
渋谷区東二丁目に鎮座する氷川神社。古くは氷川大明神と称し、旧渋谷村、下豊澤村の総鎮守であったといいます。
慶長十年(1605年)宝泉寺の住職実円が記した「氷川大明神縁起」によれば景行天皇の御代皇子日本武尊東征の時当地に素戔嗚尊を勧請したのが始まりと伝わります。

その後嵯峨天皇の弘仁年中(810~24)慈覚大師が宝泉寺を開祖し同寺が別当となりました。天明二年((1782)正月阿部備中守へ差し出した書類の中に別当宝泉寺の内裏から出火し炎上したことが記されていて、宝物等はこの時に失われたと考えられています。




江戸名所図によれば御神木とされる古木があり「常盤松」と呼ばれ、常盤御前の手植えによるものとする伝承があるそうです。すでに枯れて古株が残っていたそうで「常盤松」と呼ばれるようになりました。

九月二十九日の例際にはかつて大相撲が開かれ「渋谷相撲」「金王の相撲」と呼ばれ将軍家でさえも見に来たとも伝わります。

昭和十三年建立の檜造りの社殿は空襲によっても罹災せず、都内有数の木造神社建築を誇ります。

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