古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

奈具岡遺跡(丹後・出雲 実地踏査ツアー No.5)

2017年03月17日 | 実地踏査・古代史旅
 大田南古墳群をあとにして次は車で5分ほどの奈具岡遺跡へ向かう。

 竹野川の中流域の小高い丘陵上に位置する、弥生時代中期の大規模な玉作りの専業的生産集団の遺跡である。緑色凝灰岩の管玉を製作した工房群22基と、水晶やガラスを素材にして玉を製作していた工房74基が検出された。どちらの工房からも未成品や失敗品が出土しており、材料から製品が作られるまでの工程が明らかになったという。また、鉄器生産を行っていたと思われる鍛冶炉も検出されている。鉄素材は中国製と考えられ、奈具岡の水晶玉は中国の鉄素材を入手するための交換財であった可能性が指摘されている。

 現在は国営農場になっていて一面にビニールハウスが立ち並んでいたので、残念ながら遺跡の「遺」の字も感じることができなかった。道路を挟んだ反対側が奈具岡南古墳群で、資料によると方墳が並んでいるようだ。そして道路の向こうを一見すると方墳っぽい盛り土が観察できたのでOさんと「あれは古墳かな」と話をしながらよーく見ると、盛り土のカドがきれいに角ばっている。たぶん重機で成らした造成地だろう、ということになった。

京丹後市教育委員会の案内板。


道路の向こうに見える造成地。


 資料によると周辺には奈具遺跡、奈具谷遺跡、奈具墳墓群など多数の遺跡や墳墓・古墳が密集しているのにそれらを見ることも感じることもできなかった。しかし、ここで出土した水晶玉などはこのあとの古代丹後の里資料館で実物を見ることができたので許そう。

 そうそう、ここでは雨でぬかるんだ土に足を取られたのか、はたと気づけばSさんが靴を汚して残り雪で靴を洗っていたのが印象的だった。

 さて、このあと3人は遠所遺跡へと向かった。

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