KISSYのひとりごと

日々感じたこと、ドライブ日記やDVDのレビューなど…徒然なるままに綴っています。

飛越地震(1858年)で敦賀地方は震度5を観測

2013-04-09 22:20:20 | 原発問題

 私のブログネタのひとつに、「今日がどんな日だったのか」というのがあります。いつもは「今日はどんな日」のカテゴリーで投稿するのですが、今日はあえて「原発問題」カテで投稿します。

 1858年4月9日(安政5年2月26日)に、越中(現富山県)と飛騨(現岐阜県)の国境の跡津川断層を震源とする飛越地震が発生。M7.0~7.1、最大震度は6~7と推定されているそうです。

飛越地震の震度分布は→こちら

 震源に近い富山・岐阜県境に震度5~7が集中しているのは納得できるのですが、震源から離れた石川・福井県境でも震度6~7を記録。ちょうど原発が集中している敦賀湾付近も震度5だったと推測されています。

 この敦賀湾から福井県内には、いくつもの活断層が確認されています。敦賀原発や、大飯原発では原子炉などの重要施設の直下を断層が走っています。いま多くの地震研究者は、2011年3月11日の大地震以後、予測不能の地震が起こることを想定しているといいます(NHK「MEGAQUAKE」より)。

 先日のブログでも紹介しましたが(→こちら)、東北大学の研究者は、1999年に「2年以内に釜石沖でM4.8の地震が発生する確率は99%」と予測し、実際に2001年11月13日に釜石沖を震源とするM4.8の地震が発生しました。これは膨大な地震波を綿密に調べた結果、釜石沖で5年周期でプレートがズレる場所(アスペリティ)があることを突き止めた結果でした。

 その東北大学の研究者も、3.11の大地震は予測できなかったといいます。それは地震観測のデータをとりはじめてから、まったく地震がおこっていない場所だったからだそうです。この研究者が三陸沖で見つけたアスペリティは1300超。しかし宮城県沖だけは、まったくの空白でした。

 それを考えると、いつ・どこで巨大地震が発生してもおかしくない。現に、昨年の7月10日に参議院で行なわれた予算委員会の集中審議で、日本共産党の井上哲士議員の質問にたいし羽鳥光彦・気象庁長官も「(大きな地震は)日本の場合はどこで発生しても(おかしくない)」と答弁せざるをえませんでした。

2012年7月10日の参院予算委員会集中審議は→こちら
井上哲士参議院議員のHPにジャンプします(議事録あり)

 そういう危険な場所には原発はいらない・・・とあらためて思ったのでありました。


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大飯原発「巨大地震の可能性ある」(気象庁長官)~共産・井上議員「新しい安全神話」と政府に詰め寄る

2012-07-10 21:20:56 | 原発問題

 今日、参議院で行なわれた予算委員会の集中審議で、大飯原発の安全性に大きな問題があることが改めて浮き彫りになりました。質問に立ったのは井上哲士議員(共産党)。

 井上氏は、国会の事故調査委員会の「福島で安全上重要な機器の地震による損傷がないとは確定的にはいえない」という報告をとりあげ、「大飯原発の再稼動の根拠は崩れた」と指摘。答弁に立った枝野経産相は、「地震による損傷がないという認識ではない」「地震によって損傷があったか確定的なことはいえないが安全上問題なかったと判断している」とし、3.11以後も原発の基準地震度を見直していないことを認めました。

 さらに井上氏は、2007年7月16日に発生した中越沖地震(M6.8、柏崎市・刈羽村は震度6強)のとき、柏崎刈羽原発では基準地震度450ガルの4倍の揺れ(1699ガル)を観測し、3700件を超える事故や故障が発生したとし、「3.11の数千分の一でも震源によるとこれだけ大きな揺れになる」と指摘しました。

 羽鳥光彦・気象庁長官によると、平成13年~22年の間に日本周辺で起こったM6~M7.9クラスの地震は年平均20回、昨年は3.11の余震と周辺地域の地震活動の活発化により116回発生しているとのこと(井上議員への答弁)。

