに手を入れながら浅く席に座り、仮眠をとるように目を瞑っている。


クルス『・・・・・。』


アメルは同化して溶け込むように上半身をテーブルにもたれかけ、顔をうずめて手首から先だけをばたつかせている。


アメル『まーだかな・・・まーだかな・・・まーだかな・・』


りんも時間を持て余すように壁にかけられたメニュー表をみている。




<ラーメン>

<みそラーメン>

<坦々麺>

<かた焼きそば>

<炒飯>

<天津丼>

<チンジャオロースー>

<冷やし中華>

<店長一押し!!エビちゅ特製 豚足ラーメン>



りん『あっ店長一押しなんかあるんだ・・・またきたとき頼んでみようっと^^』





暫くすると、ノアともう一人の店長らしき人物がアツアツの料理を運んできている。


店長『おまたせでちゅ~( ̄ω ̄ )』

ノア『^^』



アメル『きたぁ~(・w・)じゅるり』

りん『おいしそう^^』

クルス『おしっ食うか(゜Д゜)』



運んできたラーメンをテーブルに置く際、器を持つ店長らしき人物の親指がスープに僅かに入っていることにクルスは気づくのだった。




クルス『・・・指が・・(゜Д゜;)』

店長『ゆっくりしてってくだちゃいね~( ̄ω ̄ )』

ノア『^^』

アメル『いただきまぁ~す・w・』

りん『頂きます^^』



すると、もう一人客らしき人が店に入ってくるのがわかったノアは、
また気抜けた声で来客の挨拶をしている。



ノア『いらっしゃいませー』



その客は、軽い布着を着込み、黒髪短髪。
安価な作りの服とはミスマッチした豪華な剣の鞘が腰に携えられていた。



***『・・・・うぅ~外はさぶい=ω=.』

第壱百五拾話

2009-01-24 | [第壱百五拾話]はここ


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第壱百五拾話の推奨BGM。
http://jp.youtube.com/watch?v=XiqoHfkq4p8
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りんが第一連隊に入り数ヶ月。
エステンブルグの襲撃さえなければ平和そのもののファンブルグ国。

空には真っ白な雲と青い空が広がり、
冬には珍しい暖かな風と日差しが城下の町を活気付けている。


仕事も板についてきたりんは、今日はクルス、アメルと共に城下の巡回警備をしていた。

とは言え、平和な日が続く城下警備はほぼショッピングに等しい。

 

クルス『りん(゜Д゜)まだか?腹へったぞ 向こうの露店いこうぜ』

アメル『どの店・w・?』

りん『あぁーあれほしぃ~><』

 

りんの目に留まったのは、今年流行りの服ニット、ムートンだ。
服屋から離れられないりんが待ちきれないクルスとアメルは周囲の食べ物屋を見回している。

 


クルス『お・・・ハンバーガー店があるな・・(゜Д゜)』

アメル『マックもいいけどあそこの中華のお店のがいい・w・ノ』

 

りん『あぁー・・黒と紫は品切れかなぁー_ノ乙(、ン、)_やっぱり人気あるんだなぁー』

 

この時期は先行して春ものが売りに出されており、ブーツ、帽子、ブレザーなど
ファッションに気遣う女の子にとっては目移りが激しくなる季節である。

 


クルス『・・・そうだ!りん(゜Д゜)!王様にさ、新しい仲間いれろって言われてんだよ!誰かめぼしい奴みつけるべ』

 

店頭の服を体にあてがい、鏡をみつつ品定めをしているりんは、
品物を凝視しつつ意識半分で答えている。

りん『そうだね~こういうときしか勧誘できないからね~・・・』




クルス『昼飯どこで食うか決めながら勧誘するか(゜Д゜)』

アメル『勧誘はクルスくん頼んだノωノ』

クルス『アメルも声かけるんだよ(゜Д゜)』

アメル『えぇー(´゜д゜`;)』



やっとウィンドウショッピングが終わったのか、りんはクルスとアメルの場所へ戻ってきている。



りん『おまたせ^^今度あの服買いにこよっと』

アメル『おかえり・w・勧誘とお昼ご飯探しだってさ』

りん『了解^^』

クルス『おしっいくか(゜Д゜)』

 

 

ファンブルグ東町の大通りには、昼時となると東洋や西洋の食べ物など枚挙に遑がないほどたくさんの食べ物が並んでいる。

うまそうな香りが歩行者のいい宣伝の役割であり、店頭に出ている店員たちも
客への声かけを絶やしていない。


人通りが多く賑やかなこの道で、りんとクルスとアメルは歩行者と何度もぶつかりそうになりながら、昼ご飯の場所と軍兵勧誘できそうな人を探し歩いている。

 

クルス『あの男なんかいいんじゃないか(゜Д゜)?』

 

クルスはいかつい男を発見し、わかるように指差している。

 


クルス『あいつ(゜Д゜)強そうでいいんじゃないか?』

アメル『あぁーあぁいうタイプは案外軟弱くんが多いよーwー』



根拠があるのか、アメルは人を見抜けると得意げに語っている。



りん『アメルわかるのw?』

アメル『わたしは兵士を見る目があるんだからーwーフ』

クルス『ほんとかよw』

 

すると、スラッと足の長い女の子が3人の目の前を横切るのだった。

 

りん『あっ!!この女の子・・・・魔法強そうじゃない?』

アメル『うーんーwーあのタイプは打たれ弱い子だから訓練中に逃げ出すタイプかも』

りん『うーん・・言われて見れば・・・』

クルス『・・・・なんでわかるんだ(゜Д゜)?』

アメル『さぁ・・・才能かもーwー』

クルス『いまいち信用しがたいw』

 

次に3人の目に飛び込んできたのは、背丈こそ小さく幼げであるが、
一際存在感のある女の子であった。

 

りん『あの子は?実は強かったりして・・』

アメル『う~んーwー強い・・・かも・・・』

クルス『・・・・あの子か(゜Д゜)』


クルスは声をかけようと近づくと、その子は3人の視線に気づいたのかこちらに視線を送り返している。

 

******『^0^?』

 

クルス『あの~・・・今ファンブルグ軍の兵隊勧・・』

******『きゃっナンパっ><!!すいません!!!hanaはこれから塾に行かないといけなくてっ^0^;!!失礼しますっ!!!!』

クルス『・・・・・(゜Д゜)』

りん『ぶwwww』

アメル『ww』

 

何かと勘違いをして即断りの返事をしたその女の子は、
そそくさと人ごみの中に消えていく。

 

