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眩しい太陽・・美しい月・・そして世の中所詮金でちゅ

伝説の獅子たちが活躍する笑い泣き感動ありのアクションストーリー (c)2008hiyoko.現在原画製作中!

第壱百四拾九話

2009-01-22 | ~回想の章(オムー編)~



       ~回想の章(オムー編)~


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第壱百四拾九話の推奨BGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=ZONAy4D7Vys
ctrlキーとクリックで別タブが開くと思います。
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***『・・・そこから動くんじゃないぞ・・・・。』

**『はぃ』

 


***『今から五つ数えるんだ・・・・その間は目を瞑って耳を塞いで・・・。』

**『は・・・はぃ・・・。』

 

少女は言われたとおり両手で耳を塞ぎ、かたく目を瞑った。

 


・・・・・・・・・

 

 

・・・・・

 

・・

 

 

**『いち・・・・』

 

荒々しい踏み込みが地面の砂利を後ろへ押し蹴られた音が鳴った。

 

ジャッ!!!

『どっしゃぁぁぁあぁあああぁぁぁぁ!!!』

 

男は状態を後ろへ反らし寸でで敵の剣を交わし、同時に左膝を敵の溝落ちに見舞うと敵は焦点の合わなくなった目を見開き、よだれを垂らし固まっている。

 

ドスッ!!

『・・・・か・・・k・・・。』

 

 

**『に・・・・・』

 


そして後ろから迫ってきた次なる敵に瞬時に距離を詰め、右手にて喉仏へ攻撃すると同時に左手でその敵の剣を持つ拳を制御し、そのまま3人目の敵の腹へその剣を
無造作に刺し込み、

 

ガッ!!!ガシッ!!!

『がふっ!!!!』

グサッ!!

『・・・ぐ・・・。』

**『さん・・・・・』

 

力なく落としそうになっている剣を逆手で奪いつつ、重なるように制空権を脅かしてきたさらなる4人目の敵の金的への蹴り上げを命中させ、

 

ドッ!!!

『・・・・・・。』

**『よん・・・・』

 


奪った剣で5人目の敵の振り払い攻撃を受け、頭突きで敵の鼻柱への打撃を放った。

 

カキーーン!!!

ズガッ!!!!!

『・・がはっ!!』

 


すると、今まで瞬時の攻撃で固まっていた五人の敵は、一斉に地面に崩れ落ちるのだった。


バタッバタッドタッ バタンッバタッ!!!

 

**『ご・・・・・』

 

 


雑草が膝下あたりまで生い茂り、その草たちは北風の方向を綺麗に指し示している。いつも以上に折れ曲がったくの字を作るその草々は強い風を物語っていた。


ファンブルグ城郊外にある人里離れた平地。
昼すぎの時間とはいえ、分厚い雲が日光を遮り、風と共に気温を奪っている。


その人気のない道に、少女を守るように在り立つ一人の男。

 

**『・・・ぁ・・・・ぁぁ・・・』


思いがけない事柄に言葉を失っている少女を残し、
何も言わずにその男はその場から立ち去ってしまっていた。

 

**『・・・ぁ・・ぁ・・助けて頂き、ありがとうございました!!』

 


やや離れたところまで歩いていってしまっている男はその声が聞こえたのか、照れるように頭を掻いている。

 

**『・・・ぉ・・お礼を!!!』

 

まったく緩めることのないその男の足をみた少女はすぐに言い換えた。

 

**『・・・・せ・・せめてお名前を!!!』

 

かなり離れてしまったその男は背中を向けたまま右手を高く上げ振っている。

 

***『・・名乗るほどの者じゃないからいいぉ・・・一人歩きは気をつけるんだぉ・・。』

 

 

物騒な出で立ちで雑草にへたばり倒れた男5人の横に立つ少女は、見えなくなるまでその男の背中を見送っている。