草がともだち(まんがのえんがわ)

草むしりの仕事さえなければ、
と思いつつ、草むしりが嫌いではない。
でも草むしりから開放されて漫画を描きたい。

アオツヅラフジの青い?実

2008-11-21 16:08:10 | 野の花・秋





アオツヅラフジ(=カミエビ、ツヅラフジ科)

 青い実がなるからアオツヅラフジだと、ずっと思ってました。その割に目立たない青だなと。違ってました。木本性のツルが一年目は緑色をしているからアオい茎のかずら(=つづら)という意味でアオツヅラフジでした。

 私の持ってる古い“牧野新日本植物図鑑”にはアオツヅラフジの名がありません。アオツヅラフジはカミエビの名で載っていて、オオツヅラフジがツヅラフジの名で載っています。ああややこし。後に整理されたんでしょう。

 どこにでも生えているように思いますが、雌雄異株なので実を見ることは案外少ない。粉をふいたような紺色の実が付きます。

 全体が細かい毛に覆われ、ツルはあまり太くはなりません。たいして高いところへは上らないようですが、2年目からは茶色の茎になって、木本ですからいつまでも残ります。

 このツルが意外に手ごわい。山の畑の生け垣に被さった何年来のアオツヅラフジと格闘したときは指の関節が熱を持ちました。盆栽仕立てにして楽しむ人もあるようですが、とても植える気にはなれません。

 牧野図鑑にはオオツヅラフジのツルで編んだかごを“つずら”(=つづらこ(葛籠))と呼ぶ、とありますが、アオツヅラフジのツルでも編めるだろうと思います。




   
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すき焼きにヤマノイモのむかご

2008-11-20 17:09:47 | 野の花・秋





ヤマノイモ(ヤマノイモ科)

 見つけると、食べても食べなくても採りたくなるのがヤマノイモのむかご。たいてい手の届くちょっと先に一番大きいのがあって、採ってやろうとツルを引くとホロリと落ちて草に紛れてしまう。小さいころから何度くやしい思いをしたことか。

 上の写真はアケビか何かのツルにからまったもの。下の写真は梅の枝にからんだものです。

 自然薯(じねんじょ)と呼ばれる地中の芋は、毎年太るのかと思っていたら、地上部分を養うために縮んでいって、秋、また新しいイモができるそうです。地中の芋と、むかごと、花を咲かせて作るタネ(うちわを三枚くっつけたような実の中に入っています)と、三種類の方法で子孫繁栄を図るがめつい奴!

 さて、集めたむかごをどうやって食べよう?実家で炊いたむかご御飯は不評でした。思いついて、すき焼きに入れてみました。

 肉の間に もとい 糸こんにゃくとネギとエノキダケのあいだに不気味に見え隠れするどす黒いイモ。誰も手を出さないまますき焼き終了。

 入れた責任で、ごちそうさましてから一個食べてみると・・・

 「おいしい!」

 うさんくさそうにしている息子と夫にも無理やり食べさせると
 「これはおいしい!」
 「お母さん、どこで採ってきたんや!?」

 甘辛く味のついた皮をプチッと噛むと中は真っ白、むっちりモチモチのホクホクで里芋よりきめが細かい。息子は立て続けに口に放り込んでいました。ヤマノイモさん、来年もたくさんむかごを付けてね(*^_^*)





   
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野原の赤い実(ヒヨドリジョウゴ)

2008-11-19 16:10:52 | 野の花・秋





ヒヨドリジョウゴ(ナス科)

 ヒヨドリジョウゴが真っ赤に色づいてきました。日に透かすと透き通りそうなみずみずしい赤です。いかにもおいしそうですが、ソラニンとかいう神経毒を含んでいて、食べられません。

 熟した実をつまむと簡単につぶれて、ジュースのような赤い液体と、たくさんの白い種が出てきます。熟す前の実は濃い緑。

 やや毛深く見えるのがヒヨドリジョウゴの葉で、つやつやしているのは下になったお茶の木の葉です。つる草といってもあたりを覆い尽くすほどではなく、やや控え目なところがなおさら可愛い。