 井上議員「日本ではこの場所は絶対に地震がおきないという場所はあるか」

 羽鳥長官「小さな地震を含めれば一般論としては全国どこでも地震が発生する」

 井上議員「この場所は大きな地震は絶対ありません、ということは言えるか」

 羽鳥長官「そのようなことをいうのは科学技術的に難しい。日本の場合はどこで発生しても(おかしくない)」

 日本のどこでも大きな地震が発生する可能性がある。「そういうなかで原発の安全をどう考えるのか」と切り出した井上議員。ストレステスト提出済みの原発のすべてが、過去に原発で観測された最大加速度(柏崎刈羽原発の1699ガル)を受けると「炉心溶融にいたる限界点を超える」「大飯原発3・4号機だと柏崎刈羽1号機が受けた4分の3の揺れで限界点を超える。大飯原発でこういう地震がないと言えるのか」と迫りました。

 答弁に立った枝野経産相は大飯原発と柏崎刈羽の地下構造は違い大飯原発は地震に耐えられると答弁、井上氏は「中越沖地震のときも地震のあと断層があったとか過小評価だということがわかった。全国の原発直下の活断層が次々と明らかになっている。日本海側の研究は来年度からだ。そういうもとでなぜ大飯ではそういうことが起こらないといえるのか。これは新しい『安全神話』だ」と詰め寄りました。野田首相は「新たな知見があればそれをふまえて対応していきたい」と答弁するにとどまりました。 

 大飯原発直下を走る断層についても、「原発建設当時には活断層ではないという評価だった。新しい知見がでてきたわけではない」(枝野経産相)。「なぜ再調査しないのか」と質す井上議員に「公開の意見聴取会で議論する」としたものの調査については言及しませんでした。

 「新しい知見」は、調査してこそ出てくるものではないでしょうか。それとも柏崎刈羽のときのように、地震が起こって「新しい知見」が出てきたら対処するとでも言うつもりなのでしょうか。安全性が担保されない原発は、再稼動すべきではないと痛感しました。

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国民の声はペンよりも強し~「東京新聞」の「反省文」に思う

2012-06-21 18:30:17 | 原発問題

 今月15日、福井県知事を交えた関係閣僚会合によって関西電力大飯原発の再稼動が決定されようという緊迫した情勢のなか、1万人を超える人たちが首相官邸を取り囲み抗議と怒りの声を上げました。

 「しんぶん赤旗」は、この行動を「大飯再稼働許すな 官邸1万人包囲」と翌日の1面トップで報道(→こちら)。ところが、「在京大手メディアは、「朝日」が1段見出しで、ほかは「読売」「毎日」「東京」「産経」も、NHKをはじめとしたテレビ各局も、黙殺しました」(「しんぶん赤旗」21日付)。

 当日はマスコミ各社が現場に駆けつけていたとのこと。そのマスコミがなぜ報道しないのか? ツイッターにはマスコミを批判する書き込みが相次いでいます。

「これだけ大規模な集会をどうしてメディアは報道しないのか。どのメディアも中立ではないのが残念」
「首相官邸前に1万2千人集まった抗議集会を日本のマスメディア全てが黙殺した」
「取材に来ないのはたんに取材に来ないってだけだけど、撮りまくってんのに流さないって、端的に言えば検閲だよね」
「あんなに沢山(たくさん)のカメラはなんの為だったんだろうね。報道しないんなら、あの場所の分、抗議の人が官邸正面に来れたのに」
「首相官邸を1万人が包囲するなんて、日本の現代政治史に残る出来事だと思うが、在京の新聞・テレビには見えないらしい」
「なんだ、まともなのは赤旗だけか!」
「赤旗しか報じてないってどういうことよ」
「私は共産党支持者ではないがたまたま赤旗新聞に不思議な記事を見つけた。大飯原発稼働反対で首相官邸前に11000人規模のデモがあったようだが大手5紙もテレビ局も一切の報道がなかったが何故か? 国家権力による報道の自由の規制か? ここは北朝鮮?」
「メディアが沈黙した時、権力は暴走する!」
「赤旗だけが報じるこの国のマスコミ異常」