クルス『最後まで聞けよ・・・(゜Д゜)』

りん『まぁまぁ^^;』

アメル『とりあえずご飯食べよ・w・ノ腹が減ってはなんちゃらだよ!!』

りん『戦はできぬね^^;』


なかなか勧誘を成功しない3人は、アメルお得意の虫食われ諺を皮切りに、空腹を満たすことを優先し、食べ物処を探すことにしたのだった。


第壱百四拾九話

2009-01-22 | ~回想の章(オムー編)~



       ~回想の章(オムー編)~


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第壱百四拾九話の推奨BGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=ZONAy4D7Vys
ctrlキーとクリックで別タブが開くと思います。
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***『・・・そこから動くんじゃないぞ・・・・。』

**『はぃ』

 


***『今から五つ数えるんだ・・・・その間は目を瞑って耳を塞いで・・・。』

**『は・・・はぃ・・・。』

 

少女は言われたとおり両手で耳を塞ぎ、かたく目を瞑った。

 


・・・・・・・・・

 

 

・・・・・

 

・・

 

 

**『いち・・・・』

 

荒々しい踏み込みが地面の砂利を後ろへ押し蹴られた音が鳴った。

 

ジャッ!!!

『どっしゃぁぁぁあぁあああぁぁぁぁ!!!』

 

男は状態を後ろへ反らし寸でで敵の剣を交わし、同時に左膝を敵の溝落ちに見舞うと敵は焦点の合わなくなった目を見開き、よだれを垂らし固まっている。

 

ドスッ!!

『・・・・か・・・k・・・。』

 

 

**『に・・・・・』

 


そして後ろから迫ってきた次なる敵に瞬時に距離を詰め、右手にて喉仏へ攻撃すると同時に左手でその敵の剣を持つ拳を制御し、そのまま3人目の敵の腹へその剣を
無造作に刺し込み、

 

ガッ!!!ガシッ!!!

『がふっ!!!!』

グサッ!!

『・・・ぐ・・・。』

**『さん・・・・・』

 

力なく落としそうになっている剣を逆手で奪いつつ、重なるように制空権を脅かしてきたさらなる4人目の敵の金的への蹴り上げを命中させ、

 

ドッ!!!

『・・・・・・。』

**『よん・・・・』

 


奪った剣で5人目の敵の振り払い攻撃を受け、頭突きで敵の鼻柱への打撃を放った。

 

カキーーン!!!

ズガッ!!!!!

『・・がはっ!!』

 


すると、今まで瞬時の攻撃で固まっていた五人の敵は、一斉に地面に崩れ落ちるのだった。


バタッバタッドタッ バタンッバタッ!!!

 

**『ご・・・・・』

 

 


雑草が膝下あたりまで生い茂り、その草たちは北風の方向を綺麗に指し示している。いつも以上に折れ曲がったくの字を作るその草々は強い風を物語っていた。


ファンブルグ城郊外にある人里離れた平地。
昼すぎの時間とはいえ、分厚い雲が日光を遮り、風と共に気温を奪っている。


その人気のない道に、少女を守るように在り立つ一人の男。

 

**『・・・ぁ・・・・ぁぁ・・・』


思いがけない事柄に言葉を失っている少女を残し、
何も言わずにその男はその場から立ち去ってしまっていた。

 

**『・・・ぁ・・ぁ・・助けて頂き、ありがとうございました!!』

 


やや離れたところまで歩いていってしまっている男はその声が聞こえたのか、照れるように頭を掻いている。

 

**『・・・ぉ・・お礼を!!!』

 

まったく緩めることのないその男の足をみた少女はすぐに言い換えた。

 

**『・・・・せ・・せめてお名前を!!!』

 

かなり離れてしまったその男は背中を向けたまま右手を高く上げ振っている。

 

***『・・名乗るほどの者じゃないからいいぉ・・・一人歩きは気をつけるんだぉ・・。』

 

 

物騒な出で立ちで雑草にへたばり倒れた男5人の横に立つ少女は、見えなくなるまでその男の背中を見送っている。


第壱百四拾八話

2009-01-19 | 本編
航海を始めて2ヵ月半。
まだ海の360度の地平線の景色は変わらず、夜となれば時折海面から頭を出すクジラとその鳴き声が聞こえるのみの何もない毎日。

