皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

人斬り半次郎

2018-12-03 21:54:47 | 神社と歴史
大河ドラマが大詰めを迎えている。幕末から明治維新を駆け抜けた西郷隆盛の生涯を描いている。構成に関して意見もあるようだが、毎週楽しみにして見ている。一年間、その時代を旅する様な感覚だ。
いよいよ西南戦争に突入したが、主人公西郷吉之助の右腕として、その最後の内戦を指揮したとされる、桐野利秋。元の名を中村半次郎といい、貧しい士族の家に生まれ苦労して生き抜いた様子がドラマでも描かれていた。幼少期に芋泥棒として捕まりながら、剣術で捕まえた相手を叩きのめし、西郷に芋泥棒のラッセンボと言われていた。今回の大河で桐野を演じているのは、大野拓郎。さいたま市出身でとてもカッコいい。すっかりファンになってしまった。
西郷に軍人として見出され、明治陸軍の近衛将校とまでなったが、明治六年の政変で、西郷が薩摩に帰ると、桐野もその地位を捨て私学校で後進の指導をしながら、一生朽ち果てる覚悟で百姓となった。前回の放送で、政府の密偵を突き止め涙ながらに西郷に詰め寄る場面が最高だった。廃刀令で、士族の魂である刀を差し出し、録を廃止されて生きる術も奪われ、最早士族の生きる場所はない。ましてや、西郷の命を狙われては、命を捨てて立ち上がるしかないと西郷に迫った。
わかったと言って立ち上がる西郷。
いよいよ最後の戦いに向かって行くのだが、薩摩軍の実質の指揮官は、桐野利秋だったとされる。新撰組の土方歳三にも恐れられていた、人斬り半次郎であったが、指揮官としては無力であったとも伝えられている。田原坂の本体とは別に山麓方面で政府軍と激突した桐野利秋部隊。最後の戦いがどう描かれているのか、あと二回の放送が待ち遠しい。
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3 コメント

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食わせ者 (中野一郎)
2018-12-12 16:33:12
僕も面白く見ています。殊に新政府になってからの、日本の近代化を巡るリーダー達の意見対立の場面が新鮮でした。近代化を進歩の印と思い込んで来た世代の一人として、どれ程酷薄であっても、大久保に惹かれます。どうして、岩倉使節団が帰ってくるまで、西郷さんが他を抑え切れなかったのかな?と残念に思いながらドラマを見ていました。渡辺京二氏の西郷論が面白そうなので、いずれ読んでみたいと思います。
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維新の三傑 (青木孝茂)
2018-12-13 00:32:10
私は情にに流され安く、浅学故にドラマの作り手の思惑通り、主人公西郷吉之助に感情移入してしまいます。
一方三傑とされながら、今回はあまり目立たない木戸孝充。実務能力に長けながら病に倒れたことが惜しまれるとともに、やや大久保の揚げ足取りに走ったとも聞いたことがあります。三人の没年は近く、また私と同年代で亡くなっていることに深い感慨を覚えます。
最終回の放送が楽しみです。
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不平士族 (中野一郎)
2018-12-13 12:29:36
高杉晋作の組織した奇兵隊の強さを知っている筈なのに、何故、西郷さんの取り巻き達が、平民で組織された新政府の国軍の力を過小評価したのかが分かりませんでした。彼等は、徴兵制、廃刀令、秩禄処分にショックを受けた様ですが、僕には、全て当たり前に見えるのです。:-)僕の曽祖父は、下級武士として秋月の乱に加わり罰を受けるのですが、時代遅れの感がしたものです。近代化に懐疑的な渡辺氏の西郷評価は、違っている様です。
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