雲が大きな太陽を隠しては見させ、夏も終わりかけた昼下がり。王様から呼ばれ、図書室に併設された書斎にやや足早に向かうりん。石造りのその廊下とりんのブーツの足音は、豪華な絨毯にて和らげられている。
コッコッコッコッ
城が盆地にあることも手伝い、天井と胸あたりまである横壁の間から来る風はやや強めだ。壁には円柱の石塔が等間隔に並び、その間からはファブルグ町が一望できる。心地よい風を受け、町を見渡しながらりんは呟いた。
りん『なんだろ・・。王様からのお呼びって久しぶりね。』
書斎前につくと衛兵1がかかとを音を立てて合わせ、きびきびと敬礼をした。
カッ!!!!
衛兵1『ご苦労様ですー。-ゝ!!!』
りん『おつとめご苦労さまです(*´▽`*)入ります』
衛兵1『どうぞ!今王様が図書閲覧中であります。』
衛兵の敬礼に足を合わせ挨拶をしたりんは分厚めのドアを遠慮がちにノックした。
コンコンッ!!
『むほ?りんか!?よいぞ!!!』
部屋の中から王様の返事が聞こえたのを確認し、ドアを開くと独特の旧い書物の臭いが鼻につく。
りん『あ・・この香り久しぶり^^』
木製の机や椅子、無数に並んだ本棚のの奥で王様とトカモクが書斎机にて何やら話をしているのが見えた。否応なしに目に入る本棚に置かれている本のタイトルを横目でみつつ、歩を進めるりん。毎度おなじみ、回復治療関連の本の隙間に紛れている卑猥な本をりんは思い出した。
りん『・・・そういえばなんかあったな・・』
<カボチャアイスの作り方>(貸し出し中)
<これはうまい! カステラケーキの本当の作り方 >
<HP回復薬Ⅳの作り方>
<団地妻 ザ・テクニシャン>
<週刊えびちゅ(返品しました 絶版)>
りん『うわぁ・・やっぱりあった・・』
王様『おーωーきたか、ほれ!ちこうよれ!』
りん『ぁっはいっすいません(*´▽`*)』
我に帰ったりんは、止まった足を再び動き始め、王様とトカモクのいる机にようやくたどり着いた。
トカモク『どうしたの?顔火照ってるけど』
りん『ぇ・・ぁ・・そ・・・そそ・そうですか?』
王様『さっそく本題に入ろうーωー』
その時。子供の喜び叫ぶ声が書斎まで響いてきた。
ワーーーキャーーーーー!!!!
書斎の窓からは城の庭が見える。
王様はすっくと立ち上がり、その窓を見るように近寄り言った。
王様『本当にわしは幸せじゃーωー』
再び子供の笑う明るい声が窓から聞こえてくる。
キャハハハハハ!!!
王様は庭で遊ぶ子供らに目を向けているのか、背後から視線を落としている姿をりんは見て取れた。そして王様はトカモクやりん達をその場所へ来るよう手招いた。
庭先が見える窓からりんは下へ目をやると、それはいつも見る仲間たちが遊ぶ姿であった。hananaやボルケノゴーレムを中心に、クルスやオムーにアメル、エビちゅもいる。顔を口ばかりにするその皆の笑顔はついこちらも笑ってしまうほどに無邪気だ。
王様『単刀直入に言おうーωー今トカモクと話していたのじゃよ。獅子と呼ばれる強い者たちがたくさんこの国にいるようになったーωーお主を含め、アメル、クルス、オムー、エビちゅ、hananaじゃーωー』
りん『はい』
王様『直近の衛兵部隊を作りたいのじゃーωーそこでじゃ、獅子と呼ばれる者達をまとめ上げ指揮するものがいると思うてのぉ』
りん『ぇ・・・それが・まさか私にとでもお言いになるつもりですか!?』
王様『あぁそうじゃーωー頼まれてくれるな?』
りん『無理です><』
りんの頭には経験も指揮権も上回るトカモクがなぜならないのか疑問に思い、視線をぶつると、トカモクはその視線を優しい眼差しで首を横に振った。
トカモク『あなたしかいないわ^^』
直近部隊の指揮という重い責任。りんは返事に困った。しかしそんな悩みなど露知らず。下の庭にて他の皆は楽しそうに遊んでいるのがりんの目に入る。
先日の大会にて負傷した際の包帯を巻いているオムーはhananaに何か喋っている。
オムー『はなたん=ω=.次は何して遊ぼうか?』
hanana『うんとね(^0^)うんとねっうんとねっ』
アメル『なんでもいんだょ(´w` )』
hanana『ボルケノさん何がいい(^0^)?』
ボルケノ『ガガッグ!!!』
hanana『わかった(^0^)ノ!!かくれんぼするぅ!!』
エビちゅ『もっと気品のある遊びにしたいところでちゅが致し方ないでちゅね( ̄ω ̄ )』
クルス『そんなガキの遊びに俺は付き合わんといけないのか・・(゜Д゜;)』
ニコシア『もしかして・・わしもするのか・・(`ω´.;)この歳で・・』
オムーと同じように包帯を巻いたクルスは面倒臭そうに言い始めると、hananaが被せるように言った。
hanana『じゃあクルスさん鬼ぃ~(^0^)ノ!?』
クルス『なぜそうなるw一番面倒臭い役じゃねぇかw』