 見るたびにシャッターを切ってしまいますが、なかなか思うように撮れません。辺りがすがれて、枯草の中にこの実だけが残ったらまた撮ってしまいそう。

 10月9日の記事にヒヨドリジョウゴの花が載っています。

      http://blog.goo.ne.jp/hikawa_001/d/20081009





   
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野原の赤い実(サネカズラ=ビナンカズラ)

2008-11-18 11:09:57 | 野の花・秋





サネカズラ(=ビナンカズラ、マツブサ科)

 あると信じて探したらありました。しかもすぐ近くに。

 サネカズラ、別名ビナンカズラ。実(さね)が美しいカズラだからサネカズラ。皮をつぶして水を加えた粘液を整髪料にしたから美男カズラ。昔はモクレン科でしたが、今はマツブサ科ができてそちらに分類されています。

 中心にある丸い台が花托(かたく)。周りについた液果が落ちると花托だけが残ります。

 関東以西の暖かいところに自生し、ツルが交差する様子から“逢う”の枕詞として古くから歌にも詠まれてきました。

  
   名にし負はば 逢坂山のさねかずら

      人に知られで くるよしもがな

              三条右大臣 (後撰集)百人一首25


 初めて見つけたのは○十年前、宮内庁管轄の御陵の森のはずれ。名前も奥ゆかしく、西日を浴びて輝くサネカズラの実に、こんな美しいものがあったのかと感嘆しました。

 それが自宅から数分の空き地にざくざく実っているのを見つけてしまうと、少々ありがたみが薄れたような(笑)でもこんなに近くにあるなら、来年は夏に咲くという花を見てみたいものです。

 
(最初の画像をクリックするとオリジナル画像が見られます)




   
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野原の赤い実(ノイバラ)

2008-11-17 14:19:08 | 野の花・秋





ノイバラ(バラ科)

 ヤブの中でノイバラの実が色づいています。ピントがぼけてますが3枚目の写真で分かるように、てっぺんに萼の名残がついています。

 明るい林床にはこれがよく生えて、ズボンの上からでも引っかかれます。刈るのも抜くのも大変。いてて、いてての連続です。





   
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レンブラント光線

2008-11-15 23:28:46 | 自然現象


お天気は良かったんですが、ひとかたまりの厚い雲が太陽を隠して、つかの間こんな光線が見られました。

こんなふうに雲間から太陽の光が放射状に射すのをレンブラント光線と言います。ヤコブの梯子、天使の梯子とも言います。

北国オランダの画家レンブラントが好んで描き、また素晴らしい効果を上げたので、こういう光線に彼の名がつきました。太陽が低い位置にあるときによく見られ、一年中見られますが、雲の垂れ込める冬が特に印象的です。





   
   
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カラスウリのすだれと“大黒さん”

2008-11-13 16:20:11 | 野の花・秋









 秋も半ば。柿の木の高い梢から、カラスウリのツルがすだれのように下りてきます。伸びすぎて下がってきたのかと思っていたら、ちゃんと目的が。

 下がって地面に着いたツルが土にもぐり、芋を作って、この芋からまた来年生えてくるんだそうです。芋にはデンプンがたくさん含まれているので、飢饉の時に役に立ったとか。

 赤く色づいた実を切ってみたらそろそろ種が熟していました。俵に乗った大黒さんに似ているし、打ち出の小づちにも似ている。財布に入れておくとお金がたまるんですって?入れるとしたらぷっくり熟してつやつやの、最後の写真のですね。ご利益ありますように!



