goo blog サービス終了のお知らせ 

眩しい太陽・・美しい月・・そして世の中所詮金でちゅ

伝説の獅子たちが活躍する笑い泣き感動ありのアクションストーリー (c)2008hiyoko.現在原画製作中!

第壱百弐拾五話

2008-11-20 | 本編
同一犯行と見られる事件が数限りなく起きてはいたが、全く捕まらないのは
自警団や軍のエリート小隊である第一連隊の面子にも関係していた。

トカマクが考えていたのは第一発見者の合図で一気に囲い込み、
その場から逃げられないよう円陣形で包み込む作戦。

第一連隊のプライドを賭けたこの戦略の第一発見者は誰が選ばれることになるのだろうか。



もうすぐ夜明け間近。東の雲は若干赤色に明るんできている。
風も冷たく、トカマクらの疲労もピークに達していた。



トカマク『(・・・あと少し・・あと少しで町の際に・・もう少しで出てくるはず・・)』



精鋭小隊に自警団も加わることで町の端から端までゆっくりと穴のない捜索が行われており、
着実に追い詰めている。




クルス『(・・・でてきやがれ・・・(゜Д゜)』



衛兵1『(・・もし私が見つけたらすぐ叫ぼう・・・一人じゃ絶対勝てないーー;)』




各々が家の間の一本道をゆっくりと進み、どこかに潜んでいないか左右を見回している。
朝になろうとしているその町は捜索隊以外誰も起きてはおらず、家の明かりも消え、
ただ馬の歩く足音が響いているだけであった。



アメル『うぅ・・・>w<暗いしさぶいし最悪だぁ・・・』




衛兵2『(あと少しで町の際かなぁ・・このまま出てこなかったりして・・
だとしたら本当にすごいよなぁ・・)』



すると、衛兵2に信じられない光景が目に入ってくるのだった。


家と家に挟まれた一本道。
どこからきたのか、憧れの人が突如目の前に現れている。


衛兵2『・・・・・え!?・・・・・り・・・・りんさん!!!!』


りん『ぁ・・おはよう^^衛兵2さん』



大して驚く様子もなく、りんは平然と挨拶している。
衛兵2にとっては、まさかこの場所で会うとは思ってもいなく、
全く予想にしていなかった為、驚きを隠せていない。



衛兵2『・・・ぇ・・・ぁ・・・ぉは・・ぉはようございますっ!!』

りん『こんな朝早く何してるの?』


その風貌はたとえ夜でもいつもと変わりが無く美しい。
体のラインを自然と浮き立たせているその水色のカジュアルウェアは溜息がでるほど
綺麗に着こなしている。



衛兵2『・・ぁ・・ぇっと・今・・連続犯人を捜索しているんです。
ぇっと・・・・りんさんは?』

りん『わたしは早朝散歩だよ^^家がここから近いから』

衛兵2『あ!いいですねっ!!ウォーキングなんですね^^ははっ!』



衛兵2は会えた嬉しさと驚きでやや混乱したまま返事をしている。



衛兵2『・・じゃなかった!!!今この辺歩いていると危ないです!!
犯人がうろついているかもしれないんですよっ><!!』

りん『え!?・・そうなんだ・・どうしよ・・・そろそろ帰った方がいいかな・・』

衛兵2『そうですね!そっちの僕が歩いてきた方面は捜索済みです。
気をつけて帰ってください><!!』

りん『うん^^ありがとう。頑張って下さい。』

衛兵2『はは^^ゝ任して下さい』


衛兵2は、りんが見えなくなるまでその後姿を見続けている。

帰り道が心配であった事と目に焼き付けたい程見とれてしまう事が加わり、
より一層りんへ向けられた視線をはずす事はできなかった。

まさかの運命的な仕事場以外での出会いに衛兵2は嬉しくてたまらなく、
りんが見えなくなるまで衛兵2はずっと見送っている。


衛兵2『(・・りんさんにこんなに朝早くこんな場所で出会えるなんて^^
ついてるなぁ・・ぼくは・・)』




暫くすると、綺麗な朝焼けが顔を出してきている。
太陽光が地球大気で散乱することにより発生するこの現象は夕焼けと同じ原理だ。

若干夕焼けより朝焼けのほうが赤みが弱いのは,チリが夕方のほうが多いためらしい。
その日の朝焼けの赤みは弱く、トカマクらの目に映っていた。



砂漠を一望できるその場所の町の最西端で小隊や自警団らは集まっている。



トカマク『・・・・みんな異常はなかったの!?』


クルス『うちの班の奴らは誰もみてないらしいな(゜Д゜)』

アメル『うちの班も何も発見できなかったそうです・w・;』

衛兵1『うちの班もです・・』

衛兵2『うちの班も誰もみていないそうです・・』



夜明けと共に最果ての場所まで到着した精鋭小隊や自警団たちは、
とうとう最後まで犯人らしき人物を発見することはできなかった。


トカマク『・・・これは一体・・どういうことなの・・』

第壱百弐拾四話

2008-11-19 | 本編
アメルや衛兵たち精鋭小隊も橋のふもとまでやっと辿り着いたようだ。



犯人と思われる者が射った矢は200m近く遠い標的にも関わらず、放物線にもならずにまっすぐと勢いよく飛び、寸分の狂いも無く綱を切断している。


ビッ  ビッ    ビッ     ビッ



アメル『・・・・すごぃ・・』

衛兵2『橋が崩れる!!トカマク様とクルス様が危ない><!!』



木と繋がれている吊橋を支える為の綱は見事に切られ、橋の足場となっている一枚一枚の敷かれている板をすり抜けるようにその綱は徐々に解けて抜けていっていた。

トカマクは見上げながら呆気に取られてみている。



トカマク『・・今・・命中・・・・・したの・・・・?』

クルス『・・く・・何ボケっとしてやがるっ!!トカマク下がれぇ~!!!!!』

トカマク『!?』


足場の板は綱の支えがなくなればあとは谷底の川まで落ちるのみ。
その橋は片側から音を立てて崩れ始めている。


ガラ・・・ガラガラ・・・・


クルス『駄目だ!!間に合わねぇ!!!ぅぉおおおぉぉぉ(゜Д゜)!!!!』



クルスは体当たりでトカマクを元いた陸まで突き飛ばし、馬ごと転がるように陸に飛び戻ると、ちょうどその瞬間、橋は一気に崩れ落ち川谷に落ちていった。



ガラガラガラガラガラガラッ!!!

バシャバシャッバシャバシャッ!!!!



吊橋は崖にもたれ掛かった半分のみを残し、残りは残骸となり全て川へと流れている。するとそのさまを見ていた犯人らしき人物は橋が崩れて追っ手が渡れなくなったのを確認し、また逃げてしまっていた。



衛兵2『あっ!逃げてるっ!』

クルス『・・・・・・大丈夫か?トカマク(゜Д゜;)』

トカマク『・・・ありがとう・・・奴は・・一体何者・・?』



落馬するほど勢いよく陸に飛び乗ったが、二人に怪我はない。
クルスの手を借り、犯人の後姿を見ながら土ぼこりのついた服のままトカマクは立ち上がった。

すると衛兵やアメルたちもクルスとトカマクが転がり戻った場所へ集まってきている。




衛兵2『大丈夫ですか!?トカマク様!!』

トカマク『わたしの心配より他の橋を探して!!!』

衛兵1『はっ!!!』

トカマク『向こう岸の町はそう大きくはないわ!こうなったら迂回して追い詰めるわよ!!』

クルス『人海戦術か(゜Д゜)』


橋を渡ればその向こう岸の大陸は同じ居住区が拡がってはいたが、大きな砂漠に面していた為、逃走の範囲も予測がついていた。





暫くして、トカマクらは橋を迂回して岸に着いた。
可能性が残っていれば決して諦めることのないトカマク率いる精鋭小隊は、
向かいの岸に辿り着いても捜索の手は緩めることなく続行されている。



