凄まじい本を読み終えました。
お仕事柄、うつ伏せ嫌いやハイハイをしないベビー、発達凸凹のお子さん、うつの保護者にお会いする機会があり、このブログにも発達障害の当事者保護者の方がお越しなので、ひつじの感想をアップしておきます。
著者の藤家さんに初めてお会いしたのは6~7年位前でしょうか。
講演の終わった会場で、明るくハキハキと周りの方へ指示を出し、テキパキ椅子を片付ける大きな瞳の女性が藤家さんでした。
ベストセラーの「自閉っ子、こういう風にできてます!」、「自閉っ子は、早期診断がお好き」、「自閉っ子的心身安定生活!」等、本で読んだ病弱さは微塵も感じず、空気が読めない、コミュニケーション障害とも言われる発達障害がありながら、こんなに生き生きと周りへの気づかいが出来るのかと驚きながらご挨拶させて頂いたのです。
その後もリアルにお話したり、お食事や秘密のスイーツ会をご一緒しましたが、この本で彼女の強さを改めて知りました。
向精神薬が増えるのは何故か、やめたい人が多くても実現しないのは何故か。減薬すら難しいのは何故か。
この本を読むと、その理由がよくわかります。
副作用や依存、離脱症状については聞いていましたが、想像以上の凄まじさでした。
知っている人の戦いが綴られているだけに、背筋が凍るような気持ちで、「早くこの辛い描写から抜け出したい」と一気に読み進めました。
理屈で自分を納得させて歯を食いしばる律儀さが藤家さんらしく、涙が出ます。
ご自分をよくわかっていて、人並み外れた強い意志を持っていたからなし得たのだと思います。
発達障害については広く知名度が上がったように思いますが、最近は学校で投薬を勧められた話や、不登校で小学生が抗うつ剤を飲んでいるという話も聞き、発達障害の周りでは薬は溺れる者への浮き輪に例えられています。
でも、決して安易に選択すべきではないです。
発達障害が脳機能障害でなく、神経発達障害となった今。薬以外の方法がたくさんの効果をあげた事もこのブログを辿って読んで頂きたいし、試して頂きたいです。
向精神薬について知りたい方だけでなく、
支援に関わる専門家はもちろん、
処方するお医者にも読んで頂きたい一冊です。
青空の下、藤家さんが自転車で「風が気持ちいい!」と笑う姿が多くの方の道しるべとなりますように。