一同は余暇の昔話に花を咲かせていた。





王子『・・と・・・まぁこんな馴れ初めじゃったかのぉ~クルスやハプティから聞いた内容じゃがな^ω^』

さっちゃん『ファンブルグの正義の味方ってりんさんだったんだねwかっこぃぃなぁw』

りん『自分自身の話を聞くのは結構恥ずかしいものね^^;』

クルツ『知らなかったぁ!!りんさんもクルス兄ちゃんみたいに強いんだね><!!』

オムー『りんと遠距離でかち合ったらまず勝てる奴はいねーぉ=ω=.』

透くん『ボソボソ(・・・衛兵2さんも射止められたらしい・・・・)』



透くんのボソボソという発言は皆の話し声でかき消されている。



ハプティ『ねぇりん・w・ノ質問!!』

りん『ん?』

ハプティ『最初の頃さぁ・・・射ったはずの矢がなくて証拠がなかったんだけど・・あれ最後までわからなかったんだ・w・あれはどういうことだったの??』

りん『あれはアイスアローよ^^氷で矢を作ったの』

王子『それは知らんかったーωー;どおりで証拠が残らんわけだ・・』

ハプティ『う~むーw-そらわからない・・』

クルツ『クルス兄ちゃんの昔の話、ぼくはもっと聞きたい~ヽ(`д´ )ノ』

ヌコル『わたしも聞きたいです><』

えびちゅ『グビッグビッ( ̄ω ̄ )りんの馴れ初め話もいい酒のツマミになったでちゅ』




りんの話を一通り終えてもまだえびちゅはビールを飲み止んでおらず、
すでに中ジョッキ14杯を空けていた。



hanana『えびちゅ飲みすぎ><』

オムー『えびちゅ体小さいのにビールどこに入ってんだ=ω=.;』

えびちゅ『このビール・・・・どこで買いまちたか( ̄ω ̄ )?』

ハプティ『えっと・・・どこだっけーw-;?』


えびちゅに質問されたハプティは即答できず、一緒に買出しにいったオムーに助け舟の視線を送っている。


オムー『あ~・・えっと・・ドンキホーテとかいう酒屋だったかな=ω=.』

えびちゅ『・・・いい仕事してまちゅね( ̄ω ̄ )帰ったら早速買いにいきたいでちゅ』

りん『そんなに気に入ってんだw』

メイド『・・・・えびちゅ貯蔵って言葉・・・知ってる?』

えびちゅ『わたちには無用の言葉でちゅ( ̄ω ̄ )パリッパリッグビッグビッ』




りん『フゥ~^^;私の馴れ初め話の番は終わったわwなんか気が楽ねw』

ハプティ『ww』

王子『さ・・・かなり遅い時間じゃがこのまま眠らずにオムー話いくかーωー?』

クルツ『待ってました(゜Д゜)!』

ヌコル『楽しみですっ!!』

ハプティ『ワクテカ(゜w゜*)』

さっちゃん『待ってましたオムーさん話っ!!』

オムー『さ・・・今日も夜警備いくかな=ω=.;』

りん『はいそこww逃げない逃げないw』



丸テーブルを一人立ち上がり、寝ようと床に入ろうとするオムーをすかさずりんが止めている。




王子『ふぉっふぉっふぉっ^ω^』

りん『じゃぁこれは私が話そうかな^^』

hanana『ねぇねぇ^0^お菓子食べよ』

王子『そうじゃな^ω^せっかくじゃからhanaちんと買ってきたお菓子でも出すかのぉ』

クルツ『ぼくはわさビーフ(; ・`д・´)ノ

ハプティ『スイカバーなかったっけ・w・?』

透くん『わたしコアラのマーチ』

りん『ワッフルケーキよろしく^^』

えびちゅ『いいちこおかわりでちゅ( ̄ω ̄ )』

ハプティ『また酒かいw』





船のキャビンで夜食のお菓子を取り出し、
オムーの馴れ初め話を聞く皆の態勢は整っていた。


オムー『・・・・・=ω=.;』

メイド『さっ!まな板の鯉よ!もう覚悟して!』


昔の話は恥ずかしいと半身で席に座るオムーにメイドが渇を入れている。



メイド『しっかり座って!!何が好き?いちごポッキー?はいこれね!』

オムー『なんで俺がいちごポッキー好きなことになってんだよwいらんわwあっ!ほらっ!透くんが眠そうな目してるよ=ω=.明日にするべ』

透くん『完璧冴えてきた◇。◇なんでだろう。今日に限って。』

オムー『てめぇ・・・=ω=.;』



幼げなクルツやさっちゃんなどの期待に胸を膨らませた表情を受けているりんは、赤ワインで口を潤すと軽く咳払いをし、話し始めるのだった。


hanana『わくわく^0^』

クルツ『ワクワク(゜∀゜)』

りん『私が第一連隊に入ってから・・・ザザ地区のエステンブルグの襲撃を凌ぎきった時だったかなぁ・・・』



  ~次回 回想の章(オムー編)~

第壱百四拾七話

2009-01-18 | 本編


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第壱百四拾七話のりん編エンディング推奨BGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=t7LAZE1Omfw
ctrlキーとクリックで別タブが開くと思います。
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      ~数日後~

エステンブルグとの攻防がいまだ続く中、国内の景気は目に見えて良くなっていた。
横流しされることがなくなりつつある国内通貨は商人たちの手に戻り、生活質を向上
させている要因になっていることは間違いなく、心なしか町を歩く人々には笑顔が現れている。

 

普段の王様のティータイムは庭のテラスだが、寒い冬には茶飲み場と言われる部屋を利用している。今日は珍しくクルスらは王様と共にその茶間でティータイムを楽しんでいた。


りん『すごい綺麗な場所ですね^^』

王様『じゃろう^ω^』

クルス『ここの部屋はあったけぇなぁ~(゜Д゜)』

アメル『外の警備寒すぎなんだもんーw-』

王様『たまにはいいじゃろ^ω^休憩してゆけぃ』

 


真っ白なテーブルがいくつか置かれたその部屋は、今までティータイムで楽しんでいたテラスとガラス一枚を隔てて建造されており、暖炉の暖かさが心地よい。

 

壁から天井まで一続きになっているガラス天井は、冬の暖かい日差しもその部屋に直射するように入らせ、りんたちは外との温度差から曇りがかっている壁と天井を物珍しく見ている。

 

すると王様身辺世話役でもある衛兵2は、茶間にお茶を運んできていた。

 

衛兵2『りんさ~ん^^レモンティー好きですかぁ~?』

りん『ありがとう^^おいしそぉ~』

クルス『おっ紅茶か(゜Д゜)』

アメル『このクッキーおいしそうだねぇ~(=´w`)』

衛兵2『あっそれは王国メイドさんが作ってくれた奴ですよ^^』

 

王様『おろーωー?トカマクはどうした?』

アメル『ザザ地区の巡回いってます・w・』

クルス『たまには休めよあいつは(゜Д゜)』

 

ティーカップを並べていくが人数分足りないことに途中気づく衛兵2。

 

王様『・・・わしの紅茶はどうしたーωー;?』

衛兵2『あ・・・忘れてました^^テヘヘ』

王様『きさまーωー;テヘヘじゃねーど』

クルス『ww』

 


するとガラス天井にちらちらと粉雪が落ちてくることがアメルは発見したのだった。


アメル『あ!!!雪だ・w・ワーイ!!雪雪~!!!』

 

クルス『しかしあの犯人なかなか捕まらないもんだな~(゜Д゜)』

衛兵2『いったい犯人は誰なんでしょうねぇ^^』

アメル『・・・さぁ・・誰なんだろうね(●´w`)』

りん『この紅茶おいしい~^^』



・・・・・・



・・・



・・


ファンブルグ城下にも粉雪が舞っている。
トカマクは一人、ファンブルグ北東に位置するザザ地区警備巡回をしていると、雪が降り始めていることに気づくのだった。

すると号外を道にばら撒いている男が見えてきている。

 

『また昨夜出たよ~!!正義のヒーロー泥棒が貧しい人を救ったよぉ~!』


トカマクが足元にヒラヒラと落ちたその号外を地面から拾ってみてみると・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  号外!!!  正義の味方!!またまた参上!!

昨夜未明。あの正義のヒーロー泥棒が、再びジャッカル団一員と思われる武家屋敷から金を奪い逃走。諸悪の権化から金を奪い、またしても貧しい人々にばら撒き返した!!!