トカマク『横幅15m感覚!!!何かあったら呼ぶのよ!!!』

衛兵2『はっ!!』

アメル『はぃ・w・ゝ!!』

衛兵1『はっ!!!』

クルス『ぁいよ(゜Д゜)ゝ』



精鋭小隊は横一線に並び、その町をふるいにかけるように犯人を徐々に追い詰めて捜していく。
このまま行けば朝までには、精鋭小隊は町の際に着き、砂漠を一望できる場所にまで行ける計算であった。


少なくともそれまでには犯人と出くわすとトカマクらは睨んでいた。
15mの横幅の間隔を保ちつつ、一同の士気はまだ落ちてはいない。



トカマク『この向こうに必ずいるはずよ!!みんな気を引き締めて!』



町並みはほぼ格子状に縦に家々が並んでおり、その列をなしている路地を挟むように配置され、各隊員が捜索にあたっている。
隊員たちはお互い見える位置にいない為、時折声で確認をし合っていた。


クルス『アメル!!そっちは今のところ異常なしか(゜Д゜)?』


アメル『・・う・・・・うん!!今のところ大丈夫!!

(・・私のとこに現れませんように・・・ドキドキ)・w・;』


トカマク『(・・・あの矢の勢い・・普通じゃなかったわ・・一体・・・)』



犯人逮捕の時が刻々とせまっている。

第壱百弐拾参話

2008-11-17 | 本編
<第壱百弐拾参話の推奨BGMは前回の続きの曲をそのまま聞いて頂くと合うかもです。>




トカマクもその視線に沿ってゆっくりと目標物へ焦点を合わせた。
しかしいたって普通の町並みが広がっている。

トカマク『・・・いないわよ・・・どこ!?』

クルス『・・・・・。』

トカマクは何度もクルスの視線の向いている方向を確認したが見えない。
クルスは視線の先を変えずに、顎で静かにもう一回みてみろとトカマクに示した。


トカマク『・・・・・。』


まだ点いている家々の明かりのみで足元を照らされているだけの暗がりの中よく見れば、屋根や壁などの煉瓦の赤茶色に合わせて染色された服を着込み、見事に保護色として景色に溶け込んでいる者をトカマクも発見するのだった。


トカマク『・・・・みえる・・・みえるわ・・・』

クルス『・・すごいな・・・・・あれじゃ見つかるはずがない・・』



こちらの様子を伺っているかのように屋根の上に静かに立っており、周囲は暗く見え辛くはあったが、その風貌は目撃証言と一致している。
ローブを頭と顔に巻き、ファンブルグ製の布服を着用し、紐の革靴を履き、組み立て式であろう弦を背中に抱えていた。

しかしトカマクらに発見されたとに気づいたのだろうか、すぐ様また逃げ出し始めている。


トカマク『逃げたわ!!他を待ってられない!!追いましょう!!!』

クルス『おしっいくぞっ!!』



そしてまた静寂の夜に馬の足音を鳴り響かせ、二人だけの追跡が始まった。
狭い路地の障害物がある道を馬走しているとはいえ、その者の屋根伝いに渡って逃げているスピードはほぼ同等である。


クルス『(どういうことだ・・・すごいぞあいつ・・・ものすごい速さだ・・)』


トカマクやクルスはこれでもかと言うほど馬尻に鞭を与え、飛ぶように走っていたが、その者の屋根を伝う速さは尋常ではなかった。
クルスはそこに、人間力を超えた何かを感じざるを得なかった。



クルス『(半端ねぇ・・まさか・・・・同類・・か?)』


第六感としての予想がクルスの脳裏に過ぎっている。
アメルや自身に続く伝説の獅子の存在を少しずつクルスは感じ取っているのだった。


そうこうしている間に、あっという間にその者の姿が見えなくってしまっている。



トカマク『早いっ!!!見失ったわ!!!』

クルス『・・・・く・・・』


トカマクとクルスの目の前にはすでに大陸の最西端の川が現れ、その崖に落ちるか落ちないかぎりぎり手前で手綱を引き、二人は立ち止まり周囲を見回している。


トカマク『・・・・どこ!?』

クルス『あそこだ(゜Д゜)!!いたぞ!!もう向こう岸にいる!!!!』


その川谷を挟めば向こう側にも大陸があり、暗がりの中クルスが指差した向かい岸には、赤茶色にまとめられた布服をまとった犯人らしき人物が考えられない速さで逃げている。


トカマク『向こう岸に渡るには!?』

クルス『橋はあそこだ!!!』


クルスたちのいる場所からやや離れた場所に、陸と陸を結ぶ細い一本吊橋が見えている。


トカマク『渡るわよ!!!』

クルス『あいつなんて速さだ・・・』



すると向こう岸にいるその者は、橋からかなり離れた崖のふもとで逃げ足を止めてこちらを向き、思い立ったかのように弦を構えだしている。



クルス『弓を射る気だ!!!』

トカマク『構わない!!!押し通す!!!!!!』



トカマクとクルスは、狭い一本道の吊橋を勢いよくまた走り出した。
しかし、その者が自分達を狙っているわけではなく、どこか違う場所を標的に狙っていることにクルスは気づいたのだった。


クルス『ん?・・・どこを狙ってる?』


両岸にはそれぞれ樹齢数百年にもなるかなり大きな木がある。
その高さは100m近くあり、その大きな両側の二つの木から4本ずつ太い綱が伸び、支えられるようにその吊橋は建造されていた。


クルス『・・あそこだ・・・・奴はあそこを狙っている・・・トカマク!!橋を使ったら駄目だ!!渡りきる前に橋が壊されちまう(゜Д゜)!!奴は吊橋の支え綱を狙っている!!戻るぞ!!』



狭い一本道でその橋は作られている為、クルスがちょうどトカマクを塞き止める
ように立ち止まっている。



トカマク『何してるの!!止まらないで!!いくわよ!!あそこから的を捕らえるのは無理よ!!それに弓が届くはずないでしょ!!!』



矢が放たれようとしている場所からその大木から伸びている綱まで優に200mは離れていた。確かにトカマクの言っていることは間違ってはいなかった。ある例外を除けば。



クルス『ちがうんだ!!!おそらく・・・奴の矢は届く!!そして命中させるはずだ!』

トカマク『根拠は!!??』

クルス『・・・・俺を信じろ!!!届くのであればこの前の事件も説明がつく!!
・・・おそらく奴は・・・・』


とその時、二人の耳に勢いよく矢の飛ぶ音が響いた。

第壱百弐拾弐話

2008-11-15 | 本編


第壱百弐拾弐話の推奨BGMです。
http://jp.youtube.com/watch?v=Z3UOY3MbZIM
↑windowsであればctrlキーを押しながらクリックすると別タブが開けます☆ミ


静まり返っているはずの夜の城下に
50頭近くの小隊の騎馬の走る音がけたたましく鳴り響いている。


暫くすると、鐘の鳴った場所であろう家に自警団が数人いるのが見えてきた。


トカマク達に声が聞こえるであろうギリギリの距離でそこに待機していた自警団員が
叫んでいる。


自警団員『トカマク様ぁ~!!!!私たちが着いたときも既に家はやられたあとでしたっ!!我々は東地区を虱潰しにあたっておりますっ!』


トカマクは左腕をまっすぐ地面と平行に突き出し、後続小隊に左へ曲がる指示を出しながら速度を全く緩めることなく馬に揺られながら自警団とすれ違い様に返事をした。

 

トカマク『わかったわっ!!私たちは西地区へ行くと団長へ伝えて!!!!』


自警団員『かしこまりましたっ!!!!』

 


事件があって間もない為、まだ遠くへは逃げていないはずである。
自警団長率いるファンブルグ自警団は東地区をあたり、軍からの加勢であるトカマクらの精鋭小隊は西地区をあたることになった。

