丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

雨音は波紋のように……

2008年07月19日 | 四方山話
 朝から雨が降っていた。大粒の、夕立の時のような雨粒が大きな雨音を作っている。うちの居間の窓に隣接するお隣のガレージのトタン屋根は特に雨音が響く。ざあざあと言う低い音と少し硬くて高い、小さな破壊音にも似た音が混じっている。
 朝御飯の後片付けをしていて、ふと手を止めた。窓とは全然違う方向から雨音が聞こえてくる。それも天井近い部分から……。
「雨漏り? まさかね~」
 居間は一階にあるのだから、二階ならともかくこの部屋が、それも外壁とは接点のないところから雨漏りなんかするはずもない。第一雨音が聞こえるはずがない。
 不思議に思って音源に耳を近付ける。すると、音は急に聞こえなくなる。
「???」
 気のせいだったのかな? なんて思いながら元の位置に戻るとやっぱり雨音が響いてくるのだ。それも、物凄く生々しく、大きな音で。
 これはまた一体どういうことか? 音源を見つめ、窓を見て、また音源を見て……。それを繰り返しているうちに、はたと気が付いた。
「窓の音が反響してるんや……」
 窓の外、それも窓よりも一メートル以上低い位置にあるトタン屋根からの音が、窓を通って、天井近い壁で反射して、ちょうど後片付けをしていた私の耳に届いていたらしい。
 音は水面の波紋のように空気中を伝導してくるという。そしてその波紋は壁に当たって、色々な方向へとまた別の波紋を広げていく。
 自分は今、その音の波の中に身を置いているのだ。妙に感動してしまった。

 この部屋で歌の練習をする時(大声で真剣に歌う時)には、必ず立つ位置が決まっている。その場所で歌うと、自分の声が満遍なく広がって、均等に反響してくる気がするからだ。他の場所、他の向きでは、どうも自分の声が綺麗に響かない。きっと壁との距離や、家具の配置の関係などで微妙に変わってくるのだろう。
 そんな事を考えていると姿かたちのない『音』という物が、なにやら実体を持った不思議なものに思えてきた。

 嗚呼、今日は朝から理科の勉強をしたような気分だなぁ。ちょっと賢くなっただろうか。こういう些細な積み重ねが科学への興味に繋がるに違いない。よし、チビ共にも教えてやろうっと!

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