※青字の部分は「しんぶん赤旗」21日付より引用しました。私がRTした投稿もありますね^^

 インターネットの動画投稿サイトYouTubeには、当日の動画が投稿されています(→こちら)。最後には撮影者が思わず泣いてしまうほどの感動的な動画です。私も拝見していてこみ上げてくるものがありました。再生回数はすでに10万回を突破しています。

 「再稼動反対」の声を黙殺したマスコミ批判が広がるなか、「東京新聞」が当日の行動を報道しなかった「反省文」を紙面に掲載しました(21日)。

 「再稼動抗議デモの不掲載について」と題された「反省文」は、読者応答室長名で「応答室だより」という形で掲載されています。これによると、「再稼動決定前夜のデモは当然報じるべきでした」「掲載に圧力がかかったわけではありません」「連絡ミスで、当日、現場に出向いた記者がいなかったのです」とのこと。

 もともと「東京新聞」は、五大紙(「朝日」「読売」「毎日」「産経」「日経」)と比べると、政府発表を垂れ流すのではなく、それに疑問を投げかける報道が少なくなかったメディアのひとつです。「連絡ミス」で報道できなかったという点ではジャーナリズム失格ですが、「反省文」は多少なりともジャーナリズムとしての良心が残っていることをしめすものかもしれません。

 さて、「異例」ともいえる「反省文」が掲載されたのには理由があります。「反省文」には、こうあります。「本紙の翌十六日朝刊には、このデモを報じた記事や写真はなく、読者の皆さんから左記に代表される批判が百件以上寄せられました」(「反省文」の左には読者から寄せられた批判と抗議の声が掲載されています)。世論がメディアを動かしたのです。

 先に引用したツイッターの書き込みにもあるように「メディアが沈黙した時、権力は暴走する」・・・このことを私たちの先人は70年前に経験ずみです。「ペンは剣よりも強し」という言葉がありますが、「国民の声はペンよりも強し」と実感しました。

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こどもの日の最高のプレゼント~原発ゼロに

2012-05-05 14:58:43 | 原発問題

 今日はこどもの日。現在の、そして未来のこどもたちに大きなプレゼントがある日です。今日、5月5日夜、北海道電力泊原発3号機は定期検査のために運転を停止、国内のすべての原発が停止し「原発ゼロ」となります。すべての原発が停止するのは商業用原子炉が稼動して以後、はじめてのこと。福島原発の事故以後、「子どもたちを放射能汚染から守ろう」という世論が全国各地で沸き起こりました。

 「一瞬でも」原発ゼロにしてはならないという閣僚の暴言もとびだすなか、民主党政権は福井県・大飯原発の再稼動のために、安全基準の見直しというあtってはならないことまでしても原発再稼動はできませんでした。政府や関西電力は、今夏の電力不足を理由に大飯原発の再稼動への動きを強めていますが、電力供給を過小評価し、電力需要を課題に見積もるなど「原発再稼動先にありき」のやり方に、反発も強まっていました。

【参考】原発ゼロでも電力不足にならない

環境エネルギー政策研究所の試算
http://www.isep.or.jp/library/2793

日本総研の「政策観測」
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/policy/pdf/6033.pdf

 本来なら、電力不足よりも住民の安全を優先すべきだと思うのですが・・・。ともあれ原発ゼロになるのですから、原発に依存しない電力政策へ転換する絶好の機会にではないでしょうか。

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チェルノブイリ・ハート

2012-03-16 23:07:48 | 原発問題

 3月25日(日)午後1時から、長野県大桑村野尻地区館にて「チェルノブイリ・ハート」の上映会が行なわれます。Twitterでこのことを発信した関係で、「チェルノブイリ・ハート」を早速、鑑賞してみました。

 この映画は、1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故後に、周辺地域で住民、とりわけ子どもたちにどのような健康被害が生じているのかを追ったドキュメンタリーです。2006年に国連総会でも放映されたほか、3月17日には再上映も決まっているそうです(公式HPは→こちら)。タイトルの「チェルノブイリ・ハート」は、チェルノブイリ原発周辺の子どもたちに現われている心臓疾患を意味しています。

