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平山洋介神戸大学大学院教授の世界4月号 「三世代同居促進」の住宅政策をどう読むか?

2016-03-14 08:32:59 | 読書
平山洋介神戸大学大学院教授の世界4月号 「三世代同居促進」の住宅政策をどう読むか?
要約
・安倍内閣の一億総活躍社会の実現のため三世代同居、近居の促進が子育て支援の一環として住宅政策の重要課題とされたが、補助金、所得税の控除は三世代同居のみに適応される。
・これは家族主義的福祉レジームであり、子育て、介護を家族の義務とする体制のことである。おじいちゃん、おばあちゃんが子育てを手伝い、要介護になった時には、子と孫が介護を行う。
・結論から言うと現状は、三世代同居は約20%(うち両親+子+爺婆は15%、単親+子+爺婆が5%)である。子育て世代で高収入の人たちの持ち家比率は高い。(ローンを抱えている)住める広さの住宅は都市圏にほとんどない。男性も女性も同居を望んでいないため有効な政策ではない。
・子世帯の住宅取得を親が援助する場合の生前贈与税の大幅優遇に加え、これは持てる者への優遇政策そのものであるり格差のさらなる拡大をもたらす。
・少子化対策での住宅政策の優先課題は、単親世帯と低収入世帯への政策である。次に男性も女性もその多くが望む近居対策である。
・子育て世代の住宅事情を分析、調査することなく、三世代同居という結論が先にあっての政策である。

一億総活躍政策の住宅政策が、ほとんど報道されないのでこの記事を読むまでは知らなかったが、報道されない理由も、きっと意味のない政策だからだろう。
内閣府の調査でも子供が欲しくても持てない理由のほとんどは、経済的理由であることからも、やはり少子化対策としての優先住宅政策は単親世帯と低収入世帯への対策である。

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