 

トカマク『小隊!!!左へぇ~~!!!!!』

衛兵1『小隊左へ続けぇ~!!!』

衛兵2『左だぁ~!!!!』


トカマク後続も西地区へ続いている。

城下町の狭い路地を爆走する騎馬団。
騎馬の体や足は幅の狭い小道に置いてある物や家材などにぶつかっては壊している。

しかし構うことなく小隊の馬走のスピードは緩めていない。


トカマク『はいどぉ~!!!!やぁ~!!!!』

クルス『アメルこっちだっ!!!』

アメル『うんっ>w<!!!!』

衛兵1『後続!!続けぇ~!!』

衛兵2『左だぁ~!!』

 

 

中でもトカマクとクルスの馬術は他の者に比べ卓越していた為、
若干後続と距離を置くようになってきていた。


トカマク『屋根を伝って逃げているはずよ!!クルスの班は右側の屋根の上を見て!!! 』

クルス『あぃよ(゜Д゜)!!!』

トカマク『アメルの班は左側よ!!』

アメル『はぃ!!!(トカマク様とクルスくん早い~>w<!!!)』

 

狭い道でスピードを維持しつつ余所見をすればすぐに馬ごと倒れてしまう危険性が
高い。馬術はある程度早めに指示を出さなければすぐに曲がることはできず、
慣れていないアメルは、前をみて方向指示を与えては屋根の上を確認し障害物を
よけていた為、否応なしにトカマクらからは離れていってしまっている。


アメルだけでなく他の者も同様であった。
相当な馬術を要求されていた為、捜索を続けていくうちに徐々に小隊が縦長に
離れてしまっていた。

 

暫くするとトカマクとクルス二人だけが、かなり後続を離してしまっている。

 

クルス『まずいっ!!トカマク!!班から離れてしまっている!穴があいちまってるぞ(゜Д゜)!!!!』

トカマク『・・・・く・』


トカマクとクルスは馬が後方に倒れそうになるほど勢いよく手綱を引いて停止した。
馬は急停止の為の手綱の引きによって前足で宙をもがきながら声をあげている。


ヒヒーーーーーーン!!!!

ヒヒヒーーーーーーーーーーン!!!

 

命令指揮が届く範囲に最低でも距離を保ち、捜索を開始しようと
トカマクとクルスは一旦距離を縮めるよう待つことにしたのだった。

 

トカマク『相手は足だからそう遠くにはいけないでしょう・・少し隊列を戻してから出発しましょう・・。』

クルス『・・・・だな(゜Д゜)』

トカマクとクルスが後続を待っているその場所は城下の居住区。
植物が少ない為、虫の鳴き声などもほとんど聞こえてこない。

今まで耳に入っていた馬の足音が止めば、そこは耳鳴りがするほど
すっかり無音に等しく、トカマクとクルスの息遣いが聞こえるのみの静かな夜が
感じられる場所であった。

 

トカマク『・・・・まだかしら・・』

トカマクはやや苛立ちを覚えながら後続が早く来ないか後ろを何度もみている。

 

すると、荒い息が納まりかけてきたクルスの目に何かが映りこみ、
前方のその一点を見つめながらトカマクに小声で言った。


クルス『・・・・・・トカマク・・立ち止まって正解だったかもしれんぞ・・・』

トカマク『?』


トカマクも息を整え、表情を伺うようにクルスの顔を見ると、
その視線の先に何かがあると言わんばかりにある一点をクルスは凝視していた。


クルス『・・・・・いたぞ・・・』

トカマク『!?』


第壱百弐拾壱話

2008-11-13 | 本編
冬も近づき、夜の風が冷たく感じられてきている。
夜中24時近ければ家の暖炉を囲み休むのが、この季節のファンブルグの民の一般的な過ごし方である。


しかし、自警団はそうもいっていられなく、巡回が最近の業務日課。
特に最近になって続く未解決事件の為、合戦のない日は第一連隊第一小隊もいつでも犯人捕獲に加勢できるように、50名程の人数を集め、ファンブルグ城の脇にある待機所にて休んでいる。


待機所といっても暫定的に作られたような場所であり、椅子やテーブルは即興で組み立てられたもので暖炉などなく、焚き火をして冷えに対処しているのみであった。


木や落ち葉が焼けている上には夜食の飯ごうが炊かれている。
飯ごうの炊けている音と木の焼ける音は、より一層暖かさを感じさせてくれていた。


パチッ・・・パチッ・・・・・バチッ

グツグツグツグツ・・・・・・



アメル『うぅ~さぶぃ>w<』

クルス『・・もうできたか(゜Д゜)?』

トカマク『強火が終わったらとろ火で10分、蒸らしで10分。もう少しよ。』

クルス『腹減ったぞ・・・(゜Д゜)』



いつでも駆けつけれるように、皆兜以外の鎧などは全て着込んでいる。
鎧の上にも羽織などを各自、身にまとっていたが、焚き火近くにいたとしても隙間風のくる待機所では冷えに対して万全とはいえない。

皆コーヒーなどを口にしながら膝を震わせてやり過ごしていた。


トカマク『・・炊けたわね。食べましょ^^』

クルス『おっしゃぁ~(゜Д゜)!!』


炊けたと同時に、焚き火に群がるように受け取りにきている小隊全員に、
トカマクは飯ごうメシを渡している。

東洋の国の梅干と三つ葉をのせただけの白メシでも、その時の冷えと空腹の腹には
今までに無いおいしさであると誰もが思えてしまう。


衛兵1『ふぅ~、ふぅ~ あつ・・・^^』

アメル『はふはふ・・・おいひ・w・』

衛兵2『おいしぃですね・・^^』

クルス『(ガツガツガツ)・・・うめー(゜Д゜)』

トカマク『全員受け取れたかな・・・・』


皆が受け取れたことを確認すると、トカマクも食べ始めるのだった。


自警団からの連絡は鐘の音になっており、モールス信号のように、幾つかの合図が決められている。敵襲の合図は、一回。今回の連続事件の発生は3回。



食べ初めてまもなく、遠くで鐘の音が微かに聞こえてきたのだった。




・・・・・・カラーーーーン・・・




トカマク『ん!?・・・・・今・・・』



トカマク『静かに!!!声を出さないで!!』

クルス『・・・・・・(゜Д゜)』

アメル『はぃ・w・;』

衛兵1『・・・・・・。』

衛兵2『・・・・・・・・。』



小隊一同が一斉に静まり、外の音に全神経を集中させている。




カーン  カーン  カラーーーーーーン



トカマク『・・・・・・三・・・・回・・?』

クルス『・・・・・・・。』

アメル『・・・・・・。』




カーン   カーン・・・・・カラーーーーーン



トカマク『きたわ!!!!』



トカマクは、まだ二口程しか食べれていない飯ごうや握っていた箸をところ構わず投げ捨て、兜を被った。


トカマク『事件発生!!!出支度よぉ~い!!!!!!!』


クルス『きたか・・・・今日こそは・・(゜Д゜)』

アメル『うぅ;w;ご飯まだちょっと残ってたのに・・・』


トカマクに習うように一同は食べかけの飯ごうを残したまま兜を被り、
鐘の鳴る方向へ精鋭小隊は出発したのだった。

第壱百拾九話

2008-11-11 | 本編

第壱百拾九話の推奨BGM
http://jp.youtube.com/watch?v=tm95hW8DmOY
↑ctrlキーを押しながらクリックすると別タブで開きます☆




ファンブルグ国では、流通量が最も多い木材は貴重な資源である。
お城の脇には広大な森林が広がっており、そこでは木こりたちがせっせと今日も伐採に汗を流していた。


その緑豊かな森林に沿うように造られたお城の庭には、真っ白なタイルが敷き詰められた屋根のない床が広がっており、庭園の景色を楽しめるその平坦な壇状部分には、新緑の背景が引き立て役となった純白の椅子とテーブルがいくつか並んでいる。

庭先に目をやれば、木こりたちの伐採の勇ましい音と共に、その仕事風景も目に入ってくる。



カーン!!!コーン!!!