自警団から姿をくらますその姿はまだ誰も見ていない。
正義のヒーロー泥棒はいまだ謎に包まれている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 

トカマク『・・・・大婆様の言っていた時代がきたのね^^』

 

トカマクは笑みを浮かべ、拾った号外をポイッと後ろに手を離すと、散っている落ち葉と共にその号外は風に巻き上げられ、粉雪と共に舞っている。

 

『号外だよ~!!!また正義の味方が貧しい人を救ったよぉ~!!』

 


・・・・・


・・・


・・

 


城の茶間では、衛兵2が午後の紅茶と共に差し入れの軽食を運んできている。

 

衛兵2『おにぎり作ってきたんです^^!食べてみてくださいっ!』

クルス『なんだこれ(゜Д゜)爆弾にぎりじゃねぇか!もっとうまそうに作れよ!』

衛兵2『うぅ・・・ひどい・・TT』

アメル『まんまるおにぎりだww』

りん『ありがとう^^おいしそうね』

 


かくして社会の悪弊を一掃したりんの偉業と、必要悪として認められたその正体は、その後の歴史も謎に包まれたまま英雄と語り継がれていくのだった・・・・

 


りん『あの~・・・おかわり^^もらっていいですか?』

衛兵2『はい><!!!!!!』

 

    ~回想の章(りん編)~  完


第壱百四拾六話

2009-01-17 | 本編

謁見の間には入り口から王様の座る椅子まで赤く長いジュウタンが敷かれており、第一連隊の兵士たちが挟むように整列している。




衛兵1『りん様、さぁっ前へお進み下さい。』

りん『はい』

王様『ふぉっふぉっ元はわしらも世話になっておった木こり師さんじゃ、そう硬くなるでない^ω^』



やや緊張気味であるりんを、すぐ近くでトカマクやクルス、アメルたちが見ている。



アメル『(●´w`)ニヘッ・・・ちょっと緊張してるのかな』

クルス『名誉勲章の受章商品てなんだろうな(゜Д゜)』

トカマク『私もまだもらったことないわ・・』




ここに並ぶ精鋭兵士は100名近い。
その一寸乱れることのない綺麗に揃った整列は城の秩序を物語っており、謁見の間に呼ばれる誰しもがその厳かな雰囲気に圧倒されてしまう。


王様SPを務める衛兵1の合図があるとりんは表彰台となる王様と同じ高さに位置する高台へ登り始めている。



トカマク『・・・・・。』

クルス『・・・・・(゜Д゜)』

アメル『・・・・・(・w・)』

衛兵1『・・・・・。』

衛兵2『・・・・・。』



りんが登り終えると、王様は衛兵1に渡された表彰状を両手で持ち、読み上げ始めた。



王様『・・・コホンーωー』

りん『・・・・・。』



すると王様は、何やら難しそうな顔で表彰状を見たまま固まってしまっているのだった。



王様『・・・・・・ーωー』

衛兵1『・・・・?』


王様『衛兵1・・・・これなんて読むんじゃーωー?』

衛兵1『・・・こっかさんびです・・』




早速表彰状に書かれた漢字を衛兵1に聞くという失態を犯している光景は、
周りにいる兵士たちにとってはこの上なく恥ずかしい。


トカマク『・・・・コホン・・』

クルス『・・・ちょっと恥ずかしいんだが(゜Д゜;)』

アメル『ww』




王様『・・・コホンーωー;国家賛美名誉勲章!りん殿!そなたは、今まで国家が対象とさえし得なかった事件に真っ向から立ち向かってきた。国家賠償に値する我らの被疑者とした無礼極まりのない業に謹んでお詫び申し上げたい。