アメル『まぁまぁ(´w`=)きっと一番鬼みたいだからだよ』
クルス『なんかいったかアメル(゜Д゜)』
アメル『さぁみんな隠れよーぅ(´w`=)ノ』
ボルケノ『グワンゴォーーー!!!!』
hanana『エビちゅ一緒に隠れよう(^0^)ノ!!あの木の上とかいこうよう!』
エビちゅ『声大きいのでばればれでちゅ( ̄ω ̄ )』
オムー『よぉーしっ=ω=.俺隠れるのは得意だぉ』
ニコシア『したらばわしも本気出して隠れるとするか(`ω´.;)』
仲間を思い、統率し、皆の命や王様をお守りする最終決定をするのは自らが一番よいのかもしれない。そうりんは思うのに時間はいらなかった。
りん『・・・・わたししか・・いない?』
王様『決定じゃーωー』
トカモク『アメル救出の際の指揮には才能を感じたわ。あなたしかいないわ。』
りん『は・・・はぃ・・』
王様『ほれあれを見てみぃーωー』
王様はhananaを見るようりんに促した。
そこには無邪気に皆と遊ぶhananaの姿が見える。
hanana『どこ隠れよっかな(^0^)ノ』
王様『あんなに小さな子まで伝説の獅子として力を持つようになったーωーおみゃーのようなしっかりとした者が今必要なのじゃ』
りん『・・・・わかりました。わたしがみんなを指揮隊長として務めさせて頂きます。』
トカマク『頼むわ^^』
王様『あの少女が来てから・・我々も変わった気がするのぉ^ω^』
りん『変わった?』
王様『安らいでいるといったら正しいのか・・・さすが伝説の回復魔術師じゃな^ω^』
再びhananaたちの笑う声が聞こえ、それに目をやる王様たち。
hanana『きゃはははははははっ(≧∇≦)ノ彡ボルケノさんまたなんか壊したぁ~w』
庭先に目をやれば、ボルケノゴーレムが隠れようと必死に地面を掘り起こしているのだが、その場所は王様の盆栽を育てている土地。次々と策を壊し、地面を掘っている。
バキッ!!ボコッ!!
立派な盆栽や植木が勢い良く宙に舞い、真っ白な庭のテラスが泥だらけになっている。
ボルケノ『グンフッ!!!グンフッ!!!』
エビちゅ『王ちゃまの城でちゅ( ̄ω ̄ )好きにするといいでちゅ』
アメル『なにやってんだw』
オムー『またかぉww』
クルス『ww』
ニコシア『わしはみてない・・わしはみてないぞ(`ω´.;)』
hanana『きゃはははははははっ(≧∇≦)ノ彡もう駄目だよぅ~また怒られるよぉ~w』
勢い良く窓を開け、王様は書斎から叫んだ。
王様『てめぇらまたかこんにゃろ(▼Д▼♯)柱に引き続き盆栽畑まで壊しやがってぇ~!!』
トカモク『・・コホン。』
りん『全然安らいでない気が・・・。』
トカモク『血圧の薬が最近増えたわ^^』
王様『ぜぇ・・はぁ・・・ぜぇ・・(▼Д▼♯)』
りんの視線を感じた王様は咳払いをし服を整えていたが、上下に動く肩は隠せていない。
王様『ま・・・まぁ多少問題はあるようじゃが(ーωー;)いずれにしても、奴らはこの城を守ってくれる。その統率ができるのは同じ伝説の獅子であるりんしかいないのじゃ。』
ビキッ!バキバキバキバキッ!!
突如何かが割れるような音と共に、勢いよく水が吹き出る音が聞こえてくるのだった。
ジャッジャジャァ~!!!!!!!
外を見れば、地面したにある水道管が壊され、人が乗れる程に大量の水が勢いよく吹き出していた。
hanana『きゃはははははははっ(≧∇≦)ノ彡もう駄目だよぅ~また怒られるよぉ~w』
ボルケノ『グフッ?』
アメル『噴水だ(´w`=)』
ニコシア『・・・・・(°ω°.;)』
エビちゅ『夏に水浴びは気持ちいいでちゅね( ̄ω ̄ )』
オムー『今度はなんだww』
クルス『ww』
王様『てめぇら出入り禁止にするぞ(▼Д▼♯)城がいくつあっても足らんわ~!!』
りん『守っているというより・・・むしろお城を壊してる気が・・・。』
トカモク『血圧の薬がまた増えそうね^^』
王様『ぜぇ・・はぁ・・・ぜぇ・・(▼Д▼♯)』
底抜け騒ぎをしている彼らの空では巨大な入道雲がゆっくりと動き、隣にある眩しい太陽と庭先にできた噴水は彼らに大きな虹をプレゼントしていた。
りん『ぁ・・・虹だ・・きれい・・』
アメル『あらきれい(´w`=)』
オムー『すげぇ=ω=.』
hanana『うわぁ(≧∇≦)ノ彡きれいでしっ』
エビちゅ『いい演出でちゅ( ̄ω ̄ )マネージャー』
クルス『きれいだな(゜Д゜)』
トカモク『粋なことするじゃない^^』
ニコシア『ふ・・・風流じゃな(`ω´.;)』
暖かい日差しと共に七色の光がテラスと空を見上げた皆を彩っていた。
またもファブルグ国に誕生した伝説の獅子。彼らの行く末はこの空のように明るいはずだ。
ボルケノ『グンフッ!グンフッ!』
hanana『ボルケノさ~ん待ってぇ~!!(≧∇≦)ノ彡きゃはははははっ』
~ 回想の章(hanana編) 完 ~