今日は4ヶ月ぶりに、等価変換創造学会の勉強会に参加させていただき良かった。この中で創造の定義とは「シーズとニーズのマッチング」との話がでてきたが、たぶん創造の定義は山ほどあるものの、人間が存在するリアルな世界での定義としては最も良い定義と思った。
実務的には、基本技術とか資源とかがシーズにあたり、ニーズは人(顧客)のもつ欲求であり、それをスムーズにつなげていくのが創造過程なのだと思うが。これを個人に落とせば、隠れている自分の渇望や傾向といったシーズを、現実の意識化された世界(価値観・・・)に統合しつつ表し(マッチング)ていくことではないかと思う。
そして、今回、大変興味深い実務上の事例も知ったのだが、シーズとニーズの出会いは直線的ではない。人間集団の世界では利害関係の対立もあれば、実に複雑。それゆえ、成功事例でも、成功への過程は直線的ではなく正のスパイラル的になる。朝顔のつるが太陽に向かいつつも螺旋状に伸びていくのに似ている。
個人の場合でも同じなのだろう。夏目漱石が、建築家を目指し、次に学者を目指し、そして最後の10年間に文芸を目指す姿、も何か螺旋状に伸びていく姿に見える。防衛機制を持ちつつとアイデンティティの統合を図っていく生命体の基本の姿はスパイラルアップなのだろう。
現実吟味力はあるか? 6/10