   
   
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休耕田のムラサキサギゴケ

2008-11-11 18:46:13 | 野の花・秋





ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)

 休耕田にムラサキサギゴケが咲いています。コケというから苔かと思うと、ゴマノハグサ科のきれいな花。鷺の姿に似て、苔のように広がるという意味でしょう。

 本来は春の花。匍匐茎を伸ばして広がり、チドメグサミゾカクシをバックに、紫の星雲のように咲いているのを見ることもあります。

 同じゴマノハグサ科のトキワハゼ(岡山大植物研究室HP)(1年草・花期、春~秋と長い)とよく似ていて、図鑑だけで知っていると混同しそうです。

 ムラサキ・・・は多年草で、根元から匍匐茎を出して広がる、休耕田や畔に多い(トキワ・・・は道端など比較的乾いたところ)、ムラサキ・・・の方が色が鮮やかで花も大きい、と見分け方はいろいろ。

 私は、ぱっと見て素直に「あ、きれい」と思えばムラサキサギゴケ。

 「近づいてよく見ればけっこう可愛いかな?」と思えばトキワハゼ、と見分けてます。これで案外まちがいません。

 この休耕田は4~5年前まで一面ススキの穂が揺れていました。放っておくとセイタカアワダチソウが茂ってしまうのを、程よく管理なさっていたみたいです。持ち主が退職なさったのか、頻繁に草刈りをされるようになってムラサキサギゴケの群落が見られるようになりました。今年は張り切りすぎで、あんまり頻繁に刈られるので、春にはムラサキサギゴケの咲く暇がなかったんです。あきらめていたら今頃になって咲いてくれました。
 


   
   
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お茶の花

2008-11-10 12:36:20 | 栽培植物





チャ(ツバキ科)

 今の時期、散歩コースのいたるところでお茶の花が咲いています。ぷっくりした丸っこい花は田舎娘のようで可愛い。イメージ通りの田舎娘なんて、もう居ませんけどね(笑)

 まん丸なつぼみも可愛い。お茶の実は堅い丈夫な殻に守られていて、中に茶色の、固い大きな種が3個入っています。もっともお茶の種は親の性質をほとんど受け継がないのだそうで、性質を維持するためには挿し木で増やすそうです。

 茶畑もありますが、土地の境界に目印に植えられたり、そのついでの生け垣になっていたものが多いのです。山の畑の方へ行くと、薮の中にぽつりぽつりとお茶が生えています。種が落ちて自生したものもあるでしょうが、畑の境界の名残りだったりします。

 お茶と違って境界に植えてはいけないのが漢方薬に使われるクコだそうで。いったん根付くと匍匐茎を伸ばしてまた根を下ろし、どんどん増えるので、隣の畑の方に伸ばして、他人の土地を取り込むのに使われたのだとか。なんともみみっちい(笑)「クコを植えるものに気をつけろ」と、これは亡き父から聞いた話。

 





   
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庭の千草

2008-11-09 16:53:10 | 栽培植物


 今日のように暗くて寒い日には、庭に咲き残った小菊にひときわ目が引かれます。こんな菊を見ていると、思いだすのはあのアイルランド民謡“庭の千草”です。原題は“夏の最後のバラ”。(The Last Rose of Summer)

 アイルランドの国民的詩人トマス・ムーアの詩にジョン・スティーブンソンの曲。明治時代に訳されたころにはバラよりも菊の方が身近に思われたんでしょう。

 もとの詩より日本語訳の方が明るい感じがします。気候の違いか、明治という、ガンバラナクッチャとみんなが思っていた時代のせいか。

  里見義訳の日本語の詩は、霜に耐えた白菊が凜と立っている様がうかびます。人に遅れている人間に、遅れていてもいいからがんばりなさいと言ってくれているような気がして、私なんぞは少なからず慰められていたんですが。


   庭の千草も 虫の音も
   かれてさびしく なりにけり
   ああ白菊 ああ白菊
   ひとりおくれて さきにけり

   露にたわむや 菊の花
   霜におごるや 菊の花
   ああ あはれあはれ ああ白菊
   人のみさおも かくてこそ


 原詩では摘まれて散らされてしまうんですね。

 素晴らしい歌を聞かせてくださるブログを見つけたので、そちらをごらんください。原詩に翻訳を付けてくださってます。

http://dogaeigo.blog118.fc2.com/blog-entry-17.html#comment-top





      
    
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