皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

スマートメーターの未来

2021-01-12 20:53:16 | 物と人の流れ

 2016年から始まった電力自由化以降、通信機能を備えた新しい電力メーター「スマートメーター」の普及が進んでいます。進んでいますといってもこの3月までにほぼ100%近い区域で切替工事は完了するとのことでした。

「エネルギーもサービスで選ばれる時代」こんなフレーズが叫ばれて暫く経ちます。大好きなラジオのスポンサーに【○○産業の〇〇くるがー来る~~~】というのがありますね。

 そもそも電気使用量を測るメーターに求められるのは安心、安全、公平性といった旧来の普遍的価値観であったと思いますが、通信機能を備えることで、また新たな利便性が図られると謳っています。

まず何よりも人による検針が不要になること。これまでは毎月検針員の方が回ってきましたが、自動検針と電気使用量のデータが通信可能となり、人の訪問がなくなります。デジタル化は省力化、即ち人による作業をなくしていく。これはどの業界にいても共通することだと思います。

交換にきていただいた電気技能作業員の方にお茶を出しながら、色々と話をきくことができました。

利点の一つにメーターそのものがブレーカー機能を有し、アンペア数以上の供給を止めるため、屋内のブレーカーが不要となるとのことでした。電気の使い過ぎでブレーカーが落ちても、デジタル計測器が自然復旧させるそうです。

 作業員の方は社名は似ていても東京電力の社員でなければ、関係子会社でもないそうです。こうした各家庭の検針機の交換工事を東京電力では入札によって決めるそうで、以前は都内の多くの区域を担当していたそうです。

 ところが今年度の入札で務めている会社が都内での仕事が取れず、変わって北埼玉中心に動いているとのことでした。

お茶飲みながら(屋外での距離をとって)話は仕事の苦労も聞こえてきます。都内ではスマートメーターに対する拒否事例も多く、交換中にパトカーを呼ばれることもあったそうです。(電磁波による影響を指摘する人もいます)。また工事設備機器と積んだ車両を停めるのにも苦労し、パーキング代と仕事の報酬が合わなくなることもあるそうです。

 そもそも電気工事技術者として会社との雇用形態を歩合制を選んでいるとのことでした。私も営業職を数年やりましたが、歩合制ではありませんでした。個人事業主的な立場で仕事をするほうがやる気が出るそうです。こういう気概のある人は何をやっても生き抜く力があるように感じます。

だからここ北埼玉での仕事は人柄も温かく、敷地も余裕があることから電気工事技師にとってとっデータはとてもやりやすいと話してくれました。

デジタル化がどんなに進んでも取り扱う人の心までは変わらない。

そういう世の中であってほしいと思います。

 

 


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