草がともだち(まんがのえんがわ)

草むしりの仕事さえなければ、
と思いつつ、草むしりが嫌いではない。
でも草むしりから開放されて漫画を描きたい。

熊川哲也『完璧という領域』

2019-07-16 02:21:00 | お知らせ

                          ボールペン下描きあり


   うわあ似ない!
   あの眼力が全然出ません。

   熊川哲也といえばローザンヌ国際バレエコンクールの舞台裏で、
   「表現が全然足りない!これじゃ伝わらない!」
   と自分を叱咤していた姿が強烈に印象に残っています。
   (素晴らしい出来だったのに)

   その時から人もあきれる完璧主義者という感じでしたから
   何十年後のこの本のタイトルはまさに熊川!ですね。

   それにしても何という前進力でしょう!?
   読み終えて、いつも断崖絶壁に立ち、
   俺が一歩足を踏み出せばその下に地面はできるんだというような生き方だなと思いました。
   踏み出した足の下に大急ぎで足場を組み、土を放り込む人の助けもきっとあるのだろうと思いますが
   それも熊川氏が踏み出していなければ何も始まっていないわけで。

   「その軌跡は誰にも真似できないし、僕にさえ二度と同じ人生は歩めない。
   また歩みたいとも思わない。」

   そうでしょうとも (^▽^;)

   目立ちたがり、負けん気、完璧主義者、と似ていますが、
   熊川氏には羽生選手のような、ほにゃららとの間のものすごいギャップはなく
   ずっとバリバリのようです。 
   
   半分資料として読んだので、カンパニーの経営者としての話をもう少し詳しく読みたかったのですが、
   それはまだまだ各方面に差支えがあるかもしれませんね。
   何より舞台づくりについて語る時の熱の上がり方を見ると、

   まさに“踊るディアギレフ”!

   何といってもこの方はダンサーであり、
   芸術家なのだなと思います。   

   

   子供のころバレエ漫画がはやりましたが、自分のあまりの運動神経のなさに
   習いたいとは一言も言えませんでした。