こひつじちゃんが、しばらくぶりに話してくれました。
雲の上で、こひつじちゃんと兄は同じグループだったそうです。
「お兄ちゃんは、私より前に並んでた。お兄ちゃんが私よりも先に下に落ちていったの。前にも、お兄ちゃんとおんなじところにいた事がある。そんなことを話していた記憶がある。」
こひつじ君は、「前も きょうだい だったことがある。」と何度か話していましたが、グループについては初めて聞きました。
二人がはじめて会った日の事は、忘れられません。
早産で生まれたこひつじちゃんは、新生児集中治療室にいました。
両親以外の入室面会は出来ないので、二人はなかなか会えずにいました。
元気の良い5歳の男の子が、毎日一緒に病院へ行くといい、私が面会する間、30分以上も絵を描いて待っていてくれました。
生まれてひと月近く経った頃、看護師長さんがガラス越しに特別にあわせてくださいました。
私はこひつじちゃんを抱いて、ガラス窓の前で「お兄ちゃんが会いにきたよ」と話しかけました。
すぐに視線が合い、静かにじっと見つめあう二人には、何かが通じているような不思議な印象があり、鮮明に覚えています。
1~2分との約束でしたが、看護師長さんは5分ほど二人を見守ってくださいました。
今でも時々思い出すことがあります。
こひつじちゃんは、「お兄ちゃんがいるからママを選んだ」と話してくれた事があります。
再会だったのかどうかは、私にはわかりません。
二人は、本当に仲が良いきょうだいです。
きょうだいのつながり、絆は不思議です。