我らの陳謝にも大器をもって受諾し、長きに渡り人知れず戦い抜いてきたその勇気とその強い精神力に我が国家は敬服している。

その力に屈しない心、その秀でた戦闘能力に謝恩と敬意を表しここに表彰する!ファンブルグ暦19××年○月△日ーωー』


王様がりんへ表彰状を両手で手渡すと同時に、りんの礼の言葉などかき消す程の波のような盛大な拍手が謁見の間に反響している。


りん『ありがとうございます^^』

クルス『おめでとう(゜Д゜)』

アメル『おめ~(=´w`)』

衛兵2『・・りんさん今日も髪きれいだなぁ~・・・』

トカマク『天は二物を与えたのね^^』




盛大な拍手がやっと鳴り止むと王様は話を続けるのだった。




王様『りんよ。まさか木こり師であるおみゃーが弓師だとは思いもよらなかったぞよ^ω^なんにしろ・・お疲れ様じゃ^ω^』

りん『このような表彰・・非常に嬉しく思います。でも・・まだ終わっていません』

王様『・・・そうなのか(゜Д゜♯)』

りん『是正されるべき残党はまだおります。』

王様『ではすぐに我が軍をもって・・(゜Д゜♯)』

りん『いえ・・エステンブルグの防衛に専攻し国民の命をこのままお守りください。私のほうはご心配なく^^ジャッカルはもうおりません。』

王様『う~むーωーさすがじゃ・・・そうじゃ^ω^ひとつ願いを聞こう。
できる範囲で叶えてしんぜよう。』

りん『願い・・?』

王様『なんでもよいぞ^ω^』




王様とりんのいる高台の声は第一連隊の最前列に並んでいるクルスらの耳にも届いていた。



クルス『おぉー(゜Д゜)やっぱ名誉勲章はすげーな・・・願い事かぁ~・・』

アメル『わたしなら絶対プリン1年分だなーw-』

衛兵2『・・ぼくは・・・りんさんと><』

クルス『それは王様が叶えられる願いじゃねぇだろ(゜Д゜)』



するとりんは悩むことなく顔を上げ言った。


りん『ひとつだけあります。願いは・・・平和を取り戻すこと。それだけです。これからも国家をお守り下さい。王様^^』



クルス『・・・・・かっけぇ(゜Д゜;)』

アメル『ほぇぇ・w・;』

トカマク『またすばらしい子ね・・』



王様『えらい(゜Д゜♯)!!プリンばかり食べている兵隊に聞かせてやりたいものじゃーωー』

アメル『・・・わたしじゃん・・・それ-w-;』

クルス『ww』



王様『叶えてしんぜよう^ω^期待するのじゃ』




そして王様は一瞬間を置き、本題に入るように真剣な面持ちで話し始めている。




王様『・・・そしてこちらからもお願いあるのじゃーωー』

りん『?』

王様『そなたを伝説の獅子であることは誰もが疑うことのないものじゃろうーωーこれから第一連隊に入って欲しい。さすればたくさんの命が助かるのでのぉ。』

りん『わたし・・が?』

王様『そうじゃ^ω^・・そのジャッカル団の残党が終わってからでもよい。共に戦って欲しいのじゃ。』

りん『わたしが・・第一連隊に・・』

王様『そうじゃ・・頼まれてくれんか^ω^?』


りん『・・・・はいっ!!喜んで^^私の意志を叶えてくれるとお見受け致しました。』



りんは驚きを持ちつつも、王様の依頼を満面の笑みで答えるのだった。
その承諾と共に、またさらに大きい盛大な拍手が会場に響いている。



クルス『おぉー(゜Д゜)すげすげー!!!承諾してくれたぜ!!』

アメル『やったね・w・ノ仲間増えた増えたぁ~!!!』

トカマク『すごい戦力が仲間になったわね^^』

衛兵2『・・ぅ・・・うれしぃTT』



すると壇上に立っているりんは、兵員たちの方へ向け表を向け、深々と挨拶をしている。


りん『よろしくお願いします。』

王様『ふぉっふぉっふぉっ^ω^』



またしても一人の伝説の獅子が生まれ、その後リーダーとしての頭角を現していくりんの第一連隊への招待を果たした。

互いに引き合い、助け合う運命にある伝説の獅子たち。
戦いの競演はとどまる事を知らない。



  ~次回 回想の章(りん編)エンディング~

第壱百四拾五話

2009-01-14 | 本編
りん『私の為の戦いはいらない!!私が捕まれば済むこと!』

クルス『もうはじまっちまったぜ(゜Д゜)』

衛兵2『・・足に・・・・力が・・・うぅ・・><!!!』



トカマクをはじめ、第一師団が一斉に攻撃を始めた。
師団の中の騎馬連隊や騎士連隊などの怒声と足音が一点に向かう勢いはすさまじい。



『うわぁぁぁあああぁぁぁぁ!!!』

『捕獲だぁ~!!!!』

『うぉぉおおおぉぉぉ!!!』

トカマク『容赦しなくていい!!全員捕獲!!進めぇ~!!!』



クルスと、衛兵2、否応なしに戦うことになったりん。
3人は互いの背を向け合いトライアングルの陣形を作っている。
我が身を守るだけではない、正当性の立証されない事柄を行動をもって示すために。



クルス『うぉぉぉおおおおぉぉぉ(゜Д゜)!!!』

衛兵2『・・うぅ・・うぅ~><!!!!』

りん『・・・この戦いに意味はない!!!!』




その時、庭地を多い囲むように並んだ建物の隙間から聞き覚えのある声が聞こえて
くるのだった。


***『はいちょっとまったぁ~~~~~~~そこの血の気の多い方々ぁ~!!
そうなんでもかんでも戦いで済むと思っちゃってぇ~!!
平和主義者はいないのかぁ~>w<!!』



それはジャッカル団の犯行証拠を調査し続けていたアメル。
何かを探し当てたのか、その右手には書類らしきものが握られている。



クルス『あのやろう・・おせぇーぜ(゜Д゜)』

衛兵2『アメルさん><!!!』

アメル『トカマク様!!これを見てください!!違法な契約書ですっ>w<ノ~□!!』

りん『!!!!』



トカマク『証拠があるの!?連隊!!!!停止ぃ~!!!!』


3人への無数の向かい刃は、トカマクの一声により転ぶように急停止され、
トカマクはアメルから書類を渡されるとすぐさま食い入るように目を通し始めた。




・・・・・・


・・・






クルス『・・・・・(゜Д゜)』

衛兵2『・・・・・・。』

りん『・・・・・。』

アメル『ゴクッ・w・;』



トカマク『・・・・これは・・』



ジャッカル団たちが詐称し、農民から通貨料の超過分を巻き上げて収入を得ていた物証を目の当たりにしたトカマクは思わず息を呑み、唖然としている。




トカマク『・・・あなた達の言っていたことは・・・本当だったのね・・・。』



クルス『その親玉がジャッカルってわけだ(゜Д゜)そして今までりんがずっと一人で戦ってきたんだ』



自尊心が高く非を認めることも難しいトカマクにも、その確たる証拠は否定することはできなく、今までの指揮を悔やむように目を固く瞑り、唇を噛んでいる。




トカマク『・・・・私達が追っていた犯人が・・・正しき人だったのね・・』




月日を越えてやっと認められたりんの顔は、安堵が見て取れる。
暫くの沈黙の間、周りを取り囲む師団員たちもトカマクの反応を気にかけ、終始黙り込んだままで動向を見守っている。


そしてこの大捕り物を終わらせる一声がトカマク自ら告げられるのだった。




トカマク『全師団!!・・・・・・退却!!!!』



・・・・・・


・・・


・・



建物の残骸の燃えも弱まり、いつもの冬の寒い木枯らしの風が吹く中、全第一師団員たちは元あった殺気と剣を仕舞い込み、帰城の身支度を始めている。



衛兵2『・・・・ふぅ~>。<;』

クルス『間に合ったな(゜Д゜)アメル』

アメル『もぅ~危なかったじゃんかぁ~・w・;クルスくん時間稼いでてよぉ~』



トカマクはその場から動こうとせず、自らを恥じる様にじっと直立したまま目を瞑っている。クルスがその様子に気づくと同時にトカマクはりんの元へ歩きだしていた。



クルス『・・・お(゜Д゜)?』



りんの前までくるとトカマクは深々と頭を下げている。



トカマク『・・・りんさん・・申し訳なかったです><』

りん『いえ・・・わかって頂けただけでも嬉しく思っております。』




今まで追ってきた者であるりんに対し、トカマクは調査不足からの一連について詫びと謝罪を込め、丁寧に頭を下げるのだった。



クルス『りん(゜Д゜)!!勘弁してくれよな!うちの隊長はエステンブルグの猛攻で頭がいっぱいだったんだ。うちらの国の違法まで手がまわらなかっただけよ!』

りん『トカマクさんのお気持ちも十分にわかります。クルスさん、アメルさん・・・そして衛兵2さん・・本当にありがとうございました・・』

クルス『トカマク(゜Д゜)・・あとひとつ・・こいつはただもんじゃねぇぜ?』




トカマクは頭を下げたその姿勢を保ちつつ、クルスに返事をするかのように頭だけで頷くとすぐに姿勢を上げ、完全に上がりきらないくの字の姿勢でりんを見つめながら話を続けた。



