踊るマルコメ味噌

　チビ子は去年の年末からダンスを習いに行っている。私が学生時分にお世話になっていた教室のキッズクラスに放り込んだ。一応バレエの基礎とリトミックのような内容でチビ子は気に入って通っている。この十二月に発表会があり、今はその練習がメインになっている。

　初舞台にも関わらず三つも振り付けを覚えなくてはならない。それも一つはソロだ。大先生に目をかけてもらっているのはいいんだけれど、他のお母さんの手前もあるのでほったらかす訳にもいかず、母ちゃんも振り付けを覚えて家での練習での駄目ダシをする。最初は箸にも棒にもかからないといった風情で、「・・・どうすんねん、この人。」と私も途方にくれたが、さすがに若い脳みそ。最近はかなり見られるようになってきた。自分なりに頭の中で美しく見える踊りをイメージしているらしい。（まぁ、そう教えてきたんだけど）

　踊る姉の姿を毎晩見ているからか、チビ太郎が最近えらい踊るようになってきた。それもマルコメ味噌のくりくり坊主が、妙に艶かしいしぐさで踊るから思わず吹き出してしまう。結構筋力があるので、もの凄くしんどいポーズをとりつつ、それを維持する様をみていると、案外いけるかも・・・なんて気になってしまう。「こいつも年明けくらいにダンス教室に放り込むべぇか・・・。」と密かに謀略をめぐらせる母であった。

　私が子供の頃は男の子がバレエをやっていると言えば「や～い、オカマ～。」と随分からかわれていたが（可哀想なちえぞーの弟）、最近はジャニーズやら熊哲やら、踊るイケメンが多いので世間の目も随分変わった。チビ太郎をジャニーズに売り飛ばそうとまでは思わないけど、踊るマルコメ味噌もかわいいかな・・・なんて思う今日この頃だ。