カーン!!!コーン!!!

 

カーン!!コーン!!!

 

暖かい日差しの中、王様にとってのティータイム。
しかしそこは、時期政策案の捻出の場のひとつでもあった。

 

王様『・・・・う~む・・・どうするべきか・・・ーωー』

衛兵2『王様、紅茶が入りました。』

王様『・・うむ・・・・・ーωー』

 

王様の側近兵であり、身辺世話役でもある衛兵2は、慣れた手付きで真っ白なティーカップにアールグレイティーを注いでいる。


コポコポコポコポ・・・・


紅茶の香ばしい香りをもったその湯気とその注がれる音は、思案し悩む王様の心を落ち着かせる役割も果たしていた。

 

王様『おほ^ω^随分おいしそうじゃのぉ・・・これはうちで取れた葉か?』

コポコポコポコポ・・・・


衛兵2は、いつもこの王様のティータイムの時間を楽しみにしている。
その訳は至極単純なもので、ティータイムの際に見れる景色の中にあった。

それはひとりの女性木こり師。
伐採の勇ましい音とは不釣合いなその容姿端麗な姿が見れるティータイムを
衛兵2はいつも心待ちにしていたのだった。



カーン!!!コーン!!!


カーン!!コーン!!


カーン!!!コーン!!!



斧を振り下ろす度に揺れるそのプラチナブロンドの髪は、日差しに照らされ一際眩しく輝いている。

衛兵2『(うはぁ・・・・あの子何度見てもきれいな子だなぁ・・・)』

王様『それともウィルノア国からの贈り物か^ω^?』

 

衛兵2にとっては、このティータイムでの眺めは普段の過酷な稼業の中での唯一の楽しみと言っても過言ではなく、徐々にその心は恋へと形を変え、食べ物が喉に通らないほどの思いになってきていた。



王様『ん^ω^?』

衛兵2『(今度話しかけてみようかなぁ・・・でも付き合っている人いるだろうなぁ・・)』

 

コポコポコポ・・・・

 

衛兵2『(おにぎり作ってきたんですっ!!一緒に食べませんか!?なーんて*^^*』

 

 

 

王様『あちゃぁぁ(゜Д゜♯)!!』

 

 

あまりに見とれてしまい、衛兵2はティーカップに溢れるほど紅茶を注いでしまってい
た。

 

王様『なにしとんねん(゜Д゜♯)ノ!!』

衛兵2『も!!申し訳ありません><!!』


とそこへ、トカマクと衛兵1がテラスに顔をだした。


トカマク『王様。先日の事件での報告なんですが今よろしいでしょうか?』

王様『おぉそうかーωーよいぞ』


第壱百拾七話

2008-11-09 | 本編

王子『この揚げ餃子うまいのぉ^ω^』

オムー『最高だ=ω=.』

えびちゅ『ビールと合うでちゅ( ̄ω ̄ )ゲフッ』



ハプティがメインとして作った餃子は2種類。
パリパリとした触感が味わえる揚げ餃子とツルツルと口に入っていく水餃子。
既にえびちゅは、揚げ餃子を三皿、マイ中ジョッキ4本目を空けている。



メイド『・・えびちゅ今日は飲むわね・・・・』



パリッ  パリパリッ  グビッ グビッ  グビッ( ̄ω ̄ )ゲフッ



hanana『えびちゅ本当においしそうに飲むねぇ^0^お酒ってそんなにうまいの?』

えびちゅ『まだhanaには早いでちゅ( ̄ω ̄ )』

りん『こっちの水餃子もレモン汁かけるともっとおいしぃよ^^』

hanana『ねぇねぇ^0^今日ってりんさんのお話聞けるんでしょ!?』

りん『(ギクッ・・・順番的にいくとそうなるのかしら・・・^^;)』



りん『わたしは普通に入隊だったよ・・・・・多分・・・^^;』

王子『一人一人どういう馴れ初めであったかようわしは覚えとる^ω^決してドラマなしでは語れん話じゃ』

クルツ『りんさんの話もかなり楽しみ(゜Д゜)』






昨日から続いている昔の馴れ初め話。
食事のおかずになっているその昔話は、一同の楽しみのひとつになっていた。




オムー『俺が入隊する前の話か・・=ω=.』

さっちゃん『どんな人だったんだろう・・・りんさん・・』

王子『どれ・・・・今日はわしはもう食べ終わったので早速始めるかのぉ・・・・・・夕食のBGMとして聞いてるのじゃ^ω^』




王子はフォークを置き、首にかけていたナプキンで口を拭くと、そのまま両手をテーブルに置いたまま目を瞑った。

考え込むように眉間にしわを寄せ、話す順番の組み立てをしているようだ。



暫くすると、ゆっくりと目を開け、目の前にあったキャンドルの火を見つめながら話を始めたのだった。






王子『あれは・・・・・クルスが第一連隊に二度目の入隊をしてから間もなくじゃったかのぉ・・・・』




   ~次回 回想の章(りん編)~

第壱百拾六話

2008-11-07 | 本編
ファンダシム大陸まで予定ではあと数週間。

一日中航海を続けていても、360度みえるその水平線は全く変わりない。

唯一時間の経過を感じさせてくれる上下二つの太陽は、
日没を間近に徐々に距離を縮めていた。


夜勤後に床に就いていたオムーと王子、透たちは起きだしている。
彼らにとっては夕食になる朝食は間もなくだ。



甲板の船横のへりに座っていた王子にメイドが近づき何やら話しかけている。



メイド『ねぇねぇ王様・・・・・』



王子『なんじゃーωー?』



メイド『・・あのさ・・・・』



王子『ふぉっふぉっふぉっ^ω^珍しいのぉ』



メイド『なにが?』



王子『おみゃーが真剣に人に話すとこみるのは久しぶりじゃ^ω^』



メイド『・・いいから聞いて・・』



王子『続けてみぃ^ω^』



メイド『・・・きのうさ・・ハプティ夜起きてなかった?』



王子『あぁ~起きておったのぉーωーそれがどうかしたのか?』



メイド『・・いや・・どこいったのかなぁ~って・・・・』



王子『・・・・オムーのとこいっとったぞーωー?』



メイド『ほんとに!?』



王子『ほむ・・・二人っきりでずっと星をみておったーωーありゃ完璧にデキとるな』



メイド『・・・・そっか・・・』



王子『・・・・・・ーωー』




普段見たこともないような寂しそうな表情で、ため息を誤魔化すような深い吐息を漏らしているメイドに王子は気づいたのだった。




王子『おみゃーもしかして・・・ーωー』



メイド『・・なによ・・』




すると王子とメイドの話合いを止めるかのように、りんとハプティが甲板に出てきた。



りん『夕食できたよ~^^今日はハプティシェフの餃子だよ~』
ハプティ『・・・フーw-腕がなったぜ・・・』



hanana『やったぁ~^0^餃子餃子~!!』
クルツ『_|\○_ヒャッ ε=\_○ノ ホーウ!!』
えびちゅ『ビールに合うのがきまちたね( ̄ω ̄ )』
オムー『待ってましたぁ~!しかし魚なかなか釣れねぇな~=ω=.;』
さっちゃん『面舵停止ぃ~!!!!今降りま~す!!!』




