


ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)
休耕田にムラサキサギゴケが咲いています。コケというから苔かと思うと、ゴマノハグサ科のきれいな花。鷺の姿に似て、苔のように広がるという意味でしょう。
本来は春の花。匍匐茎を伸ばして広がり、チドメグサやミゾカクシをバックに、紫の星雲のように咲いているのを見ることもあります。
同じゴマノハグサ科のトキワハゼ(岡山大植物研究室HP)(1年草・花期、春~秋と長い)とよく似ていて、図鑑だけで知っていると混同しそうです。
ムラサキ・・・は多年草で、根元から匍匐茎を出して広がる、休耕田や畔に多い(トキワ・・・は道端など比較的乾いたところ)、ムラサキ・・・の方が色が鮮やかで花も大きい、と見分け方はいろいろ。
私は、ぱっと見て素直に「あ、きれい」と思えばムラサキサギゴケ。
「近づいてよく見ればけっこう可愛いかな?」と思えばトキワハゼ、と見分けてます。これで案外まちがいません。
この休耕田は4~5年前まで一面ススキの穂が揺れていました。放っておくとセイタカアワダチソウが茂ってしまうのを、程よく管理なさっていたみたいです。持ち主が退職なさったのか、頻繁に草刈りをされるようになってムラサキサギゴケの群落が見られるようになりました。今年は張り切りすぎで、あんまり頻繁に刈られるので、春にはムラサキサギゴケの咲く暇がなかったんです。あきらめていたら今頃になって咲いてくれました。

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カラスウリ(ウリ科)
木の葉が落ちて枝の間が透いて行くにつれ、カラスウリの赤い実が目につくようになってきました。
花は一夜で咲いてしぼむのに、実が熟すのにはずいぶん時間がかかります。赤い実を採って切ってみましたが、まだ熟した種は見られませんでした。
背の高い柿の木からカラスウリのツルが何本も釣り糸のように下がっていますが、これが地上につくとそこから根が出てまた新しい株になるんだとか。なんてたくましいんでしょ!
実が黄色のキカラスウリは見たことがないんですが、キカラスウリの根のでんぷんが天花粉(てんかふん)になるんだと今回初めて知りました。昔のベビーパウダー。若い人は知らないかな?私はずいぶんお世話になりました。
赤い実なのにカラスウリ。カラスが好んで食べるのかというと、そうでもないそうで。
マメ科のつる草で、大きさの対比でカラスノエンドウ、スズメノエンドウ、両者の中間の大きさでカスマグサ、という名前の付き方をしたのがあります。カラスウリに対しても、同じウリ科で白っぽい小さな実のなるスズメウリがありますから、単純に大きさの対比を表わしたのかな?と、これは私の勝手な推理。本気にしないでね(笑)
さて、以下の写真、写っているのはそれぞれ別の個体です。刈り取られたり、剪定した木の枝をかぶせられたり、災難が多くて。




8月に雌花が咲き、実ができていく様子です。青い実には筋があるのに、最後には筋のない真っ赤な実になります。
豪華に咲く雄花の写真は7月29日と8月1日の記事でご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/hikawa_001/m/200807
http://blog.goo.ne.jp/hikawa_001/d/20080801

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コムラサキ(=コシキブ・クマツヅラ科)
この秋の流行色は紫。散歩の途中、きれいに実をつけた“ムラサキシキブ”を見つけたのでシャッターを切りました。そういえば今年は源氏物語千年紀でもあります。
でもまてよ、ムラサキシキブって、もっとまばらな実の付き方で地味な印象じゃなかったっけ?
と調べてみたら同じクマツヅラ科のコムラサキのようです。見分け方はこちらをどうぞ。
http://park23.wakwak.com/~koda2/natsu7b/natsu7-37.html
ムラサキシキブはもっと大きな木になって人の背の高さくらいのところで実をつけるとか。
この木が生えていたのは空き地ですが、誰かが植えて手入れしているような感じです。と言っても、もともと福島県から台湾、中国にかけて自生しているもので、園芸品種というわけではないんですね。
いずれにしても珍しい紫の実が印象的で美しい。名前がまた素敵です。別名の小式部は和泉式部の娘、小式部内侍にちなんだようです。
でもなんといっても紫式部さんの方が断然知名度が高いわけで。そういうところからこのコムラサキ=コシキブも、“ムラサキシキブですよ”と言って売られたりする。そして私が混乱する(笑)

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クヌギ(ブナ科)
林の陰でクヌギのドングリを見つけました。ドングリの中でも大きくて丸々したクヌギのドングリは、いっそう立派で手応えがあります。花が咲いて翌年の秋に実るそうですから、これは今年ではなく去年の花が実ったものです。
きのうの野菊と同じで、ドングリの木というものがあるわけではなくブナ科のナラ、カシワ、シイの類の実で、コロコロとした固い実を総称してドングリと言っているわけです。
どこまでをドングリと呼ぶかは微妙ですが、もともとはクヌギの実を指していたとも言います。

そのクヌギの木にたくさんの虫こぶ(虫嬰)がついていました。きれいなものですが、中には虫が入っているので食べられません。どうやらクヌギハマルタマバチの虫嬰かな?するとこの虫嬰はクヌギハマルタマフシと呼ぶことになります。葉の表につくことが多いようなんですがここでは葉裏についてました。下からみあげてるので葉の表は見えなかったんですが。詳しくは下のURLをクリックしてください。虫嬰も奥が深いんですねぇ。
http://phasmid.cocolog-nifty.com/worm/2005/08/post_0e17.html

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ヨメナ(キク科)
秋の野の花と言えば欠かせないのが野菊。
♪遠い山から吹いてくる小寒い風にゆれながら・・・
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/nogiku.html
の、「野菊」の歌を覚えておられる方も多いでしょう。でも植物図鑑を調べてもノギクという花は載っていません。子供のころこれで混乱したことがあります。
野菊はヨメナやノコンギクをはじめとする野に咲く菊の総称で、ノギクという花があるわけではありません。ですから薄紫の花もあれば白い花を咲かせる野菊もあり、ノコンギクはキク科でもシオン属で、厳密にはキクではないとか、まぁうるさいことを言い出せばきりがないわけで。総称なんですからざっと野菊でいいでしょう。
これはその中のヨメナ。私がああ野菊が咲いてる、と思うときはたいていこのヨメナです。春の若芽は野菊の中で一番おいしいそうですがまだ食べたことはありません。関東に多いカントウヨメナは食用にはならないとか。

ニラ(ユリ科)
10月17日に掲載したニラの実が割れて種がこぼれていました。
うちの畑、もとい空地(笑)に蒔いておけば来年ニラレバやチヂミの役に立ってくれるかな?

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