元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

日々の所感を日記のつもりで記録

(SLS - 8) いちご白書をもう一度

2014-08-07 16:51:43 | ショートショート
TVの懐メロ番組でいつも人気投票すると上位にくる曲にユーミン作詞作曲、バンバンが歌う「いちご白書をもう一度」と言う曲がある。「いちご白書」は米国のコロンビア大学で実際にあった学園紛争を題材にした映画である。人気があると言う事はみんなこの映画を見ているのだろうか?それとも単にユーミンの曲がいいだけの話だろうか。
この映画は1970年公開なので俺はまだ中学生で学園紛争には興味もないし彼女もいないので映画は見ていない。曲が流行ったのは、1975年で俺が大学四年生の時。曲が流行ったせいか、この曲にあるように早稲田松竹で映画が再公開された。学園闘争しているグループが映画を学内で上映するのかポスターが大学構内にも貼ってあった。曲のヒットと共に映画も有名になった。俺は留年が決まっていた。この歌では「就職が決まって髪を切ってきた時、もう若くないさと君に言い訳したね」と男子学生が彼女に言い訳をする。でも俺の場合は、実際に髪を元の黒髪に戻しチリチリパーマもやめたのは当時付き合っていた彼女の方だった。彼女は大手銀行に内定していた。来年の4月から務め始める彼女とは、別れる予感がした。と言うか振られる予感がした。
「パパ、ご飯冷めちゃうわよ」妻が言った。TVでばんばひろふみが歌う「いちご白書をもう一度」を見ていた俺は我に返った。
食卓には妻に高校生の長男と中学生の長女が待っている。留年して有り余る時間で行ったアルバイト先で知り合ったのが、今の妻である。何度生まれ変わっても、この家族がいい、この人生がいい。もし留年しなくても、きっと何処かで今の妻に会っていたに違いない。きっと人は生まれた時にはもう運命が決まっているのではないか?そう感じるのはこんな瞬間だ。

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