皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

人生の三大資金と識者の本音

2022-04-04 23:26:36 | 物と人の流れ

四月は新年度スタート月。新たな環境で仕事や学生生活をスタートする人たちも多いことだろう。コロナ禍でやや経済活動も停滞しているが、多くの職種では日常の業務はおおむね廻っているのではないか。
マクロ経済というと個人の感覚とはかけ離れてしまうけれど、結局は国内のおいては人口の増減と共にスライドしてきたのではないかと思う。要するに人が動いてこその経済で、人口減少を国際化のどさくさでインバウンドと留学生実習生制度でごまかそうとしていた施策がやや行き詰まったところに、大きな国際紛争が起こっているのが現状ではないかと思う。粗い見方かもしれないが。
少子化で子供の絶対数は減っている。それより地域間格差のほうが明らかに問題だ。というより過疎化の進んだ地域では中学校までの義務教育を地域で担う体力がすでにない。多くは学校の統廃合でしのいでいるが、近い将来教育を受けられる地域は限定してくることは火をみるより明らかだろう。当事者以外だんまりを決め込むでいるだけのように詞か思えない。
前段が長くなってしまったが、今日のラジオの経済情報番組のテーマは「人生の三大資金」について
①老後資金
②教育資金
③住宅資金
①老後資金について二千万不足しますと御上が認めてしまったのは何年前だっただろう。マスコミが焚き付けて大きな話題になった。
②と③について今現在当事者であるので、こうしたブログ考えを書きにくい。
ただし住宅資金について言えるのは、現在の金利政策において、日銀が緩和策を継続するということは、金利が上がっては困る人が多すぎるからに思えて仕方ない。現状住宅ローンを組んでいる人の八割くらいの人が変動金利を選んでいるのではないか。2007年のアメリカサブプライムローンの二の舞を回避しているように思えて仕方ない。
月はじめでこうした三大資金に関する番組担当者の考えが聞けなかった(明日以降の放送)が残念だったが、非常に印象に残った点がひとつ。老後資金の問題では公的年金の受け取り開始時期が密接に関係してくる。現状65才需給であるが、75才まで需給開始を送らせれば突き当たりの支給額が大幅に増えるようになり、一定の年齢を過ぎると、総支給額が上回る仕組みということにつて。
60才前後の番組パーソナリティーの経済評論家はこの事について、70歳年金支給開始は年金制度破綻(あるいは延命)をごまかす手段に過ぎないと言っていた。その年齢の当事者にとって70才まで給付を受けられないという事実は、ほとんどの人にとって選択の余地はないのではないかと思う。「人生100年時代」という言葉だけが一人歩きしているだけだと思う。
17年後の2039年までは絶対に生き延びたいそうだ
なぜならその年アメリカのケネディー大統領暗殺事件に関する機密文書が公開されるらしい。
そのとき私は67才。文書は知ることになるが、場合によっては年金を需給できないかも知れないのだ。
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神社建築について②千木と鰹木

2022-04-04 20:37:59 |  久伊豆大雷神社

神社建築の特徴として屋根の装飾が挙げられる。
屋根の両側にV字状に伸びる二本の木を『千木』(ちぎ)、屋根の上に水平に置かれた丸太上の木を『鰹木』(かつおぎ)と呼びます

伊勢神宮に見られる神明造を見るとよくわかります。
千木、鰹木とも古代では皇族や豪族の住居にも用いられましたが、現在では神社建築にしか見られません。古代の建築様式を現在に伝える神社特有の形式です。
神社検定テキスト『神社のいろは』によれば
『千木』は古代において家屋をたてるため木材を左右より交差して結びとし、そのまま切り捨てなかったことに由来するとあります。またチギは『風木』という説もあって風除けのためのものではなかったとも考えられています。

同じく『鰹木』はもともと茅葺や檜皮葺などの吹屋根を抑えるために置かれた木で、形状が鰹節に似ていることから名が付きました。勝男木とも書きます。千木鰹木とも装飾的な理由から発展し、神社の神聖を象徴するものだとされています。

