丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

ガラスの仮面は厚化粧

2010年10月31日 | お子様
 チビ子の舞台メイクの講習会がありました。自分も子供の頃、さんざんクラシックバレエの舞台で塗り倒してきましたし、チビ子も過去二回のダンスの発表会を経験しているので、まあまあ慣れてはいる方だと思うんですが、いずれもダンスなので、芝居用のメイクとなるとまた少し違うのだろうな~とは思っていました。まあ、一言で言うと、基本は一緒。でも舞台の方が一塗り多かった!!!!  意外ですよね。ダンスやバレエの時よりも地層(笑)がいちまい多いんです。

 おほん。え~、それでは簡単な説明をさせていただきます。

 まず、顔を綺麗に洗います。もしくは綺麗にふき取り化粧水でふき取ります。昔はコールドクリームを使っていましたが、最近はふき取り用化粧水を使うんですね。とにかく顔の汚れや皮脂をすっかり落とします。

 次に肌色のドーランを塗ります。これは私達が普段使うファンデーションとは比べモノにならないくらい、こってりした油のカタマリです。それをムラなく、こってり、隙間なく、たっぷり顔に塗り込めます。この時点で一枚皮が増えていて、既にカユくなったりするかもしれません。いや、ほんと、かゆいんだってば(笑)。

 お次はノーズシャドウです。眉の下辺りから鼻筋にかけて、茶色の線を入れます。ダンスの時は女の子は赤が多いですね。これをうまく伸ばしていくと……あら不思議! 外国人のようなすっきりした鼻筋が出来るではあ~りませんか! ダメ押しにハイライトといいまして、Tゾーンに白を薄く入れます。普段は粉でテカリを押さえる場所ですが、ここをあえて白くします。すると、今日から私もギリシャ人(笑)!!

 ここで白粉をぱたぱたはたきます。これもまた、普通の白粉ではないようです。昔は普通の白粉、下手するとテンカフンをはたかれてたんじゃないかという噂もありますが(笑)。

 で、ダンスの時はここから目とか口とか眉に移ってたんですが、舞台はここからまだ一手間ありました。これは未体験ゾーンでしたね。

 水でとくタイプのファンデーション(フェイスケーキ)を刷毛で顔にベタベタベタベタと塗るのです。まるで肌色のペンキ状態。せっかく作った顔の上に、新しい層を作ります。この層の上から再び白粉をパタパタ。なんでも汗でながれても下から別の層が現れるので、長時間同じ顔を保つことが出来るということだそうですが……。古代遺跡の上に火山灰が積もって、新たな地層を作った! みたいな感じでしょうか。う~ん、ほとんどポンペイ最後の日。私の職場で例えるならば、紙おむつの上に紙パットを置いて、パットが汚れても下のおむつがあるから大丈夫! みたいな……? ちょっと違うか(笑)。

 ここまで来てようやく次の段階です。

 眉を書きます。自分の眉よりもかなり長くかっこよく、はっきりと。めざすは大地真央、はたまたビビアン・リー! いやいや、ここはオードリー・ヘップバーンか?! とにかくかっこよく、です。はい。

 そしてアイシャドウ! これがまた、すごいのよ(笑)。青と白の絵の具状のドーランを混ぜ混ぜして水色を作ります。それを瞼全体に眼球サイズ(医学用語では眼窩といいます)に塗ります。ほんでもって、球体の一番膨れている部分には白を上塗りして、立体感を出します。これだけでもすごいのに、今度は眼窩の骨に沿った部分に茶色を入れます。で、これをうまく眉やノーズシャドウとなじませる。……うお~、すごいメリハリ!

 ……だいぶ疲れてきましたが、まだ戦いは続きます(笑)。

 アイラインを入れます。これは今の若い子は違和感ないかもしれません。とにかく、目を開けた状態で黒いラインが見えるように塗るので、瞼の半分くらいは真っ黒になると言ってもいいでしょう。瞼の下半分を黒く塗っていると、ついイタズラで、瞼に黒目を書きたくなるイチビリの母です(爆)。そんな衝動を必死で押さえながらチビ子の瞼に色を次々と乗せるのであります……。
 目の下にもラインを入れます。これはダンスの時は目の下一センチくらいのところに、びゃ~~~~っと一本黒いラインをひいたりするのですが、それはしないらしい(笑)。目の際、外縁三分の一くらいのところにラインを入れます。これくらいはちょっと目力メイクをする時には普通でもできそうな感じ。

 さ、いよいよ唇。これもまたこってりした奴です。かなり赤い色なので、少し白を混ぜて柔らかくするといいのかな。今日はそのまま塗ってしまったので、恐ろしく真っ赤っかになっちゃいました(笑)。

 で、全体のバランスを見ながら頬紅(今度はパウダー状の奴)を入れていきます。

 そりゃね、ここまで塗ったら、超日本人な顔のチビ子もエライ事になってしまってますよ(笑)。近くで観たら誰だかわからない。
「お母さん、バレエのメイクになってるで」
 と、のたまっていましたが、化粧品屋さんにチェックしてもらったら、「まあ、こんなものですよ」とのことだったので、良し! とします(笑)。


 実は、このメイク、舞台でもセリフがちゃんとあるようなキャストの時にするメイクなんだそうです。アンサンブルで舞台に上がる時にはもっと地味なメイクで、基本は同じですが、最初のチークがなかったり、アイシャドウがなかったり、唇の色が地味だったりでもう少しナチュラルになります。
 ちなみに12月28日に劇団の本公演がありまして、チビ子は前座のアンサンブルに登場することになってます。ということは、ナチュラルメイクですな。な~んだ、こんなに気合い入れなくてもよかったんじゃん(笑)。いやいや、近い将来セリフのある役をするかもしれないからね。親も練習しておかないと。 備えあれば憂いなし!

 それにしてもこのメイク、取るのも大変なんですよ。普通の化粧品ではないので、なかなか落ちない。顔の皮が三枚くらい増えている状態なんですもんね。ひょっとかしたら、「ぱこっ」と仮面みたいにメイクだけ外せるんじゃないかと思うのですが(笑)。
 昔、漫才のネタでありましたよね、「仮面を脱げ~」ってやつ。ガラスの仮面なら脱げるけど、厚化粧は脱げないモンですかね(爆)。


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