トカマク『・・りんさん・・あなたは・・名誉勲章を受け取れる方です・・ぜひ・・受賞受諾されますようお願い致します』

りん『・・・わたしが?・・・・そんな・・』

クルス『単体でここまで一人で倒してこれた業績は並じゃないことは誰だって承知だぜ(゜Д゜)』

アメル『へへ・w・遠慮なんかしちゃ駄目だよ!!』

衛兵2『・・よがっだ・・TT』


脇で3人の会話を見守るように見ていた衛兵2も会話に入ってきている。
緊張感から開放された安堵の涙によって腫らした目で喜ぶ衛兵2。


衛兵2『グルズざん・・バメルさんTT・・ありがどうございまじだ・』

アメル『わたしはバメルでなくアメルですがまぁいいでしょう(´゜w゜`)』



喉に逆流するほど溢れ出ている処理しきれていない鼻水をもった衛兵2の滑舌は悪い。



衛兵2『ぅぅ・・・じづはごわがったんですぅ~TTだんだが
ぎんだじてどくのごどをでぎどようににだびづけでぎでぇ~TTうわ~ん』

クルス『誰か通訳してくれ(゜Д゜)』

アメル『一回落ち着こうかww衛兵2さんw』

りん『あはは^^』


トカマク『正直私もこわかったわ・・あなたたちを敵に回すのは賢明とは言えないもの・・まだエステンブルグの軍の方がよかったわ^^りんさん、後日王室へいらして下さい。お待ちしております。』


りん『名誉勲章ですか・・嬉しいです^^』



衛兵2は汗と涙と鼻水のため、見るに耐えない顔のまま、激しく往復される頷きと共にりんとトカマクとのやり取りを必死に聞いている。



衛兵2『・・うぅ・・うんうんTT・・よがっだ・・ごででよがっだ・・うぅ・・』

クルス『おまえ汚ったねぇ~なぁ~(゜Д゜)鼻水くらい拭けよ!』

アメル『ぶwあははww』

トカマク『ははははw』

りん『あははww』



・・・・・・


・・・


・・



かくして、散り散りであった点と点は線になり、真実はあるべき場所へ元通りに戻るのであった。


第壱百四拾四話

2009-01-12 | 本編

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第壱百四拾四話のお薦めBGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=eJrR6jaU2mY
別タブで開いて引き続きお楽しみください。
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りん『・・・ありがとう・・もういいの・・』

衛兵2の後ろで逃げる道はないと半ば諦め加減のりんは、細々とした声で言った。

衛兵2『悪くないのに捕まるなんて><!!りんさんは・・・りんさんは牢屋なんかに入る人じゃない><!!!!』

りん『・・・・・。』



仁王立ちで衛兵2はトカマクの目の前に立ち、道を妨害している。

ファンブルグ国軍の総指揮官、かつ第一師団団長でもあり、第一連隊隊長のトカマク。足を向けて寝れぬ程頭の上がらない直属の上司である行く手を阻んでいる衛兵2。

 

 

トカマク『・・衛兵2・・その行動がどういう意味になるかわかっているの?』

衛兵2『・・り・・りんさんは・・・本当に悪い人じゃない><!!!』

トカマク『・・・・・・。』


衛兵2『ぼくは・・平和な世の中になるために兵士を志願しました><それはエステンブルグとの戦いだけじゃないですっ><!!目の前の悪い人たちを見過ごすわけにはいかないんですっ!!!防衛から比べれば小さな事件かもしれません・・

でも・・どんなに小さなことだって・・どんなに些細なことだって!!ぼくは全力で調査して納得できました!!!調べない王国側にも・・・・問題があると・・・・おも・・おもおもいます><!!』

トカマク『・・・・・。』

 


するとクルスも衛兵2と同じように、りんとトカマクの間に入り、道を塞いでいる。


クルス『よくいった衛兵2(゜Д゜)』

トカマク『!!!』


クルスは鞘から抜いた剣を納めずにそのまま持ち力強く再度握り締め、切っ先をトカマクに向け構えている。

 

クルス『・・・・トカマク(゜Д゜)ひさしぶり・・やらないか?』

トカマク『!!!』

 

トカマク『・・・素直に捕まえられそうにないわね・・致し方ないわ・・・・』

 

トカマクも腰から剣を抜き、クルスへ向け構え指令を出した。


トカマク『全連隊に告ぐ!!!衛兵2とクルスは国家反逆罪!!これより!!!りん、クルス、衛兵2を捕獲する!!!!』

 

庭地の周りに待機していた6000名の師団員たちは一斉に剣を抜き臨戦態勢に入り、今までにない密度の高さでりんとクルス、衛兵2達は包囲されている。その無数の目は全て3人に向けられており、その物言わぬ圧力は尋常ではない。


お互いを納得できないままの衝突。これ程まで解せない戦いはないのかもしれない。

衛兵2は、理解してくれない苛立ちや、またも死を目前にした戦いを前に涙を溜めながら震えた手で槍を持ち、構えている。

 

トカマク『・・・どうやら本気のようね・・。』


衛兵2『(・・・ぼ・・・・ぼくは・・・・・ぼくは間違ってない><)』

りん『・・・・・。』

クルス『上等じゃねぇか(゜Д゜)こいよ』

 

トカマク『総攻撃開始!!』


第壱百四拾参話

2009-01-10 | 本編
クルスが構えていると、すぐ横にりんも怪我をした左肩を抑えながら構えている。


りん『・・ぜぇ・・はぁ・・』

クルス『傷は深いのか(゜Д゜)?』


りんのその視線はまっすぐとジャッカルへ向けられており、その目から闘志の強さをクルスは悟ることができた。


クルス『・・・・(゜Д゜)』

りん『平気よ・・・』


同じ修羅の道を歩んできた者による言葉にならない意思疎通。
互いの目的はひとつ、悪の権化であるジャッカルを打ちのめす事。


クルス『・・・いくぞ(゜Д゜)』

りん『やぁぁぁぁああぁぁ!!』


ジャッカルとの制空権を打ち破り、りんとクルスは間合いをつめていく。
初弾のりんの攻撃をジャッカルは鎖で受けるのをクルスはわかっていたかのように、そのまま同時に胴振り払い攻撃を合わせている。



ジャキーーン!!!バキッ!!!!


ジャッカル『ぐはっ!!!』



ジャッカルは青銅の鎧が砕けるほどの攻撃を受けながら尚も鉄の塊の錘を振りかざし、それはダメージで足の動きが鈍くなったりんの頭上目掛けて落下しようとしていた。



りん『!!!』

クルス『りん(゜Д゜)危ねぇ!!』


クルスは自身より数倍身の丈がある大男の腕を捕まえジャッカルを制御させると、りんは最後の力を振り絞り父の斧を振りかざし、




りん『父の仇ぃ~!!!うわぁぁああぁぁぁ!!!』



ドスッ!!!!