 福島原発事故から1年ということもあり期待をもって観た作品ですが、物足りなさを感じました。全編を通じて、放射線が人体に及ぼす負の影響の大きさについては十分伝わってくるのですが、「フクシマ」後の日本で上映するにはこれだけでは不十分と感じたのです。

 原発がいったん事故を起こせばこれだけの被害を長期間にわたって拡散するという「啓発」にはなると思います。「原発ゼロ」の世論をつくるうえでも役立つと思います。仮に福島原発の事故の前にこの映画を観ていたなら、私も賞賛の拍手を送ったに違いありません。

 しかし、福島原発の事故は、状況を大きく変えました。放射線被害に対する不安は可能性から現実になったのです。こういうときに、ことさら放射線被害の恐怖だけを描くのが妥当なのだろうか・・・という疑問が私には拭い去れないのです。

 もちろん、過酷事故を引き起こす原発がないにこしたことはありません(私は原発ゼロが望ましいと考えています)。しかし、いまの日本では、万一被曝したらどうすればよいのか、できるだけ被曝しないようにするにはどうしたらよいのか・・・放射線被害の恐ろしさと同時に、このことを考えなければならないと思うからです。

 その点では、「福島後」への提案と対策を打ち出している「放射線内部被爆から子どもを守るために」(発売元:合同出版)はオススメです。

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松本市で行なわれた反原発パレードに行ってきました

2012-03-11 18:49:54 | 原発問題

 長野市でも同様のパレードが行なわれましたが(参加者は1000人だったそうです)、私は職場のみなさんと一緒に松本市で行なわれたパレードに参加しました(こちらは1800人)。早お昼をすませ職場を出たのが12時、開会の1時間前には会場の松本城に到着。松本城に来るのは、本当に久しぶりです。

 パレードするにはうってつけの陽気だなぁと思っていましたが、だんだん涼しくなってきました。集会が始まるころには寒いくらいに・・・。それでも会場は熱気につつまれていました。メーデーをはじめ、このような集会やデモには何度も参加していますが、今日の集会はいつも参加する集会とはちょっとようすが違う感じ。乳母車を押した若いお母さんが多かったことが印象に残っています。

松本城の天守閣を入れたかったのでこのアングルになりましたが・・・
写真右手がメインステージ。そちらのアングルの写真がないのが残念^^;

池田国昭さんのHPから拝借しました(http://www.mhl.janis.or.jp/~k-ikeda/

 集会では福島県から避難されている方からの発言もありました。頭ではわかっているつもりでしたが、やはり生々しい訴えは迫力があると同時に胸につきささります。この発言を聞いて、参加者の誰もが「反原発」の思いをいっそう強くしたことでしょう。

 さて、この松本市の集会・パレードをはじめ、昨日、今日と長野県では15ヶ所以上で原発について考えるとりくみが行なわれました。もちろん全国各地で同じようなとりくみが行なわれています。以前、お世話になった三鷹市議の大城美幸さんのTwitterでは懐かしい井の頭公園での集会のもようを知ることができました(→こちら)。こちらは8000人だったそうです。

 松本の集会では、日本だけでなく世界の14ヶ所で同様の集会・パレードが開かれているとの報告もありました。福島原発の事故を契機に、国として原発からの撤退を決めたドイツでも、政府をうごかしたのは市民の力だったとのこと。日本でも政府をうごかすことができる!!いえ、うごかさなければいけないと感じさせられた集会でした。

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原発の闇/原発の深層

2012-03-10 17:31:33 | 原発問題

 九州電力の「やらせ」メールをスクープした赤旗取材班が原発を取材したルポルタージュ。

 「原発の闇」では、九州電力のやらせメールがどうして起こったのかに始まり、アメリカから日本に原発が持ち込まれた経緯を詳細に明らかにしています。同時に政府や財界が、どうして原発を推進してきたか・・・その裏側を追います。

 「原発の闇」の第2弾ともいうべき「原発の深層」は、いわゆる原発マネーの流れとともに、巨大な利権集団が国民の安全と引き換えに巨大な利益をむさぼってきた事実を告発しています。

