貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ピンク・タンザナイト

2022-11-25 10:04:13 | ややレア

タンザナイト。人気の石ですねえ。
鉱物としてはゾイサイト(灰簾石)だけど、タンザニア・メレラニヒルで出る青く透き通ったものをティファニーがこう命名して大々的に売り出した。ただし加熱して青くしたものも多い。青は含まれるバナジウムのせいだとされている。ちなみにゾイサイトで赤いのはチューライト。こちらはマンガン含有。というのが基礎的なお話。

石集めを始めた頃、「やっぱ欲しいよね」といろいろ探った。なんか大資本の術中にはまったみたいで気分はよくなかったけど、青い石は好きだし。
美しいものは当然高い。で、取り敢えずは手の届くところからと、お安いタンブルを買った。

透明度はあまりない。でも青の色がきれいだからこれでいいか、と。強い光だとけっこう鮮やか。



ところがその後、クリスタルワールド五反田店さんでなんと5個で800円の原石があった。



非加熱。透明度は低いけど強い光を透過させると実に美しい青が出る。ちなみに2個は行方不明。近所の子にあげたらしい。(きれいじゃないやつをあげたんじゃないの?)
さらに別の日、やはり五反田さんで800円の透明度が高い原石があった。



ちょっと蝕像っぽい繊細な結晶複合。明るい鮮やかな青が美しい。これで800円ですぜ。クリワさんは時々有名な石をとんでもない破格値で売ってくれる。ボレオアイトとかグランディディエライトとか。ありがたい。
もうこれで十分。似たような色の石はアイオライトがある。そっちの方が方向変色がダイナミックだったりして面白い。安いし。(それが一番のポイントだろ?)

     *     *     *

そのうち、ピンク・タンザナイトというのがあることを知った。
「はあ? タンザナイトをピンクに光らせて何が面白い」と思った。(光らせたわけではないだろうよ) レア価値はあるのかもしれないけど、やっぱタンザナイトは深い青でしょう、と。
ところが先日、ハッピーギフトさんのサイトを見ていたら、やけに美しいピンク・タンザナイトがあった。小さいけど結晶の姿が端麗で、「照り」もよさそうで、条線も美しい。根元に小さな青の部分があって「バイカラー」になっている。
妙に心が惹かれて、お値段も手ごろだったのでポチッた。
で、来てみたら、これがすごいんですねえ。
サイトの写真では根元の一部以外はピンク一色だったのだけど、実は方向変色、「カラーチェンジ」するのです。ごく微弱だけど紫、緑、青、黄が揺れる。コーネルピンにも匹敵する、とまでは言えないけど、なかなかの多彩さ。写真だとほとんど写らないのですけど。







動画はこちら

タンザナイトも方向変色はあるようで、ツイッターでけっこうすごいのを見たことがある。けれど、深い青のものは、あんまり変化が見られない。地が薄いピンクだから、結晶の方位による偏光が浮き出るのか。
いやあ、びっくり。意外なところで好みの石ができました。ピンクなんて邪道だと思っていたことを反省。いい石です。

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と、ここですっきりと終わらない。ぐだぐだ余計なことを書くのが癖です。(まあこのブログ自体がね……)
どうも、このゾイサイトというやつ、わけがわからん。(またかよ)
組成は Ca2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)。素材は平凡だけど複雑で、含水鉱物。双結派(ソロ)でエピドート(緑簾石)と同派。元は同グループとされたとか。
変成岩の結晶片岩やエクロジャイトの中に見られる、と言われる。やっぱ加水変成、つまり水煮ですかな。(また出たよ)
けれど、繊細な、あるいは整った結晶が、晶洞ではなく岩石中に出来るのですかね。わからん。

タンザナイトはしばしば加熱によって美しい透明な青になる。これ不思議。熱で結晶構造が整うということらしいけど、変成の過程だって結構熱はあるはず。それでも生焼けの部分というのがあるのか。(生焼け?)

ちなみに1個800円の結晶複合のものは、蛍光する。

タンザナイトって蛍光するんですか? まあ同じ系統の色なので特筆するまでもないけど。

ルビー・イン・ゾイサイトというのもある。けっこういろいろな所で見るけど、これも奇妙。

なんで加水変成岩の中にルビーがちりばめられるのか。ルビーって高温高圧でできるのではなかったですかね。元の岩石の中で生成して、変成する時に分解されずに、氷小豆アイスの小豆のように散らばったのか。(どうして表現がそっちに行く?)

なんか鵺っぽい石ですね。うむむ。(これで終わるのかよ)


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