元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

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ヘーゲル研究家の法政大学教授の山口誠一さんによると 「現代日本人の「心の壁」には内壁と外壁があります。前者を文学にしたのは、村上春樹であり、後者を文学にしたのが、夏目漱石です。」

2017-03-02 21:26:36 | ヘーゲル
ヘーゲル研究家の法政大学教授の山口誠一さんによると
「現代日本人の「心の壁」には内壁と外壁があります。前者を文学にしたのは、村上春樹であり、後者を文学にしたのが、夏目漱石です。」
この山口さんの評価はすなわち、村上春樹の初期の作品のデタッチメント(社会や他人と関わらないこと)から、サリン事件以後のコミットメント(積極的に関わること)への変化の過程での初期の作品ってことですね、きっと。
そして夏目漱石は、後期の作品で積極的に他人と自我がぶつかりあう部分を文学のテーマにし、初期の文学作品とか講演などで、日露戦争後に浮かれる社会を痛烈に批判したけれど。

そしてSNSにもこの心の内壁と外壁という概念が当てはまる。基本的に本名で行うことが多いフェイスブックでは主に内壁内(個人的なことで、自慢話しではない範囲)の投稿が多いし、セキュリティの範囲も友達内が多い。(情報発信したい人は別であるが)
外壁を超えた投稿(政治ネタや自己啓発ネタなど)をすると「いいね」はもらえない。下手をすると友達をなくす。見ている人に専門家ではない素人がネットで仕入れたようなことを投稿するのは、「お前が言うな」、「お前に言われたくない」という感情を引き起こすのだろう。コメントでの反応もない。(ただ常にバッシングが付きまとう政治家などは別であるが。)
逆に匿名で行うことが多いツイッターで内壁はセキュリティの問題があるので、あまり投稿しない。(政治家やスポーツ選手、芸能人は別)もっぱら外壁(政治ネタや社会ネタ)のことばかりである。