桜の開花が目前に迫る弥生二十日。
太陽が真東から昇り真西に沈むことから昼と夜の長さが同じになる。
古来日本においては極楽浄土が西にあると考えられ、太陽が真西に沈むこの日にこそ最も極楽浄土に近づける日として、仏事を行うようになった。
春の彼岸は春分を挟んで七日間を指し、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる通り、穏やかで過ごしやすい季節。
農家にとっては春分を境に種蒔きが始まるという。
ところで春分の日は太陽が春分点(黄経0度)を通過する日であり、年によって異なることから毎年2月1日付けの官報に翌年の春分、秋分の日が発表される。天文学に基づく年ごとに異なる国家の祝日は世界的にも珍しいという。古来より農耕生活を基盤とした日本らしい祝日ともいえる。
極楽浄土にいる祖先と直接対話できる日が春と秋に二回訪れる。祖先あっての私たちの今。感謝の心を忘れずにいたいと思う。