千木の先端を地面に水平に切ったもの(上向き)を内削ぎ、垂直に切ったものを外削ぎと言います。
神社豆知識などで取り上げられますが
千木が内削ぎで鰹木が偶数・・・女性神
千木が外削ぎで鰹木が奇数・・・男性神
と言いますが、必ずしもそうとは限らないそうです。
奈良時代以に形成された『神明造』『大社造』には千木鰹木ともに装飾として見られますが、以降形成された『住吉造』『春日造』『流造』などには千木しか見えないか、どちらの装飾もないことがほとんどです。

当社においては外の母屋は八幡造(流造)で千木も鰹木も見られませんが、内殿の本殿は久伊豆社、大雷社とも神明造で千木と鰹木の装飾が見られます。鰹木は奇数(三本)で千木は外削ぎですので男神。通説に沿った形で非常によく神社形式を伝えているようです。


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雨の日の桜に思う

2022-04-04 20:17:14 | 心は言葉に包まれて

卯月に入りあっという間に桜の花も散り際を迎えようとしています。今日月曜日は雨となり、寒の戻りもあってどんよりとした雲と桜色のコントラストを眺めていました。通常吉野の桜は開花から一週間前後で満開を迎えます。散るのに同じほどかかるのでしょうか。ここ数年暖かかったせいか、開花から満開までの期間が短く、あっという間でしたが、今年は寒さのためかやや花の咲いている日数が長いように思います。

桜が美しいのは、自分で立っているからだそうです。普段は太く黒い幹が一年を通じて大地に立っている。誰の手も借りず凛々しいたたずまいで。
桜の花が愛されるのは、儚く散る花が人の営みに重なるから。
『散ることを知りながら咲くことを恐れず』
今朝のラジオでそんなことを聞き、調べてみると詠み人知らずとして引用されている方がいました。
その通りだと感じます。終わることがわかっていながら今を精一杯生きる。
自分もそうありたいと思います。
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神社建築について①社殿の形式

2022-04-04 17:49:06 | 神社と歴史

神社の社殿について様々な形式があり、細かい分類により違いがありますが、本殿については大きく二つの様式があります
(神社検定『神社のいろは』より引用)
①神明造

伊勢神宮に代表される形式で古代の原始的な高床式の穀倉の形から派生しています。
②大社造り

出雲大社に代表される形式で古代の住居から派生した形です
大きな違いは屋根の向きに対してどちらから入るかということです。

どちらの形式も屋根は本を開いて伏せた形であってこうした形状を『切妻造』と呼びます
屋根の最頂部を『棟』、三角に合わさったところを『妻』、屋根そのものは『平』(ひら)と呼びます

①神明づくりはこの屋根が面に見える方向が入口(正面)になりますので『平入り』という構造です
②大社造りは屋根が三角に見える方向が入り口(正面)になりますので『妻入り』という構造です

①の神明造から派生したのが『流造』です
京都の上加茂、下鴨神社に代表される形式で全国の神社形式として最も多くみられる形です。
正面を構成する平(屋根)幅を柱と柱の間の数で規模を表し、正面が三間ならば三間社流造と呼びます。
神明造にみられる屋根の上の千木や鰹木が見られず、質素な作りが特徴です。
①神明造からの派生した主な作りは・・・流造・八幡造
②大社造から派生した主な作りは・・・住吉造・春日造
 春日造は近畿圏に多く見られる形式です。

当社(久伊豆大雷神社)は拝殿と本殿がともに切妻造平入の建物二棟並んだ形式で所謂八幡造に相当します。
よって八幡神に多く用いられる巴紋も多くみられます。但しこれは母屋としてのつくりであり、母屋内の本殿(一間二社造)は流造であり、且つ神明造にみられる屋根(棟)上の千木と鰹木も見られます。非常に興味深い造りとなっています。

(千木と鰹木に続きます)




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