昨日の昼過ぎに、銀座でのNさんの個展に寄らせていただいた。どれも素敵な作品であったのだが、大きな透けるような和紙を含む重さねた和紙(八女和紙だそうだ)のリトグラフが会場のほのかな空調の風で、時折りふわっと浮く作品は何とも言えず美しくはっとした。
その時、額田王の歌を思い出してしまった:君待つとわが恋ひをればわが屋戸(やど)のすだれ動かし秋の風吹く (万葉集488)
風と言えば、最近は浅草寺などで風神雷神像を見たが、西洋でもプネウマとして命や聖霊をイメージすることすらある。額田王の歌の解釈は、一般に恋の歌、そして恋人(この場合は天智天皇)を待つ寂しさを言うのだが、秋の風吹くのイメージの中に、恋人の死を重複して述べるような深い意味があるのではないだろうか。近江京時代の歌とも言われているが、天智天皇が崩御されてからの歌とするともっと味があるようだ。
実は、先日愛犬が我が家で亡くなった時、別のところで用事をしており、戻ってきて始めて亡くなったことを知った。そして、耳を胸にあてて心臓の音を聴こうとしたが、当たり前だが息の音も心臓の音もしなかった。ただの空洞という感覚であった。その時、命が風、音と繋がっているんだと初めて実感した。
さて、和紙の技術の中には日本独特のものがあるという。紙漉きの技術などは、恐らく一万年以上続いた縄文の森の文化から来ているかもしれない。また、少し脱線するが「すだれ」などは、縄文時代からあってもおかしくないと思う(竪穴式住居、高床式住居の戸や窓に使われてるのは何か)。縄文早期からの籠は有名であるが。
そして、吉野は国栖の民との関係が天武天皇・持統天皇の時代からあったのは有名だが、ここも紙の産地。妄想は広がる。
感情の流れは、U先生によると二つあるとのことだ。時間の流れに従って現出する本流のようなもの。そして、突然ふっと湧きおこる不思議なもの。今回のふわっと浮く美しい紙から得た感情はなんだったのだろうか。
感情の激流に掉さす 1/10
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森 裕行 | |
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