皆はキャビンに詰まるくらいに一斉に入っていく。

まだ入れていないのが、一同の最後尾の王子とメイド。
王子は入り口ドアに入る直前に、後ろを振り向き様に呟いた。




王子『ツンデレは損じゃぞ^ω^ふぉっふぉっふぉっ』


メイド『・・・・いいから早くキャビンに入って・・・』



メイドは面倒くさそうに目を瞑りながらそう言って王子を促し、二人はキャビンに入っていくのだった。

第壱百拾五話

2008-11-05 | 本編



見惚れてしまう程の綺麗な朝日が昇っている。

目の下にくまができあがっているオムーは、船首席から立ち上がり、
肩から落ちたブランケットをそのままに思い切り背伸びをした。


オムー『ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん≫ω≪.』



りんとハプティは既に起きており、朝食の支度をしているようだ。
キャビンのキッチン横から突き出している煙突からは煙が漏れている。



オムー『・・・・さて・・・メシかな・・=ω=.』



海面の反射も手伝い、日差しがより暖かく感じられ、心地の良い朝を迎えることができている。続々と他の皆も起きだし、キャビンから甲板へ集まりだした。



メイド『ぉは~』

眠気たっぷりに歯を磨きながらメイドからの挨拶で皆の顔合わせは始まった。



hanana『おはようございますっ^0^』

えびちゅ『ちゃお( ̄ω ̄ )』

ヌコル『おはようございますっ』

透『おはよ~』

さっちゃん『おはよ~っす!!!』

クルツ『おっは・・・・寝たりない(´д`)』




えびちゅ『ゲフッ( ̄ω ̄ )』

hanana『えびちゅお酒くさぁーいww』

えびちゅ『寝る前に芋焼酎飲んだでちゅ・・・なかなかの美味でちた』

オムー『見た目とは正反対にオヤジだな・・』

えびちゅ『なにかいったでちゅか( ̄ω ̄ )?』

オムー『ぃぇ=ω=.なにも・・』



えびちゅ『透w髪の毛wwなんで寝癖できてるでちゅかww?』




透の長い黒髪は、ちょうど側頭部に長い時間かけて作られたであろう寝癖ができている。




透『・・あ・・・風で・・・』

オムー『うそつけww』


王子『透!!!さては夜警備サボって寝てたなーωー!?』

オムー『おめぇもだww』




変装用に大きく丸かった王子のアフロには、断崖絶壁の寝癖が後頭部についている。



メイド『ちゃんと仕事しなさいよ・・・』

王子『・・・・・ーωー;』





とそこへ朝食を作り終えたのか、りんとハプティが甲板に顔を出してきた。



りん『みんなおはよ~^^』
ハプティ『ちゃっすー・w・ノ』



さっちゃん『ご飯何何!!!??』

りん『今朝はパンケーキと目玉焼きウィンナーとサラダにコーンスープだよ^^』



クルツ『パンケーキ好き!!(゜∀゜*)ヒャッホーゥ!!!』
hanana『パンケーキo^0^o』
王子『ズズ・・ーдー』
オムー『じじぃヨダレヨダレ=ω=.』


りんとハプティの腕によりをかけて作るご飯は皆の楽しみのひとつ、一日の気力が沸いてくる。





朝食後はイカリを上げ、船はまた目的地ファンダシム大陸に向けて前進を始めることに。

さっちゃんの面舵、えびちゅの帆操作及び全景警備、hananaクルツの船首警備、ヌコル船尾警備。それぞれの配置は既に決まっている。



今のところ順調な船旅、いったいこれから何が待ち受けているのだろうか。

第壱百拾四話

2008-11-04 | 本編






朝日はなかなか昇ってこないようだ。
コップにあと少し残っているコーヒーも、もう冷めてしまっている。

 

オムー『ふぅ・・・朝まで長いなぁ~・・・=ω=.』




夜警備といっても不審な船が近づいてこないか、海図に載っていない巨大な氷山などが船に向かって流れてこないかなどをチェックするのみで特別やることはなかった。

 

オムー『・・・・ぁ~・・・・あの星座なんだっけかな・・=ω=.』

 

おのずと綺麗な星空の方へ目が行くのはしようがないことであった。

 

オムー『・・・・・流れ星こないかな~=ω=.』

 

神話では、神が地上の様子を見るために天界の扉を開けたとき、流れ星が流れると
言われている。その天界の扉が開いている間はほんの一瞬。

流れ星が現れ消えてしまうまでの僅かな間に願い事をすれば、神に直接届き、願い事が叶うという。

 

すると、オムーの真上あたりの空から大きな流れ星が流れはじめたのだった。

 

オムー『おわっ!!ちょ!!流れ星きたっ!!!!!願いごと!願いごと=ω=.;!!』

 

数え切れないくらいの星の中、その光り輝く流れ星は一際目立っていた。


 

オムー『俺とハプティが・・・・・ように・・・俺とハプティが・・・・ように・・俺とハプティが・・≫ω≪.;!!!』



 


ハプティ『俺とハプティがどうしたの・w・?』

 

 

オムー『;`;:゛;`(;゜;ж;゜; )ブッwww』

 


一人でいたはずの船首には、ハプティがひょっこり夜の夜中にきていたのだった。

 


オムー『ハプハプハプ・ハプ・ハプティ・・・い・・いたのか=ω=.;;;!?』


 

ハプティ『俺とハプティがなんとかとか今言ってなかった・w・?』


 

オムー『あぁ~・・ぅんうん=ω=.;;;;;;;俺とハプティは遠い昔に遡れば祖先は同じなんだなぁ~ってな・・・・ハハッ』

 

ハプティ『ふ~ん・w・わたし夜更かしばっかりいつもしてるからなんだか目が覚めちゃってさっ!』



オムー『おぉ~そっかそっか=ω=.;;;;そ・・空きれいだしょ?(でしょ)←噛んでる』



ハプティ『そだね~w部屋の小窓から見てびっくりしたよw』




ハプティは、星空を見つめながら船首警備の簡易椅子に腰かけた。
やや横に長いその椅子にオムーとハプティが並ぶように座っている。



 

オムー『(・・・と・・突然きたなぁ~ふぅ~びっくりした・・=ω=.;;)』

 

ハプティ『・・・・・ちょっと寒いね・w・』



 

オムーは待っていましたと言わんばかりに、自分の肩にかかっていたブランケットを
ハプティにもかかる様に二人で肩を寄せ合い、包まるのであった。

元々一人がけ用のブランケットの為、密着しなければ二人いっぺんにかからない。
その長さにオムーは感謝した。



オムー『(このブランケット最高=ω=.;!!!)』


 

この上ないロケーション。その場での沈黙は非情に心地がよい。
黙ってただただ二人は座って星を眺めているのだった。

 


ハプティ『・・・・・・・。』

 

オムー『・・・・・・・。』

 


オムー『(・・もしかして・・チャンスかな・・こんな二人だけのムーディーな状況って他にないぞ・・・コ・・こく・・告・・告っちゃおうかな=ω=.;)』

 



オムーは決心した。
今こそ自分の思いを伝える絶好のチャンスだと。

一生守り抜くと誓ったその純粋な思いは、躊躇いはあるも、伝えようと腹を決めたのだった。

 

左腕がハプティの右肩から肘にかけて接触していることにやや興奮気味にオムーは話し始めた。

 

 

オムー『ハプティ・・・』

 

ハプティ『・・・なぁ~に・w・?』

 


オムー『・・・俺・・・・・・・・ハプ』

 

 

 

王子『ぶわっくしょぃぃぃぃぃ
ぃぃぃぃ;`;:゛;`(゜Д゜#)』

 


オムー『;`;:゛;`(;゜;ж;゜; )ブッwww』


ハプティ『うわぁーwwびっくりしたぁww国王驚かせないでよぉーーw』

 


突如、王子は二人の間を割って入るかのように真後ろで大きなクシャミをしたのだった。


 

王子『おっと・・・・すまんーωー』

 

オムー『(・・こ・・・このやろwwwいいとこにきやがってwww)』


ハプティ『ふぁ~ぁ・・・眠くなってきたぁ~>w<わたしベッド戻るねっ』


 

