感情の激流の中で、自己実現を目指して進みだしても、うまく行かないことが多い。昨日のブログように心理学というより宗教や哲学の領域で思索し未来に向かって進むのも一つだが、さまざまな不安がいろいろ巻き起こる。
生育史からくる不安感も凄いものだと思う。過去の挫折や失敗などから不信感、疑惑感、罪悪感、劣等感、自己混乱感、孤立感、停滞感、絶望感などが湧きおこり、自分の進むべき道が見えなくなり、渦に巻き込まれてしまう。
ところで、過去は変えられないものだということは、良く言われる。しかし、それは一部真実だが、半分は間違いで変えられるものも含んでいると思う。そう思うようになったのは生き甲斐の心理学のお蔭である。錯乱するような過去の感情の断片(自分の意識、無意識の世界に影響)であっても、それは起った事実だけでなく、それを受け止めた自分の解釈があると考えると腑に落ちる。失敗と思っても、何に対し(理想)、どの程度(現状)だったかを決めるのは自分の思考・解釈にすぎない。その解釈された理想と現実のギャップが不安になる。そんなことで、過去からくる不安も、その原因(理想。現実)が分かり、解釈のロジックが分かれば、新しい解釈により不安が消えてしまうことすらある。あるいは原因が分からないまでも、自分の傾向(私は劣等感に弱いなど)をつかむことで楽になれるところがある(傾向がわかれば、対応がある程度みえてくる)。
過去の不安への対応は、それなりの修行が必要なようで、私自身も生き甲斐の心理学の勉強会で気づくことが多かった。
もう一つ。現在の不安は、計画を立てつつ実施する中での日々の不安。これは、実現に対する夢の熱さで少しづつ乗り越えていける。夢の熱さと、もう一つは劣等感だったら、それを克服するのに大事な勤勉性や技能取得なども大事になったりする。
さて、解釈ということをもう少し考えてみよう。このところ里中満智子さんの漫画、「持統天皇物語 天井の虹」を読んでいるが、対象は歴史だが、解釈ということで何かつながるところがある。この漫画は日本書紀の記述を中心に描かれているが、記述のないところは筆者が熟考し解釈しているのだ。私が持統天皇の成育史で興味を持っている、天武天皇が政権をとり、持統天皇の協力をもとに政治を行っているなかで、持統天皇が病気になる。それがきっかけで薬師寺が誕生するのだが、その実態や背景は殆ど分かっていない。そこをどう解釈するかは作家の腕の見せ所になる。日本書紀の記載事実、そのほかの万葉集などの文献、同時代人の年齢や住処、こんな事実の中から、不思議なことに登場人物がリアルに動き出す。私は、持統天皇に関する小説や歴史家の解釈などいろいろ読み込んできたが、この漫画は一流のものであることは間違いないと思う。ビジネスの企画の技法にシナリオライティングというものがあるが、点としての事実から物語りを作りこんでいくことは、何か物語り以上の真実に結び付いていくように思えてならない。人間のこころの仕組みの中に物語りに関する不思議な特質があるように思えてならない。
持統天皇と草壁皇子、元明天皇、額田王、高市皇子や十市皇女や御名部皇女などの関係に眼を向けると、薬師寺建立のころの何かが動き出す。そして、解釈の質は、幼い解釈もあるが、老賢人の解釈のような解釈もあることに気づかされる。
自分の過去の不安においても、幼い解釈があった。6歳の時の解釈からなる過去の不安(タイムカプセルのように保存された)も、例えば60歳の新解釈で新たな光を与えると全く違うものになる。時には不安が反対の明るい解釈になることも。
感情の激流に掉さす 3/10
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