あれから数時間後。夕の刻18時。
夜勤後の睡眠をとったオムーは夕方には目を覚まし、船の横腹に座り魚釣りをしていた。
オムー『・・・・・=ω=.』
オムーはじっと釣竿の先を見ており、魚のあたりサインである引きがくるまで待ち続けている。
オムーの趣味でもあるこの魚釣りは精神集中の特訓でもあり、じっと獲物がくる忍耐力を養う特訓でもあった。
すると夕方までの仕事を一通り終えたメイドがオムーの後ろにいつの間にか立っているのだった。
メイド『・・・・・・なんか釣れた?』
オムー『お・・メイドか・・ぜんぜん釣れねぇお=ω=.』
オムーは船の横べりに足を投げ出すように座り、顔は半身でメイドに答えた。
メイド『おいしい魚釣ってよね!』
オムー『期待すんなお=ω=.ここは何が釣れるかわからんお』
メイド『今日も楽しみ・・今日は夕ご飯終わったらエビちゅの昔話するんでしょ?あとhanaちゃんの話もするのかな・・・』
オムー『エビちゅの話は楽しみだなー=ω=.昔を思い出す・・・』
起きて間もないオムーは大きなあくびをした。
オムー『ふぁ~ぁ・・・・・・=ω=.俺目の下にクマできてるだろ?』
メイド『元からクマっぽいのが目の下にあるからよくわからないわ』
オムー『てめぇwwばばあww』
一呼吸置き、メイドはしゃべりはじめた。
メイド『ねぇ・・・オムー』
オムー『=ω=.?』
メイド『そういえばオムーって小さい頃・・・ファンブルグでお店やってたんでしょ?』
オムー『あぁ・・親父の店か=ω=.?肉屋だぉ。ファンブルグでは当時、相当有名だったらしぃぉ・・』
メイド『へぇー有名だったんだ』
オムー『親父が兵士になった頃には閉店しちゃったけどな・・=ω=.』
メイド『なんていう名前だったの?お店』
オムー『俺のフランk・・・ぁ・・ぃゃ・・ぇっと・・肉屋バルタルトだったぉ・・たしか・・・・=ω=.;』
メイド『今なんか言い直さなかった?』
オムー『そ!そんなことないお!・・と・・とにかくおいしいんだぉ=ω=.;』
メイド『もっと早くからオムーに会いたかったなぁ・・・』
オムー『(・・ふぅ・・・親父の店の名前やばいからな・・なんとか誤魔化せたかな=ω=.;)』
オムーの昔経営していた肉屋は<俺のフランクフルト>。
何かと勘違いされてしまうそのセンスのない父の考えたネーミングは大人になってから気づいたことであった。
恥部でもあるその店名を言いそうになってしまい、必死で誤魔化そうとしているオムーは、メイドが一人呟くように言った言葉を右から左へ流してしまっていた。
メイド『・・・はぁ・・・』
メイドは、キャビン壁にもたれ掛かりながらオムーを見つめ、小さいため息をついた。
オムー『・・ん=ω=.?今なんか言ったかぉ?』
メイド『・・・・・・。』
りん『みんなー夕食できたよー!!集合ぉ~^^』
その時、二人の会話を遮るように日勤者にとっての夕食の掛け声が聞こえてくるのだった。
オムー『・・・・俺にとっては朝メシか・・・・腹減った・・=ω=.』
メイドは一人キャビン中に入ろうと話途中のまま歩き出してしまっており、慌てて再度聞き返すオムー。
オムー『おーい=ω=.!メイド!今なんかいってたよな?なんだぉ?』
キャビン角に曲がり、姿が見えなくなる寸前に立ち止まったメイドは暫く黙り、クルッとオムーの方へ振り返った。
メイド『(>┰<)ベーッだ!! 』
すぐさまキャビン中に入ってしまっているメイド。
オムーにとってはわけがわからない始末であった。
オムー『・・・・・・なんだぉそれ・・・・=ω=.』
皆がキャビンに入っていく中、突如釣竿の先が海面に強く引っ張られているのに気づくのだった。
・・クンッ!!!
・・・・・・クンクンッ!!!!!
オムー『おぉー=ω=.!!!!きたきたきた!!!やったぉ!!これでけぇぞ!!』
その引き具合は今までに見たことの無い重量を感じており、オムーは力いっぱい抵抗し、引き上げている。
・・・・グンッ!!
・・・グルンッ!!!!グルンッ!!!
海中の中で逃げ惑う魚。糸は切れそうになるほど張り詰めている。
オムー『やべぇ・・これは相当でかいぉ・・=ω=.;!!』
オムーが糸を引き、海面に魚を近づければ近づけえるほど、魚は身の危険を感じたのか尚いっそう増し始める引力。
・・・ググッ・・・・ギギギギギッ!!!
オムー『・・これは・・洒落になんねぇぉ・・・≫ω≪.;』
・・・・・ギュウンッ!!!!!