ジャッカル『ぬぉぉおおおぉぉぉ!!!!』




りんの斧は見事にジャッカルの胸元に直打することができ、とうとうりんは家族の無念を晴らす事ができたのだった。

ジャッカルがその大きな背中を地響きを立ててそのまま倒れると、全てをやり終えたかのように膝をつきりんはしゃがみこんでいる。



衛兵2『やったぁ~><!!』

クルス『お見事だ(゜Д゜)』

りん『・・ぜぇ・・・はぁ・・ぜぇ・・お父さん・・・・お母さん・・・』



伝説の獅子ふたりのそのコンビネーションがまたもこのファンブルグで生まれ、7年という月日が経ち、悪の親玉ジャッカルを倒すことができたその時、

何百頭もの馬の荒い鼻息や足音と共に第一師団がすぐそこまで来ていることをりんたちに気づかせていた。



衛兵2『あっ!!トカマク様たちだ><!』

りん『・・・・・。』

クルス『・・・・(゜Д゜)』



トカマク『師団連隊!!停止!!!!』


崩れかかった五つの建物に囲まれた庭地をさらに師団兵員たちの数え切れないほどの馬が囲い込んでおり、りんたちの逃げ場をなくすように包囲している。


やはりその視線は犯人の服を首からした着込んでいるりんに集中した。


『犯人がいるぞ!!!』

『顔を出している・・・どこかで見かけたことがあるな・・・』

『あれは・・・専属の木こり師だ・・』

『そうだ!!木こり師だ!!!』


トカマクは馬から降りると躊躇うことなくりんを捕獲しようとまっすぐと歩いてきている。


トカマク『木こり師の・・りん!!あなたがこの一連の犯人だったのね!!もう逃げ道はないわよ!!衛兵2!クルス!ご苦労様!』


クルス『トカマク!!このジャッカルを倒したのはりんだけじゃねぇ(゜Д゜)俺もだ!』



クルスは、りんのみがこのジャッカル邸に忍び攻撃したのではない事をトカマクに付け加えている。



トカマク『・・・・あなたも!?・・なんてことを・・正当性のない家宅侵入や逮捕はファンブルグ国家の刑法に触れるのよ!!!わかってやってるの!!??』

クルス『んなこたぁわかってらぁ(゜Д゜)正当性はいずれでてくるはずだ(゜Д゜)』

トカマク『・・ではその証拠が出てくるまでは牢獄行きよ!!!』

クルス『・・・・。』


トカマクはそう言いながらりんに近づいていき、あと少しで辿り着く距離になったその時、


・・・・・

・・



衛兵2は、決して逆らうことができない直属の上司でもあるトカマクを前にし、今まで盾突く事もなかったその態度を翻し、仁王立ちでトカマクのりんへの道を塞ぐのだった。


衛兵2『・・だ・・だめだっ!!りんさんは・・悪くない!!・・こここk・・ここは通さない><』

第壱百四拾弐話

2009-01-08 | 本編


ジャッカル『ふははははははっ!!!!』


鎖で繋がった鎌と大きい鉛をジャラジャラと持ちながら高笑いをしているジャッカル。


勢いばかりででてきた衛兵2は、助太刀とは逆の足手まといになってしまっている。

りんの服からはテンポの早い血の雫がたくたくと地面に落ち、服に染みる速度や滴り落ちる量からかなり深い傷であると衛兵2は予測づくことができた。


衛兵2『・・ごごごご・・ごめんなさい><!!!』

りん『・・いいの・・気持ちだけでも・・うれしいわ・・ありがとう・・・』


左肩を利き手で押さえながら左手で斧を構えているりんに、容赦なくジャッカルは鎖とは逆側についた分銅の錘を振り上げ、追随の攻撃をしかけてきている。


鈍器の攻撃は、防御をしたとしても衝撃力を打ち消すことはできないことから、錘の打撃は避ける他なかったが、今の痛手を負ったりんはすばやく動くことは難しく、そのまま錘を胴に直撃してしまっていた。

 

ブーーンッ!!  ドガッ!!!!


りん『ぐ・・・』

 

元来弓師であるりんは、相手に見つからず遠方から敵を射止め、発見されたとしてもすばやい動きでかわし、攻撃することで凌いできていた。

それこそが弓師としての強みであり、攻撃をそのまま受けることは今までの戦闘の中でも想定外であることは否めない。
りんは生身に攻撃を受け瀕死の重傷を負い、母屋の崩れかかった壁際に叩きつけられている。


バコッ!!!!


りん『・・・はぁ・・ぜぇ・・はぁ・・』

ジャッカル『返り討ちにしてくれるわ・・・・』

衛兵2『・・・・うぅ・・・うぅ・・ぼくは・・ぼくはなんて情けないんだ><』

 


ジャッカルが徐々にまた自分の方へ近づいてきているのが見えてはいたが、壁に叩きつけられたりんは脳震盪を起こしており、そのジャッカルの顔は醜く歪んで見えている。


りん『・・・・・。』

ジャッカル『・・クックックックック・・・』

 

ジャッカルは鎌で再度右からの振り払い攻撃をし、りんはかろうじて避けたが、連続攻撃の左手から伸びる錘が再度りんの背中に直打され吹き飛ばされてしまっていた。


ドガッ!!!!!


りん『・・・ぐはっ!!!』

ジャッカル『・・・クックックッ・・・さっきの勢いはどうしたぁ~』

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引き続きお楽しみください。
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すると庭池の垣根を飛び越え、黒毛で覆われた大きい馬がりんたちの目の前に突如現れたのだった。


ヒヒーーーーーーン!!!!!


