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『ガラパゴスの自然保護 半世紀の活動とその未来』(後編)②

2008-11-06 19:53:07 | WWFマガジンより
『ガラパゴスの自然保護 半世紀の活動とその未来』(後編)②

新たな危機
 この時のエルニーニョの規模は当時、100年に一度、と言われた。
しかし、1997年から翌年にかけて、島は再び大規模なエルニーニョに襲われ、
大打撃を受けた。

 エルニーニョは本来、数年おきに発生する自然現象である。
しかし、その規模と頻度が増している原因には近年、人為的なものも
指摘されている。地球温暖化である。

 島の人口増加も、世界遺産となったこの30年で増大した脅威だ。
その名が広く知られるようになったことで、押し寄せるようになった
観光客と、その経済効果に魅かれて集まってくる住民が増加。
1979年に1万人あまりだった観光客は2006年には15万人に、
住民は30年10倍の2万6000人に増えた。

 もちろん、世界的な保護区として、立ち入れるエリアの厳しい制限や、
エコツーリズムのルール、高い観光税など、他と比べてレベルの
高い自然保護のための措置は設けられている。
しかしそれでも、観光による現在の圧力は十分に軽減できていない。

 さらに、諸島の近海で続く、ナマコなど輸出用の水産物の密猟や、
相次ぐ船の事故による油の流出など、人口増加と経済活動の拡大に
伴う環境への被害が跡を絶たない。外来生物の脅威も、いまだ収まっていない。

 2007年、ガラパゴスは「危機遺産」のリスクに名を連ね、
エクアドル大統領による非常事態宣言が発せられた。
しかし、温暖化や、移住してくる人々の背後にある貧困の問題までもが
絡むようになった今、かつてのような、島々だけを対象とした
取り組みだけで、現状を打開するのは困難だ。そしてこのことは、
ガラパゴスだけでなく、多くの途上国に残る、価値ある自然環境の保全にも
共通した、極めて深刻な問題である。

 私たちは、フィールドでの活動に、温暖化防止や、途上国における
持続可能な開発といった活動を組み合わせ、新たな環境保全の形を
作ってゆかねばならない。ガラパゴスは、その大きな舞台になるだろう。

 1961年の設立当初から、WWFが自然保護に取り組んできた
ガラパゴスの島々。現場では今も、活動が続けられている。
(WWFマガジン)


 ガラパゴスなどは、テレビの情報によると、
その観光には多くの規制があると言っていましたけど、
それでもなお、環境は守れない。
多くの人に収入を与える大切な自然。
 
 自然を敬い、同じ動物として他の生き物と
共存していく方法はないのでしょうか・・。
絶滅の危機に陥っている多くの種、人もいずれそのリストに
加わることになるのだと・・そう思います。