貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

シャーレンブレンド

2022-04-17 10:51:35 | ややレア

長年憧れ続けてきた(嘘つきなさい君は新米だろ) あの石を、先日ついに手に入れました。
シャーレンブレンド。Schalenblende。
コーヒーではありません。(わかってるよ、つかつまらん) 原語はドイツ語だから「シャーレンブレンデ」が正しいかな。(うざいw)
実に不思議な模様を見せる石。

まあ有名な石だけあって、高かった。ほんとはもっと高いのだけど、エヌズミネラルさんがまたまた30%オフセールをおやりになっていたので、それでも高いけど、えいっと飛び降りた。(それじゃ意味通じん) いけませんねえ、エヌさん、石好きの財布を苦しめる。(ずいぶん恩恵を受けたんでしょ)

開けてびっくり。

すごい模様。金属質の輝き。
重い。そして臭い。
臭いんですよ。ものすごく。自然硫黄の時、「臭う石なんてあるか?」と書いたけど、これも臭う。もっと臭う。鉄錆と硫黄の混じり合った臭い。それが持っている手にまで移る。
しかし「くさい」と「におい」を同じ漢字にするのはやめてほしい。(誰に言ってる?) 「匂い」はまた違う意味になるし。ほんとにいやだ。

ポーランドを主産地とする「硫化鉱物混合岩石」。鉱物名ではないのね。
主成分は、

 スファレライト(Sphalerite、閃亜鉛鉱)ZnS
 ガレナ(Galena、方鉛鉱)PbS
 パイライト(Pyrite、黄鉄鉱)/マーカサイト(Marcasite、白鉄鉱)FeS2(二つは同質異像)
 ウルツァイト(Wurtzite、ウルツ鉱)(Zn,Fe)S   ヴュルツという人名由来だろうからヴュルツ鉱が正しいはず。ウルツ/ウルツァイトなんて音の言葉はどこにもない。ウルツァイト言われそうだけど(つまらん)

要するに、亜鉛・鉄・鉛と硫黄がくっついたもの。何ちゅう組成や。濃いいぜ。おなじみのケイ素も酸素も、マグネシウム・ナトリウム・カルシウムもない。こんな組成あるかい? どんなふうにしたらこんなもんができるのか。
鉄錆と硫黄の臭いがするのは当然ですな。金属主体だから重いのも当然。
黄色と茶色のところはスファレライトらしい。スファレライトというと鮮やかな赤を思い描くけど、いろいろな色があるらしい。金属のくせにここではすっとぼけた黄色を見せている。
黒っぽい部分は青光りしていてガレナのように見えるけれど、鉄臭いからパイライトないしマーカサイトかもしれない。この部分、シラーと言えるほどにきらっきらに輝く。



不思議な模様は、mindat によれば、「低温硫化物ゲルの比較的急速な結晶化によって形成されたと考えられている」。ってこの説明じゃわからん。きわめて特殊なマグマから生まれたのだろうか。

この模様は、東欧的と言う人もいるけど、あちきには何となく古代シルクロード文化を思い起こさせる。なんかこういう絵があったような気がするけど思い出せない。

不思議な模様を描くのは、アゲート/ジャスパーを始めいろいろとある。
けど、これ、全然違う。
写真で見てるだけでは、メノウに毛が生えた程度みたいにも思えるけど、何せ亜鉛と鉄と鉛。質感も輝きも全然違う。
石というより、むしろ金属塊ですな。
いやびっくり。「何じゃこれ」の世界。
うーん、こりゃあちきのお宝の一つになるかな。


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