「YOMIURI ONLINE」が、興味深い記事を配信しています。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20100703-567-OYT1T00638.html?fr=rk
記事にあるとおり「選挙期間中のHP更新の解禁を柱とする公選法改正案」は、「鳩山内閣の退陣の影響で」「提出されないまま、国会が閉会し」ました。
ですから、候補者や政党のHP、ブログの更新は、これまでの公選法の「解釈」のなかで行なわれるのが当然です。もちろん候補者でない政治家や、政党と関わりのない人がHPやブログを更新する場合にも、この「解釈」が適用されます。
記事には、「総務省は『選挙活動と政治活動の線引きは明確ではなく、直ちに違法とは言えない』との立場だ」とありますが、候補者の遊説日程を候補者本人のHPはもちろん、選対幹部がネット上で知らせるというのは、明らかに一線を越えていると思います。
選挙期間中は、「投票依頼」や候補者の遊説日程の告知など(=「選挙活動」)を、ネット上で行なうことは、許されていません。「○○候補へ一票を」「○○党へ一票を」とは、書くことはできないのはもちろん、「○時○分より△△で訴えます」「△地区、□地区を遊説します」と候補者の遊説日程をお知らせすることもできません(そもそも、候補者名を記述することすらできません)。
HPやブログで告知ができるのは、都道府県選管に事前に届出をする政談演説会に限られます(これは政談演説会は「選挙活動」ではなく、「政治活動」だとみなされるためです)。
ですから政談演説会の場合は、不特定多数の人に「文書」(たとえば「○○新聞号外」など)で、演説日程を告知することができますし、HP、ブログで紹介することも可能です。ただし、候補者名を記載することはできませんし、当該選挙の候補者のブログで告知することもできません。
これらの点からみると、記事にあるような、選対幹部が候補者の遊説日程をブログで発信する行為は、公選法に触れると考えてよいのではないでしょうか。
さらに、記事に登場する43歳の比例候補氏の場合、当該選挙の候補者ですから、「更新してはならない」HPを更新しているうえに、「投票を呼びかけることもある」のですから、明らかに公選法違反のような気がします。
ちなみに、ブログへの書き込みに対するコメントも、当該選挙候補者の場合はできません(当人を誹謗・中傷する書き込みを削除することはできるそうです)。
※一部に誤りがありましたので加筆・訂正いたします。
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