停止された馬の前足を宙でもがかせるほど強く引かれた手綱を持っているのは、第一連隊きっての特攻兵、クルスであった。

 

衛兵2『クルスさん><!!!』

りん『!!!!!』

クルス『・・・・やっぱりここか(゜Д゜)』

 

クルスは馬から颯爽と降りると、今まで第一連隊が追ってきた犯人らしき服をきているりんを見ている。

犯人がいつも着ている服の首から上は布で覆ってはいなく、いつも目にしている木こり師であることはすぐにわかったのだった。

 

クルス『・・・おまえ・・木こり師の・・・りんか(゜Д゜)?おまえが犯人だったのか?』

衛兵2『クルスさん!!りんさんは・・りんさんは悪い人じゃないんです><!!』

りん『・・・・・・。』

クルス『わかってらぁ(゜Д゜)心配するな・・・・俺の敵は・・』

 

そういうとクルスはゆっくりと剣を腰から抜き、ジャッカルの方へ振り返って言った。

 

クルス『・・・・・おまえだジャッカル(゜Д゜)』


第壱百四拾壱話

2009-01-07 | 本編
衛兵2は岩場を降りると、建物やその残骸などからの火の熱気が
行く手を阻むように露出した顔肌に伝わっている。


衛兵2『・・あつ><!!・・・ぼ・・ぼくも・・・ぼくも戦うぞ・・』


武者震いからの足の震えが止まらなくよろよろとした覚束ない足取り。
半壊した建物の残骸や山になった手下たちを避けながら進んでいくとりんの姿が見えてきた。


王様側近のSPとして普段は戦争への出兵はしていなく、
訓練には参加はすれど実戦形式の戦闘経験はなかった衛兵2は、
元来の気の弱さからここぞというときに足がすくんでしまっている。



衛兵2『・・・ぁ・・足に力が・・入らない・・ぅ・・ぅぅ・・・><』



思うように前に足が出せない意気地のなさが歯痒く、
りんの強さから自分がいくこともないであろうという甘い考えが生まれるほど衛兵2は命を賭ける戦闘に恐怖を、自身の気の弱さや震えが止まらない足に不甲斐なさを感じ続けているのだった。




衛兵2『・・なんで・・なんでぼくは><』




溜まり始めた悔し涙に邪魔された衛兵2の視界にのっそりと青銅の鎧を着た大柄な男とりんが向き合っている姿が入ってきている。





りん『・・・この顔の面影で気づくことはないかしら?』

ジャッカル『・・・知るかぁ~覚悟しろ~くそが~』


その独特なジャッカルのイントネーションは忘れることはできなく、
りんは沸々と当時の怒りや悲しみが鮮明に思い出されてきている。



りん『・・・・この斧にも?』

ジャッカル『・・・フ・・ガキがいたのか・・・』



りんは左手に持った弦と弓大筒も投げ捨て、
父が持っていたその斧で終止符を打とうと構えている。



りん『・・・・・。』


ジャッカル『・・・おもしれぇ・・この鎖鎌はなぁ~・・おまえの家族を殺した鎌だぁ~クックックッ』



りん『うわぁぁあああぁぁぁ!!!』



ジャキーン!!!



ジャッカルはりんの早い初段の攻撃を鎖で受けると、右手の持つ鎌をりんの左肩
めがけて振り下ろし、それを見切ったりんはしゃがみ避けながら左回転でジャッカルの左腿に重傷を負わせた。


ジャッカル『うぉぉおおおおおおおお!!!』


今までにない雄たけびをジャッカルは上げ距離を必死にとっている。


ジャッカル『・・・・くそが・・・』


すると衛兵2がヨロヨロとした足取りで出てくるのだった。


衛兵2『ぼぼぼぼぼぼぼb・・・・ぼくも><!!ぼくも戦う!!』

りん『・・な!!』


勢いのみで出てきていた衛兵2は、弱々しく震えながら槍を構え、
そこから前へ進むことができていない。





衛兵2『・・・・・・・><』


ジャッカル『ふははははっ頼もしい助っ人がきたなぁ~』


りん『逃げて!!!』


ジャッカルは傷を負い汗が止まらない顔をにやけさせ、
右手の鎖鎌を再度握り締めている。



ジャッカル『こうすると・・・どうなる?』


りん『!!!!』



蛇に睨まれた蛙のように動けない衛兵2にジャッカルは急接近し、懇親の攻撃が衛兵2に向けられてしまっていた。


ジャッカル『うぉぉぉおおおおおぉぉぉ!!!!』

衛兵2『ひぃぃっ><』



グサッ!!!!!



・・・・・


・・






攻撃を受けたのは、かばうように衛兵2の目の前にたち塞がったりんであった。

そのジャッカルの右手をもちながら防御をしていたが、
鎌は長くりんの左肩に深く刃がめり込んでいる。


りん『・・う・・・』

衛兵2『り・・・りんさん><!!!!』

第壱百四拾話

2009-01-02 | 本編


      ~22日 酉の刻~


りんが出撃した同時刻、トカマクら第一師団はファンブルグ中央通りを出発し、東西南北各方面に別れ、捕獲捜索を続けて1時間が経過していた。

町には歩く際の鎧の留め金の音や馬の歩く足音が師走の夜に鳴り響き、多量な兵員の第一師団の熱気から町はやや暖かく感じられる。


トカマクから徐々に距離を置くように馬の速度を緩めていたクルスとアメルふたりは抜け出すタイミングを計っていた。


クルス『・・・そろそろじゃないか(゜Д゜)?』

アメル『・・だね・・・じゃぁ行ってくるね・w・』

 

アメルはトカマクに見つからないようアメル担当指揮の小隊をクルスの小隊へ強引に合体させ、一人ジャッカル団の犯罪証拠である収入源の残りの調査に出かけていくのだった。


クルス『・・・アメル・・・頼んだぞ(゜Д゜)』

 

クルスはトカマクにばれないよう自身の担当する隊員でアメルの行く方角を隠すように配置させ、その背を見送っている。

 

すると・・

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より詳細な世界観を味わって頂けると思います。別タブで開いて引き続きお楽しみ下さい。
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元々西方面にあたっていた第一師団第一連隊は、南の方角から強い光を放っていることに気づくのだった。

そして間髪入れずに、爆発音が聞こえてきている。


ドドーーーーーーーーーーーーン!!!!
ドドーーーーーーーーン!!!!!!
ドドドーーーーン!!!!


光は音より早く人間の五感に感知させることができる。
爆発地点から距離が遠い程その時差は長く生まれ、光のあと遅れて音が響いてきていた。


トカマク『!!!!!』

クルス『・・・・これは(゜Д゜)』

 

その時差や遠目から見る火の気から規模の大きさは、エステンブルグからの攻撃と思わせる程大きい爆発だと予想できた。


トカマク『・・・南町の中心??エステンブルグじゃないわね!!』

クルス『(・・・もしや・・あの方角・・・・)』

トカマク『クルス!!あなた先に様子みてこれる!?一応私たちはこのまま捜索続けるわ!すぐにそっちにも着くと思うから』

クルス『あいよ(゜Д゜)任せとけ!』

 

ドドーーーーーーーーーーン

 

離れたその距離からは種類の違った爆発音が続いており、その釣られているらしき
爆発音は建物の延焼を物語っている。


疑いはあるべき姿へ、そして歪んだ真実に光を灯すことはできるのだろうか。
立ち上る黒煙へ向けクルスの馬は走り出した。