・・・・・・・・・・ギュウンッ!!!
海面に渦巻きが出来るほど魚は大きく回転し、エサをぶん取ろうとしているようだ。
オムー『・・・・ピ・・ピンチ・・・・・≫ω≪.;』
一方、キャビン中。
他一行はご飯やおかずを配り終わり、食卓テーブルに座っている。
今日のテーブルに盛られたおかずは多国籍の料理。バイキング形式で大皿がいくつも並んでおり、皆その多種多様なおかずに釘付けである。
王子『このカシューナッツ入り野菜炒め・・・うまそうじゃのぉ~ーωー;』
エビちゅ『それはつまみにも合いまちゅね( ̄ω ̄ )』
クルツ『・・・・ゴクッ・・・早くたべたい・・(^Д^;)』
hanana『ハナそこの骨付きお肉たべたい><ノ!!』
さっちゃん『えぇ~それ僕も欲しいぃ~><』
りん『みんなの分あるからね^^喧嘩しちゃだめよ』
りんはお茶を注ぎながらクルツたちに注意を呼びかけている。
ハプティ『そのお茶なぁーに(=´w`)?りん』
りん『これはね~ハプティが買ってくれたフルーツを使って作ったお茶だよ^^』
王子『随分と甘い香りだのぉーωー』
りん『なんのフルーツを使ったでしょう(*´▽`*)』
ハプティ『りんご(・w・´)?』
りん『ブブー^^』
順々に注がれていくお茶。hananaのティーカップに注がれると、その立ち登った湯気に合わせてhananaは鼻の穴を大きく開けて無邪気に吸い込んでいる。
hanana『すぅー^0^』
それを真似するようにクルツも思いっきり吸い込んでいる。
クルツ『すぅー(^Д^)』
りん『わかった^^?』
王様『おろーωー?オムーはおらんなぁ・・どうした?』
メイド『さぁ・・釣りに夢中なんじゃないの?』
hanana『わかった^0^!!』
りん『ハナちゃんどうぞ^^!』
エビちゅ
『マンゴーでちゅね( ̄ω ̄ )』
ハプティ『声でかw』
りん『あたりwww』
hanana『ひーーーーんT0T今ハナ言おうとしたのにぃぃぃ~!!!』
途端に部屋いっぱいに轟かせ大声で泣き出すhanana。
やや慌て気味にエビちゅはなだめている。
エビちゅ『そんなことで泣くんでないでちゅよ( ̄ω ̄;)』
ハプティ『エビちゅ大人気ない(・w・´)』
hanana『えーーーーんT0T!!!』
りん『はは^^;』
エビちゅ『わかったでちゅよ・・・あとでお菓子すきなのあげるでちゅ( ̄ω ̄;)』
hanana『・・・・ぐす・・・ほんと;0;?』
エビちゅ『だから静かにするでちゅ( ̄ω ̄ ;)まったく・・』
hanana『・・ぐす・・・ヒック・・・・ヒック・・・;0;』
りん『さぁそろそろ食べましょー^^冷めないうちに』
さっちゃん『いただきまーす』
ヌコル『頂きます』
透くん『いただきます・・・あ・・茶柱が立って・・』
ハプティ『えっほんと透くん(・w・´)!!』
透くん『・・・たらいいな・・』
ハプティ『・・・・・(ーwー´)』
りん『頂きまーす(*´▽`*)』
王子『これはおいしそうじゃ(*´ω`*)』
クルツ『いっただっきまー(^Д^)』
エビちゅ『いただきまちゅ( ̄ω ̄ )』
hanana『・・・グス・・・・いただきます・・;0;』
メイド『いただきます』
とその時、突如キャビン食卓のドアが勢いよく開くのだった。
バタンッ!!!!
雨は降っていないはずであったが、そこにはずぶ濡れになったオムーが立っている。髪はボサボサに、服もビショビショに濡れ、お腹はどういうわけかパンパンに膨れ上がり、服のポケットには小魚が紛れ、時折そのポケットから飛び出てきた魚はピチピチと威勢よくオムーの足元で跳ねている。
オムー『・・・・・・ただいま・・・=ω=.;』
hanana『きゃはははははははっ(≧∇≦)ノ彡オムーさんどうしたのぉーw』
クルツ『www』
ハプティ『なぜビショ濡れwww』
透くん『・・・・・。』
メイド『あんたこの寒い季節に海水浴?趣味にも程があるわ』
ヌコル『わたし・・すぐに着替えもってきますね!』
えびちゅ『・・・グビッ・・美酒でちゅね・・これも( ̄ω ̄ )』
王子『エビちゅ、その醤油とってくれぃーωー』
りん『オムーwどうしたのw?』
さっちゃん『まさか・・落ちたんですかw?』
オムー『・・・ま・・まぁ・・生きていればいろんなことがあるさ=ω=.;深くは聞かないでくれぉ・・』