ハプティは、飛び降りるように椅子から離れ、あくびをしながら伸びをした。




オムー『・・ぉ・・・・そ・・そうか・・そだな・・ハプティは明日日勤だもんな=ω=.;;』

 

ハプティ『おやすみぃ~・w・ノシ』


オムー『おやすみ~=ω=.;;』


王子『おやすみじゃーωーノ』

 


ハプティがキャビン中に戻る背中を名残惜しそうにオムーは見ている。

 

王子『さ・・・・わしも警備の続きといくかーωー』


オムー『じじぃは何しにここへきたんだwww』

 

王子『散歩みたいなもんじゃなーωー』

 

オムー『てめぇぇぇww』

 

オムーに背を向け、何事もなかったかのようにキャビン上の警備室へ王子は
戻っていく。

 

王子『ふぉっふぉっふぉっーωー人生そんなに甘くはないわぃ』


オムー『・・・・く・・・=ω=.;』

 

あの時、王子の息の根止めておけば良かったと後悔するオムーの夜はまだ終わらない。


第壱百拾参話

2008-11-03 | 本編




夜の夜中、静かな風と小さな波に揺られている船の先端で座っていると、あたかも満点の星空と海面に映し出されたいっぱいの星空に360度包まれているかのような感覚になる。

オムーはそんな特等席で、星空を眺めながら夜警備を続けている。



オムー『・・・・・・=ω=.』



都市や町よりも海面の方が空気は澄み、星を隔たりなく見ることができるのは、
海の旅の醍醐味のひとつなのかもしれない。




オムー『王様たちも寒がってるだろうな・・・コーヒーでも入れてやるか=ω=.』





心なしかひんやりとしてきた海の真夜中の風を感じ、肩をすくめながらオムーは
立ち上がり、他のものにコーヒーを差し入れに用意しにいった。




オムー『静かだなぁ~=ω=.虫や動物の鳴き声なんかなんも聞こえねぇな・・』


キャビンの中も非情に静かだった。
町の中と違い、あまりにも静かになると細かな音が耳に入ってくる。

 

波に揺られてきしむ船の音。

ギギ・・・・・ギギ・・・・・・




 

船横にあたる波の音。

チャプッ・・・・チャプッ・・・




 

コーヒーをカップに入れる音。

コポコポコポコポ・・・



 

おいしそうな豆の香りが湯気と共に鼻に入ってくる。
アメルと一緒に選んだコーヒー豆は、一段とおいしく見えてしまう。
入れたてのコーヒーを一口飲んでみるのだった。





ズズ・・



オムー『ぅ・・・ぅめぇ=ω=.』




冷えた体には、暖かいコーヒーが喉も体も心も潤してくれる。
オムーはすぐに船尾の透のもとにいった。







オムー『透・・ほら・・コーヒーいれたぞ=ω=.』







・・スャスャ・・・・・・スャスャ・・・



オムー『寝てんのかいww』





透は船尾の簡易的に作られた席に横になり、丸くなるように
スャスャと寝ている。




オムー『しょうがねぇなぁ・・・=ω=.まぁ今日位いっか・・旅支度で疲れてるんだべ・・一日くらい・・ほら・・風邪ひくぞ・・』



オムーはそっと透の肩から剥がれ落ちかかっていたブランケットを首元までかけてあげた。

 



すると、波の小さく上品な音と船のきしむ小さな音と共に、聞きなれない音が混ざっていることにオムーは気づいたのだった。





ゴゴーーーーーーーーー・・・・・・ゴゴーーー・・・





オムー『あれは・・・・いびきか=ω=.;・・・しかしすげーでかい音だな・・』



 

ゴゴーーーーーーー・・・ゴゴーーーーーーーー・・・





船中央にあるキャビンの上に建てられている帆の柱を上っていくと、
王子のいる簡易警備室がある。

船から見える星空と海の夜景のムードを完全に壊している雑音とまでも言えそうなそのイビキの音は、その部屋から漏れていることにオムーは気づくのだった。



 

オムー『・あ・・あれは王様か・・でけぇ音だな・・=ω=.;』



 

オムー『・・・って起きてるの俺だけかいwww』





ゴゴーーーーーーー・・・・ゴゴーーーーーーーー・・・





ゴゴーーーーーーー・・・ゴゴーーーーーー・・・・ガッ・・・・・・・・



・・・・・・・・・・ガッ・・・・・・・


すると突如、王子のイビキの音が不自然に止まってしまったのだった。




オムー『・・・・・=ω=.?』



・・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



今まで聞こえていた大きな音が突然止まってしまっている。
寝息さえも聞こえなくなっていた。


オムー『ん?・・・・・イビキが止まった・・・まずい!!・・・・何かあったのか=ω=.;!!??』



 

オムーはすぐさま帆の柱に飛び乗り、駆け上がるようにハシゴを登り、キャビン上の警備室へ向かった。



 

オムー『王様=ω=.;!!!!何があった!!??』





すると王子は幸せそうな顔で寝ている。



 

王子『・・・・・・・・・・ガッ・・・・・ガッ・・・・フガァ~ゴロゴロゴロォ~(´ω`)』



 

それはただの睡眠時無呼吸症候群(*)だったようだ。



(睡眠時無呼吸症候群:ふくよかな方や高齢の方がよくなられるもので、
睡眠しているときに、喉の呼吸がスムーズにいかなくなる症状)





オムー『このやろww心配かけさせやがってww今息の根止めてやろうかww』

 


 

王子『フガァ~~ゴロゴロゴロゴロォ~~・・ガッ・・・・・・・ゴロゴロォ~(´ω`)』



 

オムーの一人警備の夜は長い。


第壱百拾弐話

2008-11-03 | 本編
オムー『へぇ~クルスはそれで第一連隊に=ω=.;』

りん『知らなかったわ~wそんな裏話があったのね~w』

王様『ボマボマの謎の進撃っておみゃーら二人だけの攻撃だったのかーωー;』

ハプティ『うん^w^そーだょ!』

クルツ『やっぱりクルスお兄ちゃんは強いんだねっ!!』

hanana『ねっo^v^o』

えびちゅ『なかなかおもしろかったでちゅね』

さっちゃん『透くんも眠そうだねw』

透『・・ぃぇ・眠くは・・ありません・・意識がもうろうとしているだけ・・』

メイド『それは眠いからでしょ・・』




りん『さ・・そろそろ夜も遅いし寝ましょうか?』

hanana『わぁ~ぃ寝る寝るぅ~^0^まっくら投げっ!まっくら投げ!』

クルツ『まっくら投げっ(^Д^)まっくら投げ!』


えびちゅ『・・コホン( ̄ω ̄ )』

hanana『・・・^0^;』



えびちゅのもっと大人になりなさい的冷たい視線に気づいたhananaは、
すぐに口を閉じている。


一同は、それぞれの寝床に帰ろうと席を立ち上がった。





メイド『さ・・オムー夜警備がんばってねっ!ふぁ~ぁ・・・・』

オムー『げww俺夜警備担当だっけかww』

メイド『そうよっあんた言ってたじゃない』

オムー『ぅ~む=ω=.;滅茶苦茶眠いぞ・・・くそ・・』




夜警備はオムーが船首、透が船尾、王様はキャビン頂上の帆先の警備スペースを担当していたが、王様と透は悪びれる素振りもなく、皆と一緒に紛れるように自室へ戻ろうとしている。