 3.11から1年。あらためて読み返しても、読み応えがあります。ここまで真実に迫れるのは「しんぶん赤旗」取材班ならではでしょう。ジャーナリズムの真髄が感じられる作品です。

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長野県内の反原発パレード・集会

2012-03-07 19:27:23 | 原発問題

 まもなく東日本大震災、福島第一原発の事故から1年となります。1年目の3月11日にむけて、全国各地で反原発のとりくみが行なわれるようです。

 長野県では、松本城公園で行なわれる「NO!原発 脱原発 サラバ原発 3・11長野県大行進」をはじめ、県下各地でパレードや集会、映画上映会、被災者の話を聞く会などが計画されています。

 各地の取り組みは下図のとおりです。

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長野県上田市の反原発集会&パレード

2012-02-21 20:31:56 | 原発問題

 上田市でも3.10~3.11にかけて「原発を考えるつどい」や反原発「パレード」が行なわれます。

■3月10日 つながる3.10パレード
 午前10時 やぐら下芝生広場(→こちら集合
 10:30~パレード(会場→駅前方面→松尾町→中央2丁目スクランブル→市役所→会場

■3月11日 いのちと原発を考える3.11のつどい
 午後1時30分~
 上田市勤労者福祉センター3F大会議室
 【託児所あり:託児は事前予約必要。無料】

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原発ゼロまで あと2基

2012-02-20 19:04:52 | 原発問題

 関西電力高浜原発3号機が定期点検のため運転を停止しました。これにより現在運転中の原発は、東京電力柏崎刈羽原発6号機(3月26日運転停止予定)と北海道電力泊原発3号機(4月末運転停止予定)の2基となりました。

 報道によると、原発の全基停止は「前代未聞の事態」(ロイター)とのこと。「goo辞書」をみると、「前代未聞」とは「これまでに聞いたこともないような珍しく変わったこと。また、たいへんな出来事」とあります。おそらく記者氏は「たいへんな出来事」の意味で用いたのでしょう。

 配信されている記事をみると、今年夏には電力の供給不足が生じる、原発が稼動しなければ代替エネルギーのコストがかさむ、実質GDPを押し下げる可能性があると、「たいへんな出来事」なのだという印象もうけます。さらには民主党国会議員の「政府は需要に見合う供給態勢を確立する責任を負っている」という声を紹介し「再稼動は必要とする声も聞かれる」としています。

 政府が再稼動の根拠にしているのが「ストレステスト」。記事でも政府と電力会社が行なう「ストレステスト」に「根強い批判」があるとしていますが、「再稼動は予断を許さない状況だ」と「再稼動先にありき」の感を受けます。

 そもそも「ストレステスト」は、過酷事故が起こるまでにどのくらい余裕があるかを推定するもので、万が一事故が起こっても安全だという保証ではありません。もちろん、政府が「需要に見合う供給体制を確立する責任」を負っているのは事実でしょう。しかし、それと同時に国民の生命と財産を守る責任を負っていることも疑いのない事実だと思います。両者を天秤にかけることはできないのかもしれませんが、どちらに「重き」を置くかで政府の資質が決まるような気がします。

 さて、この記事が配信されるおよそ4時間前。「毎日新聞」(電子版)が、福島第一原発の事故を契機として「原発からの撤退」を決意したドイツが、国内17基の原発のうち約半数にあたる8基を停止したにもかかわらず、電力輸入量よりも輸出量が多い輸出超過になっていたことを報じています。

 もちろんドイツの場合、「原発ゼロ」が実現したわけではありませんが、「昨年のドイツの発電量に占める原発の割合は約22%から18%弱程度に低下する一方、再生可能エネルギーは約20%に上昇した」点には日本も学ぶ点があると思います。「毎日」の記事では、「日本では再生可能エネルギーによる発電量(10年度)は全体の約10%にとどまり、太陽光や風力など水力以外の新しいエネルギーは約1%に過ぎない」ことが指摘されています。原発依存の体質が、再生可能な自然エネルギーの研究・開発を阻害しているのではないでしょうか。

なぜ原発依存から抜け出せないのか・・・「毎日新聞」の特集は一見の価値ありです。日本の原発政策が、世界からみても「異常」だということが分かります。

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