第39回報知映画賞で助演女優賞に輝いた元AKB48の大島優子(26)が昨年6月のグループ卒業後、初めて映画主演することが14日、分かった。今秋公開の「ロマンス」(タナダユキ監督)で特急ロマンスカーの販売員役。大倉孝二(40)演じる映画プロデューサーと箱根の観光名所を巡り人生を見つめ直すロードムービーで、ラブホテルでのベッドシーンにも挑戦した。
国民的グループの元エースが、特急の販売員から女優人生の本格スタートを切った。
大島の初主演映画は大涌谷、芦ノ湖など箱根の観光地を巡るロードムービー。小田急の特急ロマンスカーの販売員・北條鉢子が映画プロデューサーの桜庭(大倉)と何年も会っていない母親を捜すうちに、人生を見つめ直す物語だ。
鉢子は、仕事はしっかりこなすが、優柔不断で自分に自信を持てない平凡な女性。栄光のAKB時代とは正反対の地味なキャラクターだが、昨年11月に行われた約2週間の撮影には「生きざまをさらけ出して、人生全てを懸ける」という強い決意で臨んだ。
決して表情が豊かなキャラクターではないが、繊細な演技で喜怒哀楽を表現。ひょんなことから桜庭とラブホテルに泊まることになり、ベッドシーンにも挑んだ。ふがいない自分の人生を振り返り、感傷に浸っているとき、桜庭に押し倒される場面にも「アイドル色を消して鉢子になりきろう」と心に誓い、体当たりで演じきった。
映画主演はAKB時代の「テケテケ」(09年公開)以来6年ぶり。蒼井優(29)主演の「百万円と苦虫女」(08年公開)など女性の心情を描くことに定評のあるタナダユキ監督(39)からオファーを受けた大島は「主演ということで不安な気持ちになったのですが、監督がタナダさんと聞き、一気に喜びに変わりました」。“AKBのセンター”という看板を下ろして、ゼロから取り組んだ作品に「こんな穏やかな気持ちで撮影を終えられた作品は初めて。今でも鉢子がいとおしい」と振り返った。タナダ監督は「自分が良く映ろう、ではなく何をすべきかを最優先する。太陽のような人でありながら、月にも星にも変化できる」と称賛した。
「紙の月」で報知映画賞、ヨコハマ映画祭のほか、この日、日本アカデミー賞優秀助演女優賞も受賞した。女優の道をまい進する大島が主演映画で新たな可能性を見せる。
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