貧乏石好き

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硫黄鉱物:硫黄と珪素は仲が悪い

2024-05-30 19:59:21 | おべんきょノート

自然硫黄。インドネシア産。


硫黄を含む鉱物は1304で、硫酸塩、亜硫酸塩を除いても683。めちゃくちゃ多い。
硫化鉱物で超有名なものだけでも、黄鉄鉱、白鉄鉱、黄銅鉱、斑銅鉱、閃亜鉛鉱、輝安鉱、辰砂、鶏冠石、雄黄などがある。もちょい広げると、硫化鉄鉱、磁硫鉄鉱、硫砒鉄鉱、ベルチエ鉱、輝銅鉱、銅藍、硫砒銅鉱、安四面銅鉱、砒四面銅鉱、輝銀鉱、淡紅銀鉱、濃紅銀鉱、針銀鉱、輝コバルト鉱、輝水鉛鉱、輝蒼鉛鉱、針ニッケル鉱、ゲルマン鉱、車骨鉱、毛鉱などなど。
切りがない。これに硫酸塩・亜硫酸塩鉱物が加わるわけで、巨大勢力ですな。

硫黄、S、原子番号16。酸素属でセレン、テルルと同族。は? 酸素はガスでテルルは金属じゃなかったかよ。わけわからん。
地殻中の存在度は意外と少なく、ストロンチウムと同じくらい。けれど大気にも海水にも生命体内にも存在する。火山と温泉には付きもの。なんでも地球最初の生命は酸素ではなく硫化水素で呼吸をしていたらしいとか。にゃ。
よく知ってるけどよくわからんやつですな。

なんで火山に硫黄が付きものなのかも、調べたけど難しくてわからない。硫黄はガスになりやすくて吹き出てくるからというのはあるだろうけど、なんで硫黄だけあんなに目立つ?
様々な金属の硫化鉱物があるのは、どうもマグマの中で珪酸塩メルトと硫化物メルトが混和しにくく分離するかららしい。これも難しくてよくわからん。
珪酸塩メルトと硫化物メルトの分離? このあたり、どうもアヤシイ。
で、mindat の Search Minerals By Chemistry で調べてみた。SとSiを両方含む鉱物はなんと61しかない。さらにそこからSO4、SO3を除くとなんと11。面白いから末尾に付けておく。知ってるのはヘルヴィンしかない。

つまりですねえ、「硫黄と珪素は仲が悪い」ようなのですね。なぜかは知らない。
「不適合元素」という概念があって、造岩鉱物の結晶からはじき出されてしまう元素がある。バリウムとかストロンチウムとか。別項メモ。しかしそういうののリストに硫黄は入っていない。マグマの状態で「分離」するから?

硫黄は珪素たくさんのマグマからはじき出されて火山で噴き出す。またマグマの中で早々に珪素と袂を分かって、金属を取り込んで硫化鉱物を造る。ということらしい。
つまり硫化鉱物は珪酸塩鉱物の対極、与党の超対極の存在ということになる。過激派だあ。
石作りの精霊たちは、精妙多様な珪酸塩や諸酸素酸塩の世界を作るために、早々にこの暴れ者を追放したのかもしれない。(ねえよ)
しかし「硫黄と珪素は仲が悪い」なんて、どこかに書いてありますか? そう説明してくれるといろいろわかりやすいのに。

前にもあげたシャーレンブレンド。硫黄ベースの諸金属塊。珪酸マグマからはじき出された硫化物メルトの固まったやつということなんでしょうね。アヤシイ過激派集団。

ううむ。硫黄というやつ、なかなか曲者。なんかダイヤモンドの生成に硫黄が関与しているという新研究もあるらしい。うむむ。

*11の異色鉱物
Abenakiite-(Ce) Na26Ce6(Si6O18)(PO4)6(CO3)6(SO2)O
Anandite (Ba,K)(Fe,Mg)3((Si,Al,Fe)4O10)(S,OH)2
Bobmeyerite Pb4(Al3Cu)(Si4O12)(S0.5Si0.5O4)(OH)7Cl(H2O)3
Bystrite (Na,K)7Ca(Al6Si6O24)(S5)Cl
Danalite Be3Fe4(SiO4)3S
Genthelvite Be3Zn4(SiO4)3S
Helvine Be3Mn4(SiO4)3S
Jasmundite Ca11(SiO4)4O2S
Krugerite BaCa6(SiO4)2[(P0.5S0.5)O4]2F
Sapozhnikovite Na8(Al6Si6O24)(HS)2
Sulfhydrylbystrite Na5K2Ca[Al6Si6O24](S5)2(SH)
自民党の中に革マルが紛れ込んでいるようなものか。(何だそれ)


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