今日のように暗くて寒い日には、庭に咲き残った小菊にひときわ目が引かれます。こんな菊を見ていると、思いだすのはあのアイルランド民謡“庭の千草”です。原題は“夏の最後のバラ”。(The Last Rose of Summer)
アイルランドの国民的詩人トマス・ムーアの詩にジョン・スティーブンソンの曲。明治時代に訳されたころにはバラよりも菊の方が身近に思われたんでしょう。
もとの詩より日本語訳の方が明るい感じがします。気候の違いか、明治という、ガンバラナクッチャとみんなが思っていた時代のせいか。
里見義訳の日本語の詩は、霜に耐えた白菊が凜と立っている様がうかびます。人に遅れている人間に、遅れていてもいいからがんばりなさいと言ってくれているような気がして、私なんぞは少なからず慰められていたんですが。
庭の千草も 虫の音も
かれてさびしく なりにけり
ああ白菊 ああ白菊
ひとりおくれて さきにけり
露にたわむや 菊の花
霜におごるや 菊の花
ああ あはれあはれ ああ白菊
人のみさおも かくてこそ
原詩では摘まれて散らされてしまうんですね。
素晴らしい歌を聞かせてくださるブログを見つけたので、そちらをごらんください。原詩に翻訳を付けてくださってます。
http://dogaeigo.blog118.fc2.com/blog-entry-17.html#comment-top
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