オムー『そこwwじじぃww透wwちゃっかり普通に寝ようとすんなww』

王子『はて・・わし夜警備じゃったっけかーωー?』

ハプティ『国王、諦めが肝心ーw-b』

王子『・・・・く・・・不覚じゃった・・わし夜ごっつ弱いのだ・・ーωー;』

透『・・・ね・・・・眠い・・』





そして夜警備担当3人を残し、他一同は床に入ろうとキャビン奥の廊下に進んでいった。



りん『オムー、王様、透、頑張ってねぇ~w』

ハプティ『寝ちゃ駄目だよ~^w^』

ヌコル『お休みなさい』

クルツ『おやすみなさぁ~い(゜Д゜)ノ』

メイド『ふぁ~ぁ・・・・おやすみ~』

えびちゅ『みんないい夢みるでちゅ』

hanana『えびちゅはご飯の夢みるんだよねw』

えびちゅ『趣味でちゅから( ̄ω ̄ )』

さっちゃん『おやすみなさ~い!!』




3人はキャビン食卓で皆を見送り、寝の挨拶をテンション低く返答している。



王子『おやすみじゃーωー;』

オムー『おやすみ~=ω=.;』

透『おやすみ~』



王子『ふぅ・・・わしらが寝るのは朝か・・・ーωー;』

オムー『だな・・=ω=.;』



3人はキャビン外に出ると疲れをほんの少しだけ忘れさせてくれるプレゼントが待っていた。


それは雲ひとつない満点の星空。
海の上などは特に空気が綺麗で澄んでおり、そのまま星の輝きを失わずに肉眼で見ることができる。まだ見たことない小さい星もその時は、はっきりと3人には見えていた。



透『うわぁ~きれい・・・』

オムー『ぐぉ=ω=.すげーな・・・』

王子『きれいじゃのぉーωー』



暫し3人は立ち止まったまま言葉を失ってしまっている。


オムー『・・・おし・・じゃぁそろそろ、
俺は船首警備いってくるわ=ω=.なんかあったら連絡な』

王子『そうじゃな・・連絡必須じゃーωーわしはキャビン帆先言ってくる』

透『は~ぃ、わたしは船尾いってきま~す』



眠い目をこすり、3人は夜警備に入り夜が明けるのをひたすら待っているのだった。

第壱百拾壱話

2008-11-01 | 本編


         ~数日後~



今最も激化している戦闘地域は、山に囲まれた町ポールソン。
エステンブルグ12万の軍勢とファンブルグ8万の軍勢の合戦の最中であった。
喊声を発して突入する声。喚いている声。人と剣と鎧がぶつかり合う音。
馬のけたたましく鳴る足音が響いている。


ドドドドドドドドドドーーーーーーー!!!



うぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

わぁぁぁあああああぁぁぁぁぁああああぁぁ!!!!

ぉぉぉおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!




アメルは第一師団第一連隊。無論、最前線で戦っている。


ドガッ!!!

バキッ!!!!


ガスッ!!!!!


アメルは戦闘中にも関わらず、
突如何かを発見したかのように大声で愕いた声を出した。


アメル『あっ!!!!!!!!!』


トカマク『アメル!!!余所見しない!!!!集中!!』



アメルの見た先には、第五連隊に所属しているクルスがいる。

指揮官の命令に従い、驀進のごとくまっすぐになったその攻撃力をかわれ、
階級が上がるのは目前と思われる程、部隊に貢献している姿であった。




アメル『クルスくーーーーん・w・!!!!』



クルス『おかげでリンドブルムは快方に向かってるぜ!!
あと・・戦場では呼び捨てだアメル!!!』



アメル『うんっ>w<!!!』



アメルには、その逸れなくなったクルスの道の歩き方が、
感謝の気持ちとして取れ、何も言わずとも、その行動が
クルスの気持ちを感じ取っていた。



生きていく上で必要なもの。それは糧だけではないのかもしれない。
糧と愛があってこそ、人は運命と向き合い、受け止め、人生を邁進していける。


クルスの枯れた心を潤し、まっすぐにさせたのは、
紛れもないアメルの優しさに姿を変えた心であった。





ドドドドドドドドドドドーーーーーー!!!


いけぇぇぇぇぇ!!!!すすめぇぇぇぇ!!!!

うぉぉおぉおおおおおおぉぉ!!!!!!!



合戦の様子をよく見える丘山があり、王様はその遠方の山から指揮をしていた。


王様『二師第四連隊がやや押されとるな・・・
第三の横を守る壁がいなくなったぞーωー;』


衛兵『・・・そのようですね・・』


衛兵2『王様!!・・・あ・・あれは・・?』


王様『もふーωー?』



クルスの所属している第三師団第五連隊が、
今までにない勢いで突進して活躍している。
それは、作戦には想定できないほどの前進を見せていた。


衛兵2『・・・す・・すごいですね・・あの隊・・・。』


王様『・・・どこの隊じゃーωー?』


衛兵『あの位置は・・第三の五連隊だと・・
・・・あの突進力・・・・どうしたのでしょう・・・。』


王様『・・・・・ふぉっふぉっふぉっ^ω^なるほどのぉ・・・
どうやらまっすぐになったようじゃのぉ・・』


衛兵『・・・何が・・ですか?』


王様『んにゃ^ω^いいんじゃ・・・ほれ作戦マップの書き直しじゃ』


衛兵『はっ!』





その後、クルスが第一師団第一連隊まで階級を戻すのは時間の問題だったという。
こうしてまた一人の獅子が生まれファンブルグを導いていくのだった。



アメル『うらぁぁぁあああぁぁぁーw-!!!!!』


クルス『うぉぉぉぉおおおおぉぉ(゜Д゜)!!!!』





クルス邸では、快方に向かうリンドブルムがご主人様の帰りを待っている。


リンドブルム『グル・∞・?』
    


   ~回想の章(クルス編)~  完





第壱百拾話

2008-11-01 | 本編



第壱百拾話の推奨BGM
→hrefhttp://jp.youtube.com/watch?v=pBoHnX2lyJQ
ctrlキーを押しながらクリックすると別タブが開けるよ☆

 

アメル『・・か・・体が・・・もう・・・わたし・・駄目かも・・』

 

クルス『・・く・・・あと一息・・あと少しだ・・』

 


二人の意識はもうろうとし始め、痛みの感覚も、耳も遠くなり、
無意識に体を動かし、もはや二人には体力の限界が近づいている。


足が上がらずステップも踏む事も剣を持ち上げることもできなくなり、
二人に諦めの色が見え始めてきたその時。

 

敵兵『・・も・・もう駄目だ!!』

 

敵兵『・・・・く・・』

 

敵兵『化け物めぇ~!!!退却だぁ~!!!』

 

敵兵『・・だ・・だめだ!!逃げろぉ~!』


敵兵『うわぁぁぁ~!!退却~!!!!』


とうとう、粘り強いあまりの強さに敵兵たちは悟ったのか、散り散りになり逃げ出したのだった。

 

クルスとアメルは剣を持ち、今まで向かい続けてきた敵が突如いなくなり始め、
違和感を憶えながらも剣を構えたまま呆然とし、状況を飲み込めずにいる。

 

アメル『・・ぜぇ・・はぁ・・ぜぇ・・はぁ・・・・・。』

 


クルス『・・・はぁ・・・ぜぇ・・・・・・・。』

 


そして敵兵たちは一人残らず、退却していったのだった。
クルスは剣を握っていた手の握力をゆっくりと緩め、剣を地面に落した。

 

クルスとアメルは、互いにもたれ掛かる様に背中を合わせ、寄りかかりながら雨で溜まった水溜りの地べたに尻餅をつき、目はうつろなままへ垂れ込んだ。

 

ザーーーーーーーーーーーー!!

ドサッドサッ


クルス『・・・・・・・。』

 

アメル『・・・・・・・。』

 


何百人と倒してきたそのボマボマに流れた血を洗い流すように、土の色を原色に
戻しているその雨は、泥や血、汗や涙で汚れた呆然自失の二人の顔も同じように
洗い流している。

 

クルス斬倒800名、アメル斬倒300名、残兵退却。
延べ1200名を相手に勝ち、たった二人の兵士がボマボマという町一帯の敵兵を
打ち破った歴史的大勝利を治めた瞬間であった。

 

 

ザーーーーーーーーーーーーー!


