宝のストレス曲線ということで、暗い感情のストレス曲線についていろいろ考えてきたが、先日、東京国立博物館からの帰りにふと寄った本屋さんで或本に出合った。それはソーシャルビジネスに関する本であった。私も50歳代になって暫くし大企業を辞めて全く異なる世界に入ったが、それは今で言うソーシャルビジネスの分野だったのかなと、ぼんやりと思いながらその本を読んでいる。そして、読み進むうちに元気がでてきたのだ。
暗い感情・・ストレス曲線の中に居るとき、のんびりとする時間は必要だ。親しい友人や身内に本音を聴いてもらう(批判されないのが一番)。あるいは先日のように一人で東博に寄ったりし美と出合う。そんな時に今までお化けのように見えていた現実世界が一転し女神の微笑みを見せる。その本を読むうちに考え方が整理され、多分考え方がどこかで(無意識の世界を含め)変わったようだ。
今までストレス曲線のお話をしてきたが、いつの間にか不思議な愛との関係を感じた方もいらっしゃるかもしれない。「生き甲斐の心理学」は哲学や宗教ではないので愛の定義は通常こんなふうである。「心理療法の世界での愛とは、クライアントが体感する愛、意識できる愛、知覚できる愛を、愛といいます」「生き甲斐の心理学」植村高雄著 2008年第3版 P121より。
ただ、愛についてはいろいろ考えを深めるほうがストレス曲線を理解する上でも良いので、いろいろ楽しく思索してきた。私はカトリック信者なので神学などを素人ながら勉強したりするが、心理学関係の学者の見解も時々考える。その中で既に亡くなられているが、米国の心理療法家のスコット・ペックの次の定義は私の好きな定義だ。「愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を拡げようとする意思である」「愛と心理療法」(M.スコット・ペック著、訳 氏家寛・矢野隆子 創元社1987年)。
この意見からすると、今回の本との出会いにより考え方が変わるのは一つの成長といえるかもしれない。一般企業にいればそれなりの価値観に守られるが、NPO活動や半分ボランティア的なサークル活動や最近で言えば縄文小説など・・・自分の中で漠然と育ってきた思考や行動は何だったのだろうかと。利益だけを追求するのではなく(それはけじめとして必要なのであるが)、なんらかの社会的意味を中心にしていたかもしれない。なんとなく整理されてきたようだ。そして、より広い世界で考えることができるようになってきたようだ。「考え方が変わると世界が変わる」これは「生き甲斐の心理学」でよく言われる言葉だがあらためて新しい世界を見始めたようだ。
これは、何も現代の私だけではなく古代にも当てはまるのだろう。東博で見た聖林寺十一面観音は7世紀初頭に作られたようだ。律令制度とともに神仏融合の世界が開け三輪山の麓に神宮寺の本尊とともに安置される。そこには、弥生時代(当然それ以前の縄文世界も反映)からの信仰の伝統も流れているだろう。そして新しい観音像が凜として信仰の対象になっていく。持統天皇、額田王や三輪高市麻呂はこの像とどのように関わったのだろうか。妄想はつきない。
たまたま東博の同じ本館2階に展示されていた縄文中期の香炉型土器(釣手土器)。この裏と表と違う姿を見せる(人面もあるがそれ以外も)土器は何をきっかけに作られるようになったのだろうか。その時の縄文時代の人々の心の変化や考え方の変化はどうだったのだろうか。これまた、いろいろ考えてしまう。記録としてなにも無いが大きなドラマがあったことは間違いない。
10/10 宝のストレス曲線
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