アメル『・・・や・・・やった・・・』


クルス『・・・・・・・・。』

 

 

アメル『や・・やったぁーーーー!!勝ったぁーーーーーーー>w<!!!』
クルス『・・・・は・・ははっ・・・はははっ・・・はっはっはっはっ(^Д^)』

 

 

泥にまみれながら地べたに座ることが当然のように、二人はそこで背中を
合わせながら大勝利の余韻に浸り、まだ生きている実感を味わっている。

 


クルス『・・・・・・・・。』

 


アメル『・・・・・・・。』

 


クルス『(・・・リンドブルム・・俺・・・帰れるぞ・・。)』


決して人前で見せる事のない枯れたはずであったクルスの涙は、雨粒でうまく
ごまかされている。


クルスの泣いている肩の振動が背中から伝わり、泣いているのがアメルはわかったが、クルスのプライドを理解していたアメルは背中合わせで気づいていないフリをしていた。


アメル『・・・・・・。』

 

クルス『・・・アメル・・・ありがとう・・・。』

 

アメル『・・・・これで南天草とれるね(●´w`)ニヘッ』

 

 


元来ファンブルグの領地であったボマボマを見事一夜にして取り戻したこの偉業の記録は、歴史書には書かれぬまま、

『謎に包まれたファンブルグの進撃』

と称し語り継がれていたのだった。


第壱百九話

2008-10-30 | 本編


第壱百九話の推奨BGM
http://jp.youtube.com/watch?v=_ilq-Jb7Uc4
聞きながら読みたい人はctrlキーを押しながらクリックすれば別タブで開けるよ☆ミ



時代に翻弄されているこの二人は互いに引き合う運命にあるのだろうか。
数え切れない敵の体の隙間、雨と曇りがかった視界の中にうっすらと見覚えのある顔が
浮かんでいた。

雨音とその者の声が混じって聞こえる。




ザーーーー!!

アメル『・・・クルスくんーw-!!!』




それはたった一人で来たのかずぶぬれになったアメルがそこに立っていたのだった。布切れを数着だけ羽織わせた戦闘とは程遠い軽装で乗り込んできている。




クルス『おまえ・・馬鹿だろ!!!!早く逃げろ!!!!』

アメル『うん!わたし馬鹿だよっ!!こんなところに一人で突っ込むあなたと同じ!クルスくんがリンドブルムを見捨てることはできないように・・・わたしもクルスくんを見捨てることはできない>w<!!!』



クルス『・・俺はもう体が動かない・駄目だ・・早く逃げろ・・・』


アメル『あと・・もうひとつ・・・わたしの力を見縊ってるわーw-!!』



余りにも戦闘準備が整っていない。鎧はおろか、剣さえももっていない姿で
戦いを挑んでいる。




アメル『うらぁぁぁあああああぁぁぁぁぁーw-』



左から敵が向かってきたところをその敵の腹へすばやい足底を使った横蹴りは
トカマクから習って間もない徒手空拳だった。

くの字になった敵の頭から兜を奪い、アメルはその兜をすぐさまかぶり、空高くジャンプし体を捻らせ、飛び廻し回転蹴りでさらに右から向かってきた敵の脳天へ衝撃を与え、着地と同時に気絶した敵兵の落とした剣を奪った。

実践で徒手空拳を使うのは初であり、本来であれば緊張しているはずが
そこにあった使命感はアメルの底力を出していた。




アメル『うぁぁぁらぁぁぁららぁぁぁーw-!!!』

クルス『・・トカマクの鼻高くして言ってた新入りってのはあいつだったか・・
無理しやがって・・・この敵の数わかんねぇのか・・・・』




しかし、一対多に慣れていないアメルは、やはり次第に敵に圧倒され始めている。



バサッ!!!

アメル『らぁぁあぁぁ~ーw-!!!』

 

ドガッ!!!

アメル『くぅぅ>w<!!』

バコッ!!!!

アメル『・・・ぅぅ・・・・ひぇぇぇ>w<!!!!』

ドゴッ!!!

アメル『たすけちくりぃぃぃぇぇぇぇぇ>w<!!!』


 

クルス『強いのか弱いのかよくわからん奴だな・・いいかよく聞け!!・・・ゴフッ>Д<・・・俺はもう体が動かなくなる!おまえはそのまま逃げろ!逃げ道だけは作ってやる!!!』

アメル『やだぃ>w<!!!』



バコッ!!!!

アメル『・・・ぅぅ>w<!!!』


 

ドガッ!!

アメル『うがぁぁ>w<』


 

ズガッ!!

アメル『・・ゴフッ;w;!!!』


 

クルス『言わんこっちゃない・・』




ほぼ生身に剣で攻撃されている。
しかし、打ち込まれても、倒れても、持ち前のHP特化の体力と根性で何度も立ち上がるアメル。その思いはクルスの何かを動かし始めているのだった。




アメル『こ・・・こんなとこでクルスくん死んじゃ駄目だっ!
うらぁぁぁぁぁあああああぁぁぁ>w<』



クルス『・・・・・・・。』

 

バスッ!!

アメル『ぐはぁっ>w<!!!・・・クルスくんは・・まっすぐ力を出せれば・・たくさんの人を助けれるすごい力をもっているってトカマク様もいってたもん・・それに・・・・私の・・友達だからぁ>w<!!』



アメル『まだまだまだまだぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ>w<!!』



クルス『・・・・・・。』




そして、やっとアメルはクルスのところまで辿り着いた。


アメル『私のことは気にしないで!!HP特化よ!!』
傷だらけの体でアメルは言っている。

クルス『・・・ははっ・・おまえ・・本物の・・・馬鹿だ・・・』

クルスの心の体の中で何かが起きていた。
ふすふすと湧いてくる体力気力、決して家族やペットだけの為ではない。
初めて他人と心を深く通じ合わせた瞬間だった。

そしてさらに伝説の獅子と言われた眠っていた力がさらにあふれ出してきていた。



クルス『(・・体よ・・最後まで動いてくれ・・・いくぞ・・第二ラウンドだ・・・・・)』

クルス『・・・借りができたな・・・・最後の最後の力だ・・・
いくぞぉぉぉぉぉおおぉぉぉ(゜Д゜)!!!!!』

アメル『うらぁぁぁぁぁあぁああああぁぁぁ>w<!!!』




背中合わせに互いに背後の敵を守り、クルスにとっての初めてのチームワーク
ともいうべき連携であった。

 


敵の一斉の攻撃に慣れていないアメルはやや敵に押され、攻撃は囲まれている
時程ではないにしろ、ダメージは受けている。

ズガッ!!!


アメル『うがぁぁぁあああぁぁ>w<!!!』



そこにクルスの懇親の助太刀の剣がアメルの後ろから伸び、敵への反撃が成功した。


クルス『大丈夫か?・・おまえ・・名前なんだっけか?』

アメル『アメルだよ!!』

クルス『いいかアメル!?戦闘では上も下も関係ねぇ!!俺はおまえが第一連隊だろうがなんだろうが呼び捨てで呼ぶ!!おまえもクルスくんなんて戦場で甘っちょろい呼び方するな!呼び捨てでいい(゜Д゜)!!』


アメル『うん!わかった!!クルスくん>w<!!!』

クルス『・・・・・。』

アメル『ぁーw-;』




そのお互いに背後を守る陣形は、陰と陽を表す図形のように綺麗に作られていた。
ややアメルが押されている分、クルス側に動いている。




クルス『もたもたすんなぁぁぁああぁぁぁ!!あと一息だぁ~!!!』
うぉぉぉおおおおおおおおぉぉ!!!!!』

アメル『うらららぁぁぁぁああぁぁぁぁ>w<!!!』



また一人隠れ持った獅子の力が生まれ、伝説の獅子二人のコンビネーションが
